感染症 / 04 / / 選択


回答群[a.(ア)のみ正しい b.(エ)のみ正しい c.(ア)(イ)(ウ)が正しい 

d.全て正しい e.全て誤っている]

1.コレラについて、正しい記述の組合せを選びなさい。

(ア)米のとぎ汁様便。 (イ)潜伏期は1週間である。

(ウ)高熱をきたす。 (エ)腹痛が著明である。

(解答)a

(ア)○特徴的臨床症状。 (イ)×1〜3日。 (ウ)×発熱はない。 (エ)×腹痛もない。

2.ペストについて、正しい記述の組合せを選びなさい。

(ア)潜伏期は5日。 (イ)ダニによって媒介される。

(ウ)ペストでは、空気感染もある。 (エ)ペスト菌は、グラム陰性菌である。

(解答)b

(ア)×潜伏期間は普通2〜10日で、腺ペストで6〜10日、肺ペストで2〜3日。 (イ)×

(ウ)×感染動物(ネズミなど)との接触や感染動物を吸血したノミの刺咬による。

肺ペストはリンパ系からの血行感染と肺ペスト患者よりの飛沫感染もある。 

(エ)○グラム陰性桿菌。

3.マラリアについて、正しい記述の組合せを選びなさい。 (ア)熱帯熱マラリアでは、悪寒・戦慄は激しくない。 (イ)熱帯熱マラリアの赤血球感染率は10〜40%もある。 (ウ)メスのハマダラカの媒介により感染する。 (エ)四日熱マラリアは感染後72時間以内に発症する。

(解答)c (ア)○悪寒期に戦慄を伴わないのが通例。 (イ)○時に50%を超えることも。

(ウ)○ (エ)×潜伏期間は約30日。

4.インフルエンザについて、正しい記述の組合せを選びなさい。 (ア)インフルエンザはA,B,C,D,E型がある。 (イ)潜伏期は2週間である。 (ウ)インフルエンザC型に抗原変異が著明である。 (エ)reservoirはカモ(水禽類)と考えられている。

(解答)b (ア)×A、B、C型。 (イ)×潜伏期間は1〜5日で平均3日。 (ウ)×最も変異しにくい。

(エ)○渡り鳥による伝播が重要。

5.クリミア・コンゴ出血熱について、正しい記述の組合せを選びなさい。 (ア)マダニにより媒介される。 (イ)感染者のうち約20%が発症する。 (ウ)ダニの活動期の春に流行する。 (エ)病原菌はナイロウイルスである。

(解答)d (ア)○ (イ)○ (ウ)○ (エ)○

6.デング出血熱について、正しい記述の組合せを選びなさい。 (ア)フィロウイルスによる感染症である。 (イ)コガタアカイエカから感染する。 (ウ)ヒトからヒトの感染もある。 (エ)デング・ショック症候群ではヘマトクリットの低下がみられる。

(解答)e (ア)×フラビウイルスによる。 (イ)×ネッタイシマカから感染。

(ウ)×ヒトからヒトへの感染はない。 (エ)×ヘマトクリット値は上昇。

7.輸入感染症について、正しい記述の組合せを選びなさい。 (ア)熱帯熱マラリアは隔日で発熱する。 (イ)エボラ出血熱の致命率は低い。 (ウ)ペストでは色素変化を起こすため、黒死病とよばれる。 (エ)ラッサ熱は草原の地域に多くみられる。

(解答)b

(ア)×熱帯熱マラリアの熱型か不定、不規則。 (イ)×致命率は高い。(53%、88%)

(ウ)×黒いのは出血性壊死病変による。 (エ)○西アフリカ一帯で発生。別名サバンナチフス。

8.SARSについて、正しい記述の組合せを選びなさい。 (ア)死亡率は約10%である。 (イ)院内感染によって感染が拡大した。 (ウ)原因はコロナウイルスである。 (エ)感染防止のため飛沫・空気感染の対策を行えばよい。

(解答)c (ア)○14〜15%と言われる。 (イ)○ (ウ)○ (エ)×接触感染もあるうる。

9.HTLV−1について、正しい記述の組合せを選びなさい。 (ア)HTLV−1の感染様式としては細胞間感染である。 (イ)全てのリンパ性白血病の原因ウイルスである。 (ウ)東北日本が高浸淫地区である。 (エ)CD8陽性細胞に感染する。

