プログラミングスキルをもっと評価すべき


原文

結局運用コストが

 新人プログラマが作ったプログラムは取りあえず動くレベルでも、後でメンテナンスをする際に読みにくく、そのために仕様変更する場合でも手間がかかったり、稼働当初は障害が発生しなくても、仕様変更などメンテナンス時にトラブルを起こしがちです。また、データの少ない稼働初期には何とか動くプログラム(もちろん、当初はそんな事実に気付いていない)であっても、しばらくするとパフォーマンス障害が発生することがあります。私が見ているシステムでは当初稼働した際に作成されたコードの90%くらいは、結局何らかの理由(多くはパフォーマンス障害)で書き直す必要があった、というケースもありました。

上流へ、上流へ、といった道だけが正しいのか

 いま、コンサルタント会社に限らず、システム関連の職業ではプログラマは駆けだしの仕事であり、なるべく早くその上のポジションに就かねばならない、といった風潮があるように見えます。これは、早く高単価のポジションに就かせて売り上げを伸ばそうという意識の表れです。ですが、その結果として作成したシステムの品質が低下しているように思えるのです。

 システムの品質低下は開発コスト以上に運用コストに響きます。優れたプログラマが書いたソースは運用コストを下げることができます。それはバグの少なさ、パフォーマンス障害を引き起こす可能性の低さ、仕様変更への対応の容易さなどに表れるはずだと思っています。

 優れたプログラマへの評価はもっと高くあるべきなのではないでしょうか。新人プログラマを何人も使うくらいであれば、一見開発に時間がかかるように思えますが、ベテランのプログラマを利用した方が、開発期間、コスト、さらには運用管理についても良いのではないかと考えることが最近多くなっています。