突っ込み大相撲
しばしお待ちを。
Wachi? (2004-07-19 (月) 01:01:45)
新しい話題に入る前に、少しだけコメントしておきます。
＞ですが、Wachi君はどうやら両者は自己矛盾であることの自明度において違いがあると見なしているようです。だから、その違いの根拠を僕は問いただしているわけです。無論、Wachi君のもともとのレポートでそのことについては論じてあります。ですが、それで議論が十分に尽くされているとは思えなかった（もちろん、僕の理解能力に不足があるということもあるでしょうが）ので、その点をもう少し説明してもらいたいというのが、僕の質問のそもそもの意図です。
無論、私のもともとのレポート（実はもともとレポートのつもりで書いたのではなかったのですが）では、「自己言及性」の明確さゆえに、「赤が色である」よりも「ラッセルのパラドックス」の方が、「自己矛盾」の構造が見えやすいと論じたつもりでした。なにせ「ラッセルのパラドックス」は「自己言及のパラドックス」なのだから。でも、それで議論が十分に尽くされているとは思えなかったから、ご質問いただいたわけですよね？それ以上の答えを要求されても、今はやはりうまく答えられません。これからまた勉強してよくよく考えておきたいと思います。
ということで、
＞さてさて、文章の解釈法についてお尋ねですが、正直、僕にも分かりません（笑）。分からないからこそ、Wachi君に教えを請おうと尋ねたんですもの。
＊さんが「僕の文章全体を見てください」と言うから、私もどうすればよいのか尋ねたんですけど。お互いわからないなら、「文殊の智恵−１名」で智恵を絞りましょう。
＞ 質問。もし、今西田が「復活」してきて、あなたが書いた自分の文章に関するレポート（内容は何でもいいです）を読んで、「わしの文章の解釈が間違っとる！ わしはこんなつもりで言ったのではない」と言ったとします。そしたら、あなたはどうしますか。何を答えてもいいですが、次の二つのうち、どちらを選ぶかだけは分かるように答えてください。
１．修正する。
２．反論する。
ご質問の分析に手間取っているので、しばしお待ちを。おそらく「『書き手』と『書かれたもの』」に関係する問題なのではないかと見当はつけているのですが。それに、どちらを選んでも、もう一方から反論が来る類の質問のような気がして、何か嫌な予感･･････！？
- おっと、ワナに気づかれてしまいましたか（ニヤリ）。まぁ、どちらの選択肢を選んだとしても話すことは結局同じですけどね。少なくとも今のところ、そのつもりです。占いや性格診断みたいなものと考えて気軽に答えてください（かえって答えにくくなったらすいません（笑））。 -- ＊?
- それにしても、「私の論理はだれにも理解されていない」というグチを書き残して死んでいった西田のことだから(『「続思索と体験」以後』所収「私の論理について」（絶筆）)、もし「復活」なんかしようものなら、現在の西田研究者を片っ端から捕まえて、「わしの文章の解釈が間違っとる！ わしはこんなつもりで言ったのではない」と言いそうな気がします。 -- Wachi?
新たな質問
＊? (2004-07-15 (木) 12:52:19)
＞ 今更言うことではないかもしれませんが、４．とどう違うのでしょうか？「疑念を提示したからといって、必ずしも反論（アンチテーゼの主張）しているわけではない」というのは、単なる疑問か反論かという二つの読解可能性があることを述べているのではないのですか？それとも、「二つの読解可能性」の意味を私が取り違えているのでしょうか。とにかく、違いがよく分からないので、４．に答えることで答えたことにしたいと思います。
１と４はぜんぜん違います。１の意味は、Wachi君の文章には様々な解釈の仕方があり（一つの文章に様々な解釈の仕方があることは、西田について書かれた論文などを読むと分かると思いますが、Wachi君の文章の不備が原因というよりは、言語そのものの不完全性により不可避的に生じる問題です）、その様々な（可能な）解釈の内のたった二つを僕は提出したにすぎないということです。だから、それは疑問とか反論だとかいったこととはぜんぜん関係ありません。
＞ 問題ありません。「返答第４回。」で、私ははっきりと「ラッセルのパラドックス」が「自己矛盾」であると言っているのだから。
そうではありません。Wachi君が「はっきりと『ラッセルのパラドックス』が『自己矛盾』であると言っている」かどうかは関係ありません。以前も書いたので繰り返しになりますが、Wachi君が僕の主張と言っているものが、Wachi君の主張（この場合は、「『ラッセルのパラドックス』が『自己矛盾』である」かどうか）次第で変わってしまうのはまずくないかという意味です。つまり、Wachi君がどう主張するか次第で変わってしまうようなテーゼが僕自身の主張だとするのはおかしくないかということです。なぜなら、それならば僕自身の主張なんてない、あるいは僕の主張はWachi君の主張であるということになってしまうからです。それは（仮定法という）形式的な問題であり、たとえWachi君が主張を決して変えないとしても生じる問題です。
＞ まず「返答第４回。」での証明に反対されていないことから、＊さんは「ラッセルのパラドックス」が「自己矛盾」であると（＊さんの主張としてでなくとも、少なくとも議論の前提として）認めていると考えられます。（認めたわけではないのであれば、疑問として出せばよいので。）