(解答)a (ア)○母乳、輸血、性行為感染。感染細胞がリンパ球に接触することで感染(細胞間感染)。

(イ)×ATLの原因ウイルスである。 (ウ)×西南日本が中心。 (エ)×CD4陽性細胞に感染。

10.持続感染症について、正しい記述の組合せを選びなさい。 (ア)EBVは血液により感染する。

(イ)胆管細胞癌の大部分はHBV及びHCVの持続感染者から発生する。 (ウ)胃・十二指腸潰瘍は感染症と考えられない。 (エ)Burkitt腫、上咽頭癌はHIVと関連ある。

(解答)a (ア)○一般的には唾液を介した飛沫、接触感染だが、輸血などによる血液感染もありうる。

(イ)×HCCの話。 (ウ)×ヘリコバクターピロリと関係が深い。 (エ)×EBVと関連ある。

●4枚目 神経病理学:岩城徹

1.孤発性クロイッフェルト・ヤコブ病の画像所見として正しいものはどれか。 (a)発症時には脳の高度な萎縮はみられない (b)長期生存した症例ほど、脳萎縮が軽い (c)脳梗塞を合併することが多い (d)大脳の萎縮は左右差が著しい (e)MRIの拡散強調画像で大脳皮質や線条体に高信号領域をみとめる 1(a)(b)、 2(a)(e)、 3(b)(c)、 4(c)(d)、 5(d)(e)

(解答)2? (a)○初期は軽度の大脳皮質の萎縮だが、その後急速に大脳・小脳の萎縮が見られる。

(b)? (c)× (d)? (e)○基底核にも高信号が認められることが多い。

2.変異型クロイツフェルト・ヤコブ病について正しいものはどれか。 (a)高齢者に好発する (b)ミオクローヌスや舞踏運動などの不随運動で発症する (c)脳波で周期性同期性放電がみられる (d)MRIの拡散強調画像で両側の視床枕に高信号領域をみとめる (e)虫垂や扁桃などの末梢リンパ組織に異常プリオン蛋白が蓄積する 1(a)(b)、 2(a)(e)、 3(b)(c)、 4(c)(d)、 5(d)(e)

(解答)5 (a)×若年発症(20代)。 (b)×症状としてはあるが、発症は精神障害、感覚障害。

(c)×見られないのが特徴。(d)○ (e)○血液を介しての伝播の危険性がある。

3.プリオン(伝達性海綿状脳症の感染因子)として正しいものはどれか。 (a)ホルマリン液で失活する (b)潜伏期間は感染力価の影響を受けない (c)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)による煮沸が不活性化に有効である (d)通常のオートクレーブでは失活しない (e)紫外線照射で失活する 1(a)(b)、 2(a)(e)、 3(b)(c)、 4(c)(d)、 5(d)(e)

(解答)3 (a)×ホルマリン固定は無効。 (d)×132℃、1時間で失活。 (e)×UV照射は無効。

4.孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病について正しいものはどれか。 1 有病率が牛海綿状脳症の多発地帯で高い 2 平均発症年齢は約20歳である 3 脳に老人斑が多数みられる 4 マウスに接種することにより病気を伝達させることが可能である 5 大脳皮質に比べて海馬の萎縮が高度である

(解答)4 1×孤発性CJDの有病率は全世界均一100万人に1人。 2×高齢者に多い。平均63才。

3×老人斑はアルツハイマー。 4○1968年、GibbsによるCJDの実験的伝播。  

5×大脳の進行性萎縮が特徴。海馬は比較的保たれる。

5.ヒトの感染性プリオン病の原因となったものはどれか。 (a)スクレイピーに罹患した羊の肉 (b)角膜移植

(c)脳外科手術におけるヒト乾燥硬膜の移植

(d)組換え遺伝子技術により作製された成長ホルモン (e)腎臓移植 1(a)(b)、 2(a)(e)、 3(b)(c)、 4(c)(d)、 5(d)(e)

(解答)3 (a)×直接ヒトには感染しない。(b)○ (c)○ (d)?

(e)?動物実験では胸腹部臓器にも感染性が認められているが。

6.病名とその主な病変部位の組み合わせとして正しいものはどれか。 (a)単純ヘルペス脳炎 − 小脳 (b)ポリオ − 脊髄前角 (c)牛海綿状脳症 − 延髄 (d)HIV脳症 − 大脳皮質 (e)脊髄癆 − 脊髄前根 1(a)(b)、 2(a)(e)、 3(b)(c)、 4(c)(d)、 5(d)(e)

