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薬理学過去門薬理

薬物の細胞膜透過
- 弱酸性・弱塩基性薬物は非イオン型のみ受動拡散
- 血漿タンパクと結合しているものは飲作用によって取り込まれない
薬物のｐＫａ
- Henderson-Hasselbalchの式
  酸性薬物　pH=pKa+log([A-]/[HA])
  塩基性薬物　Ph=pKa+log([HA]/[A-])
- ｐＫａの値が大きいほどＨＡの値が大きく、吸収されやすい
- 塩基性薬物なので尿が酸性になるほどA-の値が大きくない、再吸収さｓレにくくなるため腎排出促進
- 塩基性の薬物ｐＫａ６以下は口腔内のほうが胃よりも吸収が良い。ｐＨ＞ｐＫａ
薬物受容体
- ニコチン性アセチルコリン受容体はナトリウムチャネルを形成するイオンチャネル内蔵型受容体・４ＴＭ型
- 細胞膜に存在する受容体の大半はＧタンパク共役型受容体・多量体または単量体、細胞膜を7回貫通・Ｃ末端を細胞内、Ｎ末端を細胞外
- アゴニスト～受容体～Ｇタンパク質の三者複合体が形成され、Ｇタンパクのコンホメーションが変化し、ＧＤＰが結合部位より離れＧＴＰが同じ部位に結合する
- 百日咳毒素及びコレラ毒素はＧタンパク質をターゲットとし、前者はＧｉ、後者はＧｓをＡＤＰリボシル化する
細胞内情報伝達系について
- 発ガンプロモーター、ホルボールエステルはＤＧの構造類似体としてＣ-キナーゼを活性化する
- ホスホリパーゼＡ２の主産物はアラキドン酸であり、アラキドン酸はシクロオキシゲナーゼによってプロスタグランディン類に、リボキシゲナーゼによりロイコトリエン類に代謝される
イオンチャネル
- 電位依存性Ｃａ２＋チャネルの内心筋・平滑筋に作用するカルシウム拮抗薬の標的になるのはＬ型チャネル。Ｎ型チャネルは神経細胞に存在
- 糖尿病治療薬のgkibenclamideによってとじられるＡＴＰ感受性Ｋ＋ちゃねるは2開幕貫通型
電位依存性Ca2+チャネルについて
チャネルを通って細胞内に入ったCa2+の役割を５つ挙げよ。
- Excitation-Contraction Coupling（興奮と収縮）
- Excitation-Secretion Coupling（膵液、唾液、神経伝達物質の放出）
- 繊毛運動
- 発光
- 各種イオンチャネルの細胞内Ca2+による賦活
- 胞内での物質の合成、卵分割など
- 神経突起の進展
- 軸策輸送
- 発火パターンの形成
電位依存性Ca2+チャネルの阻害薬を以下より１つ選びその記号を記入せよ。
- Ｔ型（フルナリジン）Ｌ型（ジヒドロピリジン）Ｎ型（貝毒（オメガコノトキシン）) Ｐ型（クモ毒（オメガアガトキシン））Ｒ型（カドミウム(Cd2+)　）
薬物の体内での代謝
- 参加などの第一相変換（酸化・還元・加水分解）の多くには肝臓のＣＹＰ（ちとクロームＰ４５０）が関与
- 第二相変換（ぐるクロン酸抱合言おう付加、メチル化、アセチル化）脂溶性の薬物は肝細胞で水溶性に変換されてから腎臓で排泄される。多くの場合代謝を受けた薬物は失活。プロドラッグは代謝により反応性中間体が生成され活性するもの
薬物の治療域と中毒域
- ＥＤ５０：反応を％で取り効力が５０％となる容量。有効50%濃度量。ＣＤ５０とも。
- ＬＤ５０：縦軸を死亡した動物の百分率で取ると５０％致死量
- 治療計数therapeutic index：致死量と治療量の比率。大きいほど安全性が高い。