僕の前回の質問における１はそこにもかかわっていて、もちろん、「『ラッセルのパラドックス』はなぜ『自己矛盾』である」と言えるのかと疑問を提出してもよかったわけです（「網羅的でない」とはそういう意味でもあります）。ただ、おそらく、そこは「『赤は色である』は『自己矛盾』ではない（そうであることは自明ではない）」と言っておきながら、「ラッセルのパラドックス」については同様の疑問を提示していないことから、Wachi君の中では「『ラッセルのパラドックス』が『自己矛盾』であることは自明である」、あるいは少なくとも「『赤は色である』が『自己矛盾』であるということよりは確かなことである」という判断が成立しているのだと思い、「なぜ『ラッセルのパラドックス』は疑いの余地なく『自己矛盾』であり」という具合に「疑いの余地なく」という言葉を足したのです。それはWachi君の立場を明確にするためであり、もしそうではないならば引っかかりやすく（反発しやすく）するためです。だから、僕がこのような疑問を出してきた時点でWachi君には「『ラッセルのパラドックス』が本当に『自己矛盾』であるかないかについては未決定の立場です」と反論する選択肢もあったわけです。言い換えれば、僕のその文章の「なぜ」はその文の後半（「『赤が色である』はそうではない）だけでけでなく、前半（「『ラッセルのパラドックス』は疑いの余地なく『自己矛盾』であり、『自己言及』のパラドックスである」）にもかかっているのです（あるいは、「言えるのでしょうか」が文章全体にかかっていると言ってもいいでしょう）。しかるに、今に至るまでそこについては何も反論してきていません。「赤が色である」が「自己矛盾」であるについては、以下のように断りを入れているにもかかわらず。
＞（念のために補足しておくと、私は、「赤が色である」が「自己矛盾」であることは自明ではないとは言っているが、「赤が色である」が本当に「自己矛盾」であるかないかについては未決定の立場です。「赤が色である」が「自己矛盾」でない、とは一度も言っていません。たぶん。そんな誤解はされてないかもしれませんが。）
そこで、僕は今に至るまで「ラッセルのパラドックス」が「自己矛盾」であるということのみに対する明示的な疑問を提出していないわけです。この場はWachi君の文章の解釈が問題となっている場なのであって、（少なくとも今現在は）僕自身の主張をする場ではないので、僕が何を言うか（言わないか）はある程度Wachi君に依存しています。だから、僕が「ラッセルのパラドックス」について疑問を提出しなかったのは、僕がそれを自明であると認めているからではなく、Wachi君の応答の仕方次第ではそこへも疑問を提出する腹積もりはありました。ですが、人は考えていることのすべてを表現するものではありませんし、表現しようと思ってもできるものではありません。もちろん、そのことについてWachi君から質問が来ればそのように答えたでしょうが、それもありませんでしたし、言わなかったから思ってもいないのだろうというのでは、まるで株主総会です。それは、議論（対話）を進める過程では少なくとも一時的には不可避なことなのかもしれませんが、そういった根拠で僕の主張の内容まで「疑いの余地がない」という強い言葉で勝手に改変するのはどうかと思うわけです。
ともあれ、何度も言っていますが、僕は、「赤が色である」が「自己矛盾」であるということは自明でないというWachi君の主張を単独で問題にしているわけではなく、それが「ラッセルのパラドックス」が「自己矛盾である」は自明であるという主張とセットにして提出されていることを問題にしているわけです。僕が繰り返しそう言っていることの意味を考慮に入れていただければ、当該文章において疑問が文章「全体」にかかっているということも、読み取っていただけるのではないかと思います。
＞ なぜ「ラッセルのパラドックス」は「自己矛盾」であることは認めるが、「赤が色である」が「自己矛盾」であることには疑問の余地があると言えるのでしょうか。
そこへ至る過程はともかくとして、上の文章は大分、僕のそもそもの疑問にかなり近いですが（もちろん「なぜ」が文章「全体」にかかると判断しての話ですが）、まだ少し違います。それでは僕のそもそもの疑問を分かりやすいように表現しなおしてみます。
なぜ、「ラッセルのパラドックス」が「自己矛盾」であることが自明であるほどには、「赤が色である」が「自己矛盾」であることは自明ではないと言えるのでしょうか。
ここでもしかしたらWachi君は、「『ラッセルのパラドックス』が本当に『自己矛盾』であるかないかについては未決定の立場です」と言いたいかもしれませんが、両者の対比はあくまで相対的なもので、何もWachi君が「ラッセルのパラドックスは自己矛盾である」と絶対的に主張しているという意味ではありません。
このように表現し直したところで、上述のWachi君の反問に答えましょう。