(解答)3

(a)×側頭葉と大脳辺縁系に出血壊死傾向が強い。

(b)○脊髄前角細胞や脳幹の運動神経ニューロンに感染、破壊。

(c)○BSE罹患牛の延髄では、神経細胞及び周囲の神経網に空胞が見られる。

(d)×大脳皮質は比較的保たれ、皮質下灰白質と白質に病変が強い。 (e)×後根神経節。

7.正しいものはどれか。 (a)プリオン蛋白のノックアウトマウスはプリオン病を発症しない (b)Kuruは食人の儀式によって広がった風土病である

(c)日本では羊のスクレイピーの発症はない (d)変異型クロイツフェルト・ヤコブ病のアミロイド斑はベータ蛋白質からなる (e)英国における牛海綿状脳症は撲滅された 1(a)(b)、 2(a)(e)、 3(b)(c)、 4(c)(d)、 5(d)(e)

(解答)1

(a)○完全ノックアウトマウスは感染材料を接種しても発症しない。 (b)○

(c)×日本では昭和59年に北海道で初めて発生。 (d)× (e)×それはないでしょう。

8.正しいものはどれか。 (a)クリプトコッカス症は肺についで中枢神経系に多い (b)ムコール症は糖尿病性ケトアシドーシス患者に生じやすい

(c)ヒト免疫不全ウイルスは脳に侵入しない (d)進行性多巣性白質脳症は麻疹ウイルスによる (e)成人T細胞性白血病ウイルスによるミエロパチーではウイルス抗体価は低い 1(a)(b)、 2(a)(e)、 3(b)(c)、 4(c)(d)、 5(d)(e)

(解答)1 (a)○肺から血行性に髄膜炎を引き起こす。 (b)○典型的な日和見感染症の1つ。

(c)×HIV脳症がある。 (d)×JCウイルス。麻疹ウイルスはSSPEの原因ウイルス。

(e)×患者脳脊髄液および血清中からしばしば高値のHTLV-1抗体が検出される。

●5枚目

9.正しいものはどれか。 (a)進行麻痺はウイルス感染症である (b)ゴム腫は梅毒トレポネーマ感染症である (c)癩菌はZiel-Neelsen法にて赤く染色される (d)結核菌は乾燥に弱い (e)単純ヘルペス脳炎の好発部位は小脳である 1(a)(b)、 2(a)(e)、 3(b)(c)、 4(c)(d)、 5(d)(e)

(解答)3 (a)×神経梅毒の1つ。梅毒トレポネーマ(スピロヘータ)感染症。 (b)○

(c)○抗酸菌は赤色に、それ以外の細胞や一般細菌は青色に染まる。らい菌は抗酸菌。

(d)×乾燥に対する抵抗性は非常に強い。 (e)×側頭葉、大脳辺縁系が好発部位。

10.ウエストナイルウイルスについて正しいものはどれか。 (a)アメリカ合衆国で多くの患者が発生している (b)主に蚊により媒介される (c)ウイルス系統樹では日本脳炎ウイルスより黄熱ウイルスに近い (d)カラスは感染しても発症しない (e)患者は筋力低下を示すことは稀である 1(a)(b)、 2(a)(e)、 3(b)(c)、 4(c)(d)、 5(d)(e)

(解答)1 (a)○ (b)○ (c)×日本脳炎ウイルスに近い。

(d)×蚊−鳥類の感染環。 (e)○?40%で筋力低下が見られたとの報告も。

【1】小児が誤飲したとき、胃洗浄の適応となるものはどれか。 1.たばこ  2.灯油  3.ろうそく  4.体温計の水銀  5.中性洗剤 a)1,2  b)1,5  c)2,3  d)3,4  e)4,5

(解答)b

1.○重症例では催吐・胃洗浄(摂取後1時間以内)。

2.×石油類は表面張力が極めて低く、嘔吐によって誤嚥する危険性。催吐禁忌。

4.×消化管から吸収されない。2〜3日後には便中に排泄。

【2】中毒と解毒剤の組合せで正しいのはどれか。 1.青酸中毒−亜硝酸・チオ硫酸 2.アスピリン−Nアセチルシスティン 3.バルビツール酸系睡眠薬中毒−フルマゼニル 4.有機リン中毒−PAM 5.ヒ素中毒−BAL a)1,2,3  b)1,2,5  c)1,4,5  d)2,3,4  e)3,4,5

(解答)c

1.○亜硝酸ナトリウム静注でメトHb形成し、チオ硫酸ナトリウムでシアン化物をチオシアン化物に変えて排泄する。

2.×アスピリンの特異的拮抗薬はない。Nアセチルシスティンはアセトアミノフェンの解毒剤。 

3.○フルマゼニルはベンゾジアゼピン系睡眠薬の特異的拮抗薬。 4.○ 5.○キレート剤。水銀、ヒ素、クロムにも使用。