ケーススタディ〜優れた「新天地デビュー」
- 新参者に対する「周囲の目」
- 上司
中途入社で自分の部下となるマネージャを採用することは、現在のメンバーだけでは力不足で、かつ自分自身が指揮を執るには手が回りきらないという事情があります。そこへ即戦力として外部から人材を迎え入れるということは、自分の意図をよく理解し、できるだけ早い段階でチームメンバーをまとめあげ、求める実績をどんどん出してくれることを期待しています。
- 同僚,部下
「自分よりデキる人かどうか」を見ます。
- グループマネージャに着任した日の朝、彼はメンバーへのあいさつでこういった。
- 「まず、皆さんが普段どんな仕事をしているのか、何がうまくいっていて何が問題なのかを教えていただくことから始めたいと思います。来週、皆さんと1人1時間ずつミーティングの時間を設定しますので、それまでに各自レポート用紙1〜2枚でまとめてきてください」
- 数日後、彼はメンバー全員と1時間ずつ、職務内容や仕事上の問題意識、さらに大事にしたい価値観や将来の夢などについても話し合った。これまでの仕事に多少の不満を抱いていた者は数名いたが、親身に聞いてくれる彼に対していろいろと相談した者も多かった。
- 全員と面談を済ませた後、彼はグループミーティングの場で新体制について説明し、各自に新しい役割を与えた。担当の入れ替えや役割の廃止など、大きな変更もあったが、メンバーは新しい方針を理解し、スムーズに新しい組織体制に移行した。
⇒彼はこの面談を通じて、各メンバーの職務内容、問題意識、能力、志向、適性、さらに組織が抱えている問題点などを把握しました。さらに、部下に対して「この人はきちんと話を聞いてくれるし、自分のことを理解してくれる良い上司だ」という認識を持たせることにも成功しています。
⇒さらに、グループの現状や課題を短期間で把握したことを踏まえて、的を射た改革案を出して実行に移しました。面談の内容を踏まえて新しい方向性を打ち出したので、メンバー全員が「グループの新しい方針に自分の意見が反映された」という意識を持ち、各自の仕事に対してより強くコミットすることができたのです。
- 新参者には期待の込もった視線が注がれています。最初に「こいつは仕事のできない奴だ」とみなされると、思うように協力が得られず実績も出せないという悪循環に陥ってしまいます。
- 紹介した事例のようなテクニックは非常に有効ですが、それと同時に、最初の3カ月は誰よりも働き、誰もが認める実績を1つでも出すといった心掛けも非常に重要です。
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