“職業としてのITアーキテクト”、その実態と理想とは


  • ITアーキテクト興味者:32歳
  • ITアーキテクト志望者:34歳
  • 現職ITアーキテクト :38歳

ITアーキテクトのスキル内容とは?

  • ところでITアーキテクトになるためには、どのようなスキルセットが必要なのだろうか? 先述したITSSでは、「ITアーキテクトのスキル領域」として、以下の10項目を挙げている。
  • アーキテクチャ構築:ソリューションアーキテクチャ構築/要件定義
  • デザイン:モデリング/ソフトウェア部品の再利用
  • テクニカル:プラットフォームや要素技術の比較と最適解の決定
  • メソドロジ:最適な開発方法論/開発プロセスの選択と適用
  • コンサルティング:データ分析/仮説の設定と検証
  • プロジェクトマネジメント:プロジェクト計画策定/実施/変更管理
  • インダストリ:業種・業界動向/競合動向などの把握と提言
  • リーダーシップ:目標や指針の設定、チームの指揮/動機付け
  • コミュニケーション:文書作成・会話力、良好な顧客関係の維持
  • ネゴシエーション:論理的思考/問題解決手法の活用

これらを見ると、「ソリューションアーキテクチャ構築」のような独自性もあるものの、ほかの職種と重なる項目が大半を占めていることが分かる。すなわち、“ビジネス課題を解決するアーキテクチャを設計するためには、SEや PM、コンサルタントの視点を総合したスキルが必要”と想定されているようだ。

そこで上記スキル領域について、読者に現在身に付けているもの/今後 習得したいものを尋ねたところ、現在は「テクニカル」および「コミュニケーション」領域を中心にスキルを積んでいる読者が多いことが分かる(図3 青棒)。一方、今後の希望では提示項目のほぼ全域にわたって習得意向が高まっている(図3 黄棒)。これらの中で現状(as-is)と習得意向(to-be)のギャップが大きい「アーキテクチャ構築」「メソドロジ」「コンサルティング」「プロジェクトマネジメント」といったスキル群が、今後ITアーキテクトを目指すエンジニアにとっての重点学習領域となるだろう。