僕には両者を区別する指標を思いつかなかったからです。もちろん、両者が違う命題であることは分かっています。ただ、「自己矛盾」であると言われる点においてどんな違いがあるのかが分からないのです。両者は共に自己矛盾である／でないと言うならば、この疑問はとりあえず解消します（別の疑問は生じてくるでしょうが）。ですが、Wachi君はどうやら両者は自己矛盾であることの自明度において違いがあると見なしているようです。だから、その違いの根拠を僕は問いただしているわけです。無論、Wachi君のもともとのレポートでそのことについては論じてあります。ですが、それで議論が十分に尽くされているとは思えなかった（もちろん、僕の理解能力に不足があるということもあるでしょうが）ので、その点をもう少し説明してもらいたいというのが、僕の質問のそもそもの意図です。
僕は両者が同じであると主張しているわけではなく、両者を区別する指標が思いつかないだけであり、それに対して、Wachi君は両者を区別することが可能だと考えておられる（もしそうではないとすれば、あのレポートにおいて何を主張しているのか分からなくなってしまう）。だから、立証責任はWachi君の側にあると思われるわけです。
しかし、それについては、議論を拒否されたようなので、今はもう問いません。僕の質問の意図が分かっていただければそれでよしとします（まだ分からない場合は仰ってください）。これから修論も書かれるのでしょうし、いつか答えることができるとお考えになったときには、答えてもらえるとうれしいです。
＞ 今の議論の関連でいくと、かなり大雑把に言えば、そもそも「文章全体を見る解釈」とは何であり、どうすればそういう読み方ができるのか。というあたりを教えていただきたく思います。（もっとも、先に少し書いていただいてはいますが。）こんな感じでよければ、次回からの議論の主題は、「＊のお笑いまんが文章解釈道場ということで。
「ナオミよ」
というわけで「お笑いまんが道場」風（？）に始まりましたこのコーナー。
Wachi君が「お笑いまんが道場」を知っていたことに驚きです。まさに「哲学の始まりは驚き」ですね。違うかっ！
さてさて、文章の解釈法についてお尋ねですが、正直、僕にも分かりません（笑）。分からないからこそ、Wachi君に教えを請おうと尋ねたんですもの。
ま、「三人寄れば文殊の知恵」ということは二人寄れば「文殊の知恵−１人」の知恵ということですから、結構なもんです。ですから、二人で議論しているうちにその「あいだ」に何かよい知恵が生じるかもしれませぬ。
というわけで、いつまで続くか分からねど、とにかく始めてみましょう。ですが、僕は今、Wachi君の文章を読んだばかりで何の準備もできてません。というわけで、今回は、質問を一つだけして終わりにします。
質問。もし、今西田が「復活」してきて、あなたが書いた自分の文章に関するレポート（内容は何でもいいです）を読んで、「わしの文章の解釈が間違っとる！ わしはこんなつもりで言ったのではない」と言ったとします。そしたら、あなたはどうしますか。何を答えてもいいですが、次の二つのうち、どちらを選ぶかだけは分かるように答えてください。
１．修正する。
２．反論する。
では、次回までごきげんよう。
やっぱり議題を変えましょうか。
Wachi? (2004-07-14 (水) 09:59:29)
＞しかしそうすると僕が補足で述べた点が全く考慮に入れられていないようなのですが、それとも考慮に入れた上での回答なのでしょうか？
それについて説明を加えます。
1. 当該文章が（網羅的でない）二つの読解可能性の一つに過ぎないこと。
今更言うことではないかもしれませんが、４．とどう違うのでしょうか？「疑念を提示したからといって、必ずしも反論（アンチテーゼの主張）しているわけではない」というのは、単なる疑問か反論かという二つの読解可能性があることを述べているのではないのですか？それとも、「二つの読解可能性」の意味を私が取り違えているのでしょうか。とにかく、違いがよく分からないので、４．に答えることで答えたことにしたいと思います。
3. 当該文章が仮定文であること（しかも前件の真偽はWachi君の主張に依存）。
問題ありません。「返答第４回。」で、私ははっきりと「ラッセルのパラドックス」が「自己矛盾」であると言っているのだから。
4. 疑念を提示したからといって、必ずしも反論（アンチテーゼの主張）しているわけではない。
前回、それも書いたつもりだったのですが。選言肢を使った消去法です。
A.当該文章（「集合Ｒを「色の体系」と読み替えれば、「赤が色である」も「自己矛盾」だと言えるのではないでしょうか？」）は、単に疑問を述べたものであるか、または反語的に反論を述べたものであるか、のいずれかである。
B.前者ではない。なぜなら、前者だとすると、単に私(Wachi)がすでに述べていたことへの同意を述べたものとなり、不自然であるから。
C.ゆえに、後者である。
おそらく問題になるのは、B.のところだろうと思うので、補足説明をします。
