東京湾産の魚は「江戸前」と呼ばれ、寿司でよく聞くブランドです。日本最大の築地の市場では現在でも活発なせりが行われています。昔の東京湾の漁場図では漁場などが詳細に書かれており、さらに古くは千葉市の加曾利貝塚を筆頭に、多くの貝塚が豊穣の海だったことを物語っています。
東京湾における漁獲量の変遷 日本の閉鎖海域の環境保全2001より作成 http://www.emecs.or.jp/01cd-rom/section3/tokyobay/tkybay_fset.html
現在も、湾内ではかなりの漁獲があり、三番瀬だけでもアサリは数万トン、ノリは四百万枚、魚もスズキやアナゴを始めとして多数が干潟で稚魚時代を過ごします。1960年代には水質の汚染と時代の流れで東京都下の漁業権は補償金330億円とともに消滅しましたが、水質は以前よりはやや良好。その多様性は、アゴヒゲアサラシのタマちゃんが記憶に新しいように、湾内にイルカやマンボウが入ってくるほどです。もちろん、漁業以外にも潮干狩りや釣り船など多くの利用があります。