肥満によって糖尿病のの成因のひとつであるインスリン抵抗性が生じる機序
pioglitazone などのチアゾリン系薬がインスリン抵抗性を改善する細胞内機序
- 肥大化した脂肪細胞より産生されるTNFα、遊離脂肪酸（FFA)などにより、インスリンと受容体の結合からGlut4の細胞膜移行に至るまでの過程のいずれか
  （insulinプラスインスリン受容体αーsubunit→αーsubunitのinternaliation→βーsubunitのチロシンキナーゼ活性化→IRS-1（insuline　receptor　substrateー１）のリン酸化→PI-3キナーゼ活性化など）が阻害されるため。
- pioglitazoneはPPARγ（Peroxisome Proliferator Activated Receptorγ）活性化による脂肪細胞の分化誘導（肥大化阻止）、
  アポトーシス誘導、→末梢細胞でのブドウ糖取り込み促進、肝臓での糖新生抑制・糖取り込み促進
カテコラミンのβ-作動薬は心筋では収縮増強、気道や血管の平滑筋では弛緩を引き起こす。
心筋および平滑筋についてその理由についてそれぞれ３つ以上挙げて
- アゴニストがβレセプターに結合→Ｇタンパクを介してアデニル酸シクラーゼを活性化→ｃＡＭＰ生成→ＰＫＡ活性化→①、②、③→気管支、血管、消化管平滑筋弛緩
- ①ミオシン軽鎖キナーゼをリン酸化→不活化
- ②イノシトールリン脂質代謝を阻害→ＩＰ３産生低下
- ③筋小胞体Ｃａポンプを活性化→Ｃａ取り込み促進→Ｃａ濃度の低下が早まる
- ・直接型：ドブタミン…心臓のβ１レセプターに直接作用→心拍数、心拍出量↑
  サルブタモール…イソプレナリンと類似の構造をとり、β２受容体に選択性が高く、直接作用して気管支、子宮、血管平滑筋などを弛緩させる
- ・間接型：フロプロピオン…ＣＯＭＴ阻害→ＮＡの分解阻害→Ｏｄｄｉ括約筋弛緩
- ・混合型：エフェドリン…エフェドリンはアドレナリン作用性神経終末に作用してＮＡを遊離させ、間接的にアドレナリン作用を示すと同時に直接受容体に作用してβ作用
生理活性物質について
- 副腎髄質からのカテコラミン遊離は、交感神経節前線維の興奮によりアセチルコリンが分泌され、クロム親和性のニコチン受容体と結合し、この際生じるＣａイオンの流入による開口分泌によって発現する
- アドレナリン作動性神経終末には自己受容体（autoreceptor）があり、遊離されたカテコラミン自身により遊離が促進される
- ヒスタミンを静注すると血圧低下とともに頻脈があらわれる
- 肥満細胞からのヒスタミン遊離で最も重要なものは抗原刺激によるもので、肥満細胞膜のIgG受容体を介して起こる

重症無力症の発生機序について説明し、その診断と治療に用いられる薬剤名を一つ挙げ、それらが用いられる理由について説明しなさい。 †

ＮＭＪの終板のＡＣｈレセプターの数が体液性、細胞性免疫因子により減少するため伝達が障害される。神経終末部でもＡＣｈ量が減少し、接合部での伝達の際、ＡＣｈが有効濃度に達しないなど、接合部前位および後位に障害が及ぶ。

その診断の目的でエドロホニウムが用いられる。投与すると、症状が改善される。コリンエステラーゼ阻害薬で治療中の患者にエドロホニウムを投与して、有効であれば用量不足であり、症状が悪化すれば用量過剰であり、治療効果を判定できる。

治療の目的でネオスチグミン及びその代用約が用いられる。可逆性コリンエステラーゼ阻害薬でコリン作用性神経刺激反応を増強する。またニコチンレセプターに直接作用薬としても働く。

くる病、骨軟化症に対して活性型ビタミンＤが有効である理由を、骨再構築の過程を述べて説明しなさい。 †

　骨再構築は、osteoclastによる骨吸収とosteoblastによる骨形成を通じた骨組織の動的平衡の維持である。骨形成の過程では、osteoblastが生成したⅠ型コラーゲンにCa２＋やPiがハイドロキシアパタイトとして沈着する。活性型ビタミンDは骨吸収や腸のCa２＋やPi吸収を促進による血中のCa２＋濃度・Pi濃度の上昇を通じて、Ca２＋やPiの骨組織への沈着を促進する作用がある。血中Ca２＋濃度はPTHも上昇させるが、血中Pi濃度を上昇させる作用を持つのは活性型ビタミンDのみであるため、ビタミンD欠乏に起因するくる病や骨軟化症では活性型ビタミンDの投与が有効となる。

語句結合問題