まず「返答第４回。」での証明に反対されていないことから、＊さんは「ラッセルのパラドックス」が「自己矛盾」であると（＊さんの主張としてでなくとも、少なくとも議論の前提として）認めていると考えられます。（認めたわけではないのであれば、疑問として出せばよいので。）また、「赤が色である」が「自己矛盾」であることは疑いの余地がないと主張していることを＊さん自身が否定していることから、＊さんは「赤が色である」が「自己矛盾」であることには疑いの余地があることが分かります。これは、「疑いの余地がある」のでも「疑いの余地がない」のでもないという、排中律を廃した立場とも考えられるかもしれません。しかし、もし、「集合Ｒを「色の体系」と読み替えれば、「赤が色である」も「自己矛盾」だと言えるのではないでしょうか？」という＊さんの疑問が、アンチテーゼの主張ではなくて、単なる疑問なのであれば、＊さんは「赤が色である」が「自己矛盾」であることに疑いの余地をもっていることになります。以上のことから、＊さんは、「ラッセルのパラドックス」が「自己矛盾」であるし、「赤が色である」が「自己矛盾」であることには疑いの余地があると考えていることが分かる。ところが、これらには私も同意見です。それなら、私は何を質問されているのか、あるいはこれ以上に何を質問する必要があるのか。それが私にはよく分からない。もちろん、＊さんが最終的に問うているのは次のことなのでしょう。
＞なぜ「ラッセルのパラドックス」は疑いの余地なく「自己矛盾」であり、「自己言及」のパラドックスであるが、「赤が色である」はそうではないと言えるのでしょうか。
ただ、この質問は、＊さんが上記の二つの点で私に同意を示しているのだとすれば、そっくりそのまま＊さんにも返すことができるのです。もしそっくりそのまま返すのは不正確だというならば、次のように言い換えてもいいでしょう。
なぜ「ラッセルのパラドックス」は「自己矛盾」であることは認めるが、「赤が色である」が「自己矛盾」であることには疑問の余地があると言えるのでしょうか。
（念のために補足しておくと、私は、「赤が色である」が「自己矛盾」であることは自明ではないとは言っているが、「赤が色である」が本当に「自己矛盾」であるかないかについては未決定の立場です。「赤が色である」が「自己矛盾」でない、とは一度も言っていません。たぶん。そんな誤解はされてないかもしれませんが。）
＞背理法だとすれば、＊は「『赤が色である』が自己矛盾であることは疑いの余地がない」と主張しているのではないということになりますが、この問題はどうクリアするのでしょうか？
「集合Ｒを「色の体系」と読み替えれば、「赤が色である」も「自己矛盾」だと言えるのではないでしょうか？」については、単に疑問を述べたものだとすると、上述のように、うまく理解できない理由があったので、反語的に反論を述べたものだと理解しました。「だとすれば、なぜ「ラッセルのパラドックス」は疑いの余地なく「自己矛盾」であり、「自己言及」のパラドックスであるが、「赤が色である」はそうではないと言えるのでしょうか」だと、単に疑問を述べたものだとしても、なんら不自然な点はないので、反語だと理解する必要はありません。これで、問題は生じません。
＞ それとも、そういった文章全体を見る解釈は邪道なのでしょうか？ もしかして、西田の文献解釈では、全体としての解釈を優先する解釈法は間違いで、アトム主義的（あるいはモナド主義的）に個々の文章についての解釈を優先すべきだという立場が優勢なのでしょうか？ だとしたら、その立場について少し教えてもらえると、解釈の仕方の違いということでWachi君の主張が理解できるようになるかもしれないので、よろしくお願いします。
西田の文献解釈ではどうなのかよくわかりません。というより、研究者の間でも、まだ統一見解は定まってないように思います。ただ、先生からは、個々の文と文章全体のいずれかを優先させるのではなく、両方から見よ、と言われます。私自身は、そもそもどうやったらそんなことが可能なのかいまだによく分かっていません。で、だいたいは、一方（もしくは両方）を見落としてしまうことが多いです。
実は、文献解釈法というか、哲学書の読み方というのをどうすればいいのか私自身わからなくて、以前、伊藤さんや岡さんやＴ澤先生や現研究室の諸先輩方にも相談してみたことがあるのですが、自分の中ではいまだ決定的な読み方は確立できておりません。そこで、こういう機会なので、＊さんにもお尋ねしたいと思います。
今の議論の関連でいくと、かなり大雑把に言えば、そもそも「文章全体を見る解釈」とは何であり、どうすればそういう読み方ができるのか。というあたりを教えていただきたく思います。（もっとも、先に少し書いていただいてはいますが。）こんな感じでよければ、次回からの議論の主題は、「＊のお笑いまんが文章解釈道場」ということで。
質問第５．２回
＊? (2004-07-12 (月) 12:26:01)
最新の返答におけるWachi君の主張は以下のようにまとめられると思います。
「集合Ｒを『色の体系』と読み替えれば、『赤が色である』も『自己矛盾』だと言えるのではないでしょうか？」は、「反語的に反論を述べたものである」から、「赤が色である」が自己矛盾であることは疑いの余地がないと＊が言ったことになる。
枝葉を取り払ってしまえば、結局これに尽きるようです（他に根拠があったら教えてください）。
だったら、最初からそう言ってくれれば話は随分簡単になっただろうにとは思いますが、それはいいでしょう。
しかしそうすると僕が補足で述べた点が全く考慮に入れられていないようなのですが、それとも考慮に入れた上での回答なのでしょうか？ だとしたら、その点も説明してください。僕が補足で述べた点は次の通りです。
1. 当該文章が（網羅的でない）二つの読解可能性の一つに過ぎないこと。
2. 当該文章が疑問文であること。
3. 当該文章が仮定文であること（しかも前件の真偽はWachi君の主張に依存）。
