Clacks Live 2006 ノリノリ! クラシックス


Clacks Live 2006 ノリノリ! クラシックス

  • 2006/11/25 18:30 山口情報芸術センター スタジオA
    • さて、待望のClacksのライヴである。音楽モノは久々(全開は一楽さんの『どらビデオ』だから、相当か)。
    • 個人的なポイントは、ロックのカヴァーだ。クラシック楽器でロックのカヴァーといえば、日本ではおそらくハープの竹松舞が、1997年リリースの『ファイアー・ダンス』でAerosmith『Angel』(Aeroのコア・ファンには不評の名曲)をカヴァーし、HR/HM雑誌にも取り上げられた最初だと思う。様式美を追求するという点で、HR/HM系のバンドがクラシックの楽曲をカヴァー、ないしは部分的に使用するというのは珍しくないが、逆のパターンはそれほど知られているとはいえないのではないだろうか。最近では、弦楽四重奏ユニットのStellaが2003年にリリースした『Stella Kiss』で、Mr. Big『To Be With You』などをクラッシク調でカヴァーしている。これは名盤。
    • 9割以上の客の入りは、YCAMでは見慣れた光景。客の年齢層も幅広い。ちなみに、今回の席はやや左よりだが、弦楽器を見る場合には左が良い。右側だと、指の動きが見にくい。
    • どーでもいいが、オープニングSEは誰の選曲か気になる。Weezer「Island In The Sun」はいいよな〜(会場のどれだけの人が反応したかは知らないが)。
    • 念のため。セットリストの順番等は、若干違うかもしれません。なにしろ、汚い字のメモと記憶が頼りなもので…(ペーパーが一枚あると良かったかなぁ)。
  • クラッシク名曲メドレー  Live it Up
    • 多分5分くらい押してのスタート。1のような曲を以前にも聞いたことがあるけど、超高速ドラム+打ち込みだったから、やっぱり弦楽器で聞くと新鮮…、けど、楽器から出ているその線は…。『第9』、『カルメン』、そして思わずニヤリ、ストーカー市川(引退)のテーマ『ウィリアム・テル』などを、ぎゅっと凝縮。ちなみに、照明の関係もあったのだが、2曲目くらいに、ヴァイオリンの高井麻衣さんのボウがピンクであることを確認する。特注だそうで、ケースもピンクだという。ヴァイオリンそのものもピンクになるのを、思わず期待してしまう。
    • MCで自己紹介。リーダーの門脇大輔さん、もちろん『のだめ』の中村君なのだが、これの反応がいまいち。おいおい、フツー、こういうライヴで何の予備知識もなしにくるかね。CDもリリースしているような人たちだよ。CDを買ってまでとは言わないけど、ネットで検索してみる、これもはや常識(車田正美『聖闘士星矢 冥界篇』)…、と思うだけどなぁ。
  • Layla(Derek and the Dominos) Walk This Way(Aerosmith)
    • CMでおなじみの2曲である。ただ、個人的にEric Claptonは苦手、正確にはThe Yardbirdsから出た3人(Eric Clapton、Jeff Beck、Jimmy Page)をてんで受け付けないのだ。好みの問題なのでこれを無視すると、Clackによる「いとしのレイラ」(邦題)はヒットだ。やっぱり、歌がダメのだろうか…。
    • 期待の「お説教」(これまた邦題)だが、あのギター・リフを弦楽三重奏で聴くとまた味わいが違うなぁ。ヴォーカル部分をSaxで、というのも挑戦的。これは満足、感動。こういうのを期待していたんだよね〜。
  • トッカータとフーガ(J.S.Bach)
    • 本日のライヴで、唯一の古典。Bachで好きな曲…、よく聴くのにそれほどでもないのかなぁ。元々オルガン曲をアレンジしてあるので、オルガンで聴くほどの重々しさもなく、さらっとした感じ。Bachのイメージとは一風変わった感じ。
  • My World (Lost)
    • アイリッシュな楽曲、リズムが印象的で、後半部なんかがアイリッシュっぽい感じ。多分、この後にもう一曲あったと思うのだが、メモが読み取れない(情けない…)。
  • (Lost) Riding High
    • オリジナルの連打。女性人は衣装チェンジのためステージを離れて、男性2人による演奏だ。魅せる、という点でもこういう進行はいいなぁ、無理がなくて。
  • 大きなのっぽの古時計 島唄
    • CD未収録だが、知らない人はいない日本の名曲のカヴァー2曲。今度は女性二人での演奏。「古時計」では、唄パートを村田泰子さんがヴィオラで演奏。人の声域に最も近いらしいヴィオラなので、耳にすんなり入ってくる。そうか、「お説教」とかも、ヴィオラで弾いたらまた違う感じになるのかもしれないな…。Stevenの歌唱法って、独特だし。
    • 「島唄」はこれまたリズムがかなりアレンジ入っていて、面白い。
  • Eternal Youth
    • 唯一、セカンドアルバムから披露されたオリジナル。本日演奏されたオリジナルの中では、最も印象的。色々やる気が出る。
  • Truth(T-Square) Septermber(Earth Wind & Fire)
    • うーわー、これが今日のハイライト。めちゃくちゃカッコいい。言わずと知れた、F-1のテーマソングであり、年に十数回、必然的に聴くことになる名曲。T-Square自体元々インスト・バンドだから、しっくりくるのは当然かもしれないけど、原曲と遜色ないくらいに震えがくる。
    • ラストが11月なのに…(すいません、冗談です)。一応クラシックのライヴなのに、スタンディングで、Saxの藤田淳之介さんが、ステージを降りて私の横を通り抜けていきましたが、生音はやっぱり強烈。
    • さて、これで公演は終了なのだが、まさかアレを演奏せずに帰ったりしませんよね?
  • ルパン三世のテーマ やさしい雨
    • アンコール。当然、演奏しないわけはありませんでした。ラジオのCMではこの曲が使われていたわけだが、さすがにこの曲を知らない人もいまい。しかし、今のお子様たちはTVスペシャル以外は見たことがない(現在、ネットでみれたりもしますが)かもしれないな。私も再放送で見たくらいだし。もちろんこれもグッドです。
    • ラストは、ヴィオラをメインにしたしっとりとしたオリジナルで。
  • 終了後
    • YACMモノにはずれなし、素晴らしいライヴだった。是非とも、2度、3度と来てもらいたいです。演奏している人を間近に見ながら音楽が楽しめる空間というものは、楽しくて仕方ない。
    • 一点だけ、せっかくのクラシック楽器での演奏だから、すべて生音で聞きたかったところ。他のところではどうしているかは分からないけど、今回はYCAMの素晴らしいサウンドシステムから流れるオケが大きすぎ。多分、生音じゃ聞こえないからという判断か、全部の楽器の音がPAを通してのもだった。オケを小さくしても、生音で、というのが私の希望。
    • 個人的なことだが、やっぱりこういうお洒落なライヴに一人で行くというはつらいものがある。メンバーの皆さんに置かれましては、こういう事情があってのことですので、気にされる必要はありません。楽しめたことには間違いないのですから。
    • ちなみに、全く同でもいい話だが、行きにThe Smashing Pumpkins、帰りにAlice In Chainsというヘヴィー音楽を聴いていたことをここに報告するものである。