2については「反語的に反論を述べたものである」と解釈した、とのお答えをいただきましたが、
4. 疑念を提示したからといって、必ずしも反論（アンチテーゼの主張）しているわけではない。
という点についてはどうお考えなのでしょう？
＞しかし、「『赤が色である』が自己矛盾であることは疑いの余地がない」のではないとすれば、やはり「赤が色である」が自己矛盾であることに何らかの疑念が残されていることになるので、正確さを期すためにつけておきました。
この一文、意味がちょっと分かりません。「疑いの余地がない」をつけることで何がどう正確になるのでしょうか？ かえって正確さを失っているように思うのですが……。
Wachi君の主張は分かりやすく書き直せば以下のようになります。
＊は、「『赤が色である』が自己矛盾であることは疑いの余地がない」と主張している。
すなわち、僕の主張の内容に「疑いの余地がない」が（述語として）入ってしまっているのです。しかるに、僕が僕自身の主張として主張したことの中にそのような言葉はありませんでした（暗に主張したつもりもありませんが、それはここではとりあえず問題ではありません）。つまり、主張した覚えのないこと（内容）を主張したことにされているわけで、僕はそのことに驚いたわけです。
＊は、「『赤が色である』が自己矛盾である」と疑いの余地なく主張している。
ならば、まだ分かるのですが（もちろん、同意するという意味ではありません）。言い換えれば、「疑いの余地がない」と思ったのは僕ではなくWachi君であるのだから、そのことが分かるように文章を書いて欲しいということです。
仮に僕が「『赤が色である』が自己矛盾であることは疑いの余地がない」と主張しているとして、僕はその少し後で、「両者の決定的な違いは何なのでしょうか？」と問うています。「両者」とは「ラッセルのパラドックス」と「赤が色である」のことです。だから、Wachi君の論法に従えば、僕は「両者には決定的な違いがある」と主張していることになります。なぜなら、僕が両者に違いがないと主張しているなら、この疑問がうまく理解できなくなってしまうからです。ということは、このように問う以上、＊は、「赤が色である」が「ラッセルのパラドックス」と同じく自己矛盾であると主張しているはずがない、故に、＊は「『赤が色である』は自己矛盾でないことは疑いの余地がない」と主張している、ということになってしまいます。これはもちろん、最初の仮定の反対です。背理法だとすれば、＊は「『赤が色である』が自己矛盾であることは疑いの余地がない」と主張しているのではないということになりますが、この問題はどうクリアするのでしょうか？（そもそも、僕が「『赤が色である』が自己矛盾であることは疑いの余地がない」と主張しているとする根拠をこれほどしつこく問いただしている時点で、僕自身はそうは思っていないということは明らかだということになるのでしょうが、それは言いますまい（って言ってますけど(^^;））
結局のところ、僕が言いたいのは、僕の文章全体を見てくださいということです。個々の文はそれだけで意味が確定するものではありません。文章全体との関係で初めてその意味が一義的に確定できるのです（もちろん、実際には確定できない場合もありますが）。それは、個々の単語の意味がセンテンス全体（ひいては文章全体）との関係で初めて一義的に確定できるのと同様です。あるいは、「ＳはＰであるのではない」を「のではない」を無視して「ＳはＰである」と主張しているのだとは解釈できないのと（例が極端ですが）同様です。
僕がWachi君のレポートに対して提出している疑念もまた、全体としてWachi君の主張は、首尾一貫してないのではないかというものです（念のために言っておくと、これもまた単なる疑念であって、アンチテーゼの主張ではありません）。Wachi君の個々の文章（テーゼ）はある意味どうでもよくて、Wachi君がどの文章（テーゼ）を主張し続けても、引っ込めても、僕的には問題ありません。ただ全てを同時に主張することに対して疑念があるのです。しかし、それも文章全体の一貫性を保持する、納得できる説明をいただければ、解消するかもしれません。僕自身の立場は、今のところエポケー（判断停止）です。Wachi君の答えを聞いて決定できればいいなと思って質問しています。
それとも、そういった文章全体を見る解釈は邪道なのでしょうか？ もしかして、西田の文献解釈では、全体としての解釈を優先する解釈法は間違いで、アトム主義的（あるいはモナド主義的）に個々の文章についての解釈を優先すべきだという立場が優勢なのでしょうか？ だとしたら、その立場について少し教えてもらえると、解釈の仕方の違いということでWachi君の主張が理解できるようになるかもしれないので、よろしくお願いします。
＞というわけで、議論を続けるなら、今回の拙論以外のことにしてくれませんか？ダメですか？
ダメなことは全然ありませんが、ではそれ以外に何を議論すればよいのでしょうか？ 議論の主題候補などがありましたら仰ってください。
質問第５．１回への返答です
Wachi? (2004-07-05 (月) 23:35:41)
＞以上の文章を踏まえた上で、どうして他ならぬ僕が「赤が色である」が自己矛盾であることは疑いの余地がないと言ったことになるのかを教えてください。
＊さんが「赤が色である」が自己矛盾であることは疑いの余地がないと主張していると私が思ったのは、単純に、そうでなければ＊さんの疑問がうまく理解できないと思ったからです。
「赤は色である」が自己矛盾であることは自明とはいえないというのが私の主張でした。だから、もし「赤は色である」が自己矛盾であることに何らかの疑念を残しているならば、私と同意見だということになります。ところで、もし「集合Ｒを「色の体系」と読み替えれば、「赤が色である」も「自己矛盾」だと言えるのではないでしょうか？」という＊さんの疑問が、単に「赤が色である」が自己矛盾といえるかどうかを尋ねているのだとすれば、＊さんは「赤が色である」が自己矛盾であることに何らかの疑念を残していると言うことができます。だとすれば、私と＊さんは同意見だということになります。ここで、同意を表すためにわざわざ疑問文を用いるだろうか。それなら平叙文でいいじゃないか。こういう不自然な点が生じてきます。そうした場合、この疑問文は、単なる疑問文ではなくて、反語的に反論を述べたものであると理解するほうが自然です。その直後の西田からの引用文も、「赤が色である」が自己矛盾であるという主張を補強するためのものだと考えれば、辻褄が合います。
以上のような理由から、私は、＊さんが「赤が色である」が自己矛盾であることは疑いの余地がないと主張していると考えました。「疑いの余地がない」は、つける必要はなかったのかもしれません。しかし、「『赤が色である』が自己矛盾であることは疑いの余地がない」のではないとすれば、やはり「赤が色である」が自己矛盾であることに何らかの疑念が残されていることになるので、正確さを期すためにつけておきました。
この問題は、私の読解能力にも関わることなので、私も気になります。誤読であれば、ご教示ください。
あと、西田の判断論は、今回の拙論で、殆ど歯が立たないことがわかったので、今はあまり触れたくありません。多分、質問されてもまともには答えられないでしょう。現にそうですし。というわけで、議論を続けるなら、今回の拙論以外のことにしてくれませんか？ダメですか？
質問第５．１回（質問は一つ！）
＊? (2004-06-30 (水) 11:01:39)
＞第一、返答は時間があるときでいいという話だったはずなので、そんなに急がせないでください。
急がせたつもりはありません。そのように思わせたことについては謝ります。もちろん、返答がいつになっても構いません。待つことにも誰からもリアクションがないことにも慣れてますので（泣笑）。
では質問を絞りましょう。
今、僕がいちばん重要だと思っているのは実は西田の解釈ではなくて、僕の文章の（Wachi君による）解釈なのです。僕自身の文章表現力や読解力といったものに関わる問題だからです。
前回の書き込みにもう少し補足しておきます。
＞ 私はこれを「『ラッセルのパラドックス』が自己矛盾なら、『赤が色である』も『自己矛盾』だと言えるはずだ」という主張だと理解しました。そして、次の段落で、前者について「疑いの余地がない」といわれていたので、後者についてもそう主張しているのだとみなしました。
仮に以上のことが正しいとしても「次の段落」では僕は次のように言っています（念のため言い添えておくと、これは「背理法」であって、僕が以上のことを正しいと同意したということではありません）。
＞ だとすれば、なぜ「ラッセルのパラドックス」は疑いの余地なく「自己矛盾」であり、「自己言及」のパラドックスであるが、「赤が色である」はそうではないと言えるのでしょうか。
ここで後半の文章にもそのまま「疑いの余地なく」を適用するならば、後半の文章は「『赤が色である』は疑いの余地なくそうではない（「自己矛盾」でない）と言えるのでしょうか」となるでしょう。これだけでも「＊さんは、『赤が色である』が自己矛盾であることは疑いの余地がないとおっしゃいますが」というWachi君の解釈がどこから出てくるのか分からないのですが、さらに、当該文章（Wachi君が「『ラッセルのパラドックス』が自己矛盾なら、『赤が色である』も『自己矛盾』だと言えるはずだ」という主張だと理解した文章）は、僕が挙げた二つの読解可能性の一つに過ぎず、なおかつ仮定文であり、疑問文です。仮定文であるということは、前件が真である限りにおいて後件の真偽が意味を持つということです。なおかつ、Wachi君に対する疑問文であるので、Wachi君がどう主張しているかを問うているので、Wachi君が前件を真であると同意する限りにおいて、はじめて後件の真偽が問題となります。Wachi君の主張次第で真偽が問題とならなくなってしまうような後件について私が（真であると）主張しているとどうして言えるのでしょうか？ 他にそう解釈できる箇所があるのなら別ですが、指摘された文章だけから直接には言えないと思うのですが。一連の文章は、あくまでWachi君の主張に対する疑問として、Wachi君自身の主張の根拠を確認するために提出されたものであり、それに対するWachi君の答え次第で無効になったり、取り下げられたりすべきものであり、僕自身の主張をWachi君の主張に対する反論として提出しているわけではありません。あるテーゼ（の根拠）を疑うことは必ずしもそのアンチテーゼを主張していることではありません（両者はイコールではない）。疑った上で信じるということだってありうるからです（例えば、デカルトの「方法的懐疑」）。
以上の文章を踏まえた上で、どうして他ならぬ僕が「赤が色である」が自己矛盾であることは疑いの余地がないと言ったことになるのかを教えてください。
もちろん、期限は定めませんので、気の向いたときにでも書き込んでください。
ついでに私信を少し。
勉強会は３日はやらないということだけ決定しました。具体的な日程はまだ決まっていません。(+)君の連絡待ちです。
ところで、集中講義には何か出るのでしょうか？＞Wachi君。僕は一ノ瀬先生と内田先生の講義に目をつけています。
山口行きの日程も決めねばなりませんが、Prof.Uの集中講義の日程は結局どうなったのでしょう？ Y大関係者でご存知の方がいらっしゃったら教えてください。
質問第５回
＊? (2004-06-29 (火) 03:22:50)
＞ 私はこれを「『ラッセルのパラドックス』が自己矛盾なら、『赤が色である』も『自己矛盾』だと言えるはずだ」という主張だと理解しました。そして、次の段落で、前者について「疑いの余地がない」といわれていたので、後者についてもそう主張しているのだとみなしました。
だとしても当該文章は仮定文で、しかも疑問文です。もちろん、Wachi君に対する疑問です。だから、「疑いの余地がない」と思っているのはWachi君であるのです。もちろん、Wachi君自身がそのような言葉を使用しているということではなく、Wachi君の一連の文章において「ラッセルのパラドックス」が自己矛盾であることに何の疑念も挟んでおらず、異議も唱えていないことから、僕がそう判断したに過ぎません。だから、Wachi君が、「私は『ラッセルのパラドックス』が自己矛盾であると『疑いの余地なく』信じているわけではない」と反論するのなら分かるのです。分からないのは、なぜそれを僕が「主張」したことになるのかということです（もちろん、Wachi君がそう信じているということを僕はある意味では主張していますが、その内容（「赤が色である」）にまでコミットしているとはどこにも書いていません）。
＞それから、「ラッセルのパラドックス」が自己矛盾であることは、先の「返答第４回」で示したつもりでした。このような疑問（該当箇所を下に引用※）が出るということは、その証明がまずかったということでしょうか。そうだとすれば、どこがまずくて、全然証明になっていないのかを教えてください。
ちょっと書き方がまずかったようですね。当該文章の「なぜ」は前半にはかかっておらず、後半の文章にのみかかっております。あるいは前半と後半の文章の論理的連結にかかっていると言ったほうが正確かもしれません。だから、僕は（とりあえずは）「ラッセルのパラドックス」が自己矛盾であることに疑問を投げかけているわけではありません。「ラッセルのパラドックス」が自己矛盾であるのに、「赤は色である」は自己矛盾ではないと、両者を区別することに疑問を投げかけているのです。もう少し言うと、僕は、前者が自己矛盾であり、後者が自己矛盾ではないという二つの命題に個別に反対（あるいは賛成）しているわけではなく、二つの命題を同時に主張するということに納得できる理由をいまだ見出せていないので、その点を質問しているのです。両者を区別できれば二つの命題を同時に主張しうるので、両者を区別する基準をしつこく要求しているわけです。
＞ここで私は、「『自己矛盾』ということからはどんな特殊な判断も生じない」と主張したいのではありません。
ということは、「特殊な判断が生じる／生じない」は両者を分ける基準となりえないということですね。では、両者を分ける基準は何なのでしょうか？ どうやら、明確な基準があるわけではなく、「赤は色である」という判断が自己矛盾と言える十分な根拠が欠けているように思われるというのが理由なのでしょうが、そして僕もそのことを否定するつもりはありませんが、「赤が色である」は自己矛盾であるという命題が自明ではないとしてWachi君が出している根拠は弱すぎる、あるいは強すぎるように思うので、質問を重ねる結果になっているのです（「強すぎる」というのは「ラッセルのパラドックス」が自己矛盾であることまで否定しかねないという意味です）。Wachi君はもう十分に説明したという思いなのかもしれませんが、まだ僕の疑問にもすべてお答えいただけていないようですし、その点も含めてもう少し説明してください。
「そもそも判断の成立しないことについて自己矛盾を語ることはできません。」という文章と「集合Ｒの自己言及によって生じるのはパラドックスであり、特殊な判断ではありません。」という文章は矛盾しないのか、とか細かな疑問もありますが、とりあえずはこのへんで今回の質問は終了させていただきます。
- 議論の内容以外で。
＞Wachi君はもう十分に説明したという思いなのかもしれませんが、まだ僕の疑問にもすべてお答えいただけていないようですし、その点も含めてもう少し説明してください。
他の疑問点について、十分に説明したとは思ってません。しかし、私は複数の議論を並行して行えるほど頭の回転がよくないし、一気に全部答えようとするとかなりの時間と労力がかかってしまうので、質問は、できれば一つ（か二つくらい）ずつにしてください。今の議論はいいから、こっちの質問に答えて欲しいというリクエストがあれば、そちらに話題を移してもいいですし。第一、返答は時間があるときでいいという話だったはずなので、そんなに急がせないでください。 -- Wachi?
一応の返答第６回。
Wachi? (2004-06-28 (月) 23:48:52)
＞＞ だとすれば、なぜ「ラッセルのパラドックス」は疑いの余地なく「自己矛盾」であり、「自己言及」のパラドックスであるが、「赤が色である」はそうではないと言えるのでしょうか。
この箇所では、Wachi君が「ラッセルのパラドックス」を「自己矛盾」であることを自明の前提とした上で、他方、「赤が色である」は必ずしも「自己矛盾」であるのは自明でないと主張しているのはなぜかと問うているのであって、「『赤が色である』が自己矛盾であることは疑いの余地がない」と私自身が主張したつもりもありませんし、そう読めもしないと思うのですが、もし他の箇所を指して仰っているのでしたら、その箇所を教えてください。
それは次の箇所です。
＞ あるいは、《（自己自身を越えた）集合Ｒが集合Ｒ自身に言及することによってパラドックスが生じているのだから、「ラッセルのパラドックス」は「自己矛盾」だといえます。》と言うのであれば、集合Ｒを「色の体系」と読み替えれば、「赤が色である」も「自己矛盾」だと言えるのではないでしょうか？ 西田は次のように言っていたわけですし。（引用文省略）
私はこれを「『ラッセルのパラドックス』が自己矛盾なら、『赤が色である』も『自己矛盾』だと言えるはずだ」という主張だと理解しました。そして、次の段落で、前者について「疑いの余地がない」といわれていたので、後者についてもそう主張しているのだとみなしました。
それから、「ラッセルのパラドックス」が自己矛盾であることは、先の「返答第４回」で示したつもりでした。このような疑問（該当箇所を下に引用※）が出るということは、その証明がまずかったということでしょうか。そうだとすれば、どこがまずくて、全然証明になっていないのかを教えてください。
※＞この箇所では、Wachi君が「ラッセルのパラドックス」を「自己矛盾」であることを自明の前提とした上で、他方、「赤が色である」は必ずしも「自己矛盾」であるのは自明でないと主張しているのはなぜか（以下省略）
＞「色の体系に『色の体系』という規定を適用」するというのがどういう意味なのかいまいちよく分からないのですが、集合Rに集合Rという規定を適用しても特殊な判断は成立しないと思うのですが、もしかして、「自己矛盾」ということからはどんな特殊な判断も生じないというのがWachi君の主張なのでしょうか？ つまり、「赤は色である」は特殊な判断であることにおいて、「自己矛盾」であることを逸脱しているというか、超えている。それが両者の違いだという風に受け取っていいのでしょうか？
集合Ｒの自己言及によって生じるのはパラドックスであり、特殊な判断ではありません。集合Ｒを「色の体系」と読み替えるならば、逆に、「色の体系」の自己言及によって生じるのは「赤は色である」という特殊な判断でなくてはいけません。なぜなら、ここで問題になっているのは「赤は色である」という特殊な判断なのですから。ここで私は、「『自己矛盾』ということからはどんな特殊な判断も生じない」と主張したいのではありません。「赤は色である」が自己矛盾であるというために、先述のような問題をクリアする必要があると言っているだけです。クリアさえされれば、却って、「赤は色である」が自己矛盾であるのを認めることに吝かではありません。
質問第４回
＊? (2004-06-28 (月) 21:04:01)
＞＊さんは、「赤が色である」が自己矛盾であることは疑いの余地がないとおっしゃいますが、
どこの箇所を指して、そう仰っているのでしょうか？ 検索して調べてみたところ、当てはまりそうな箇所は次の箇所だけでした。
＞ だとすれば、なぜ「ラッセルのパラドックス」は疑いの余地なく「自己矛盾」であり、「自己言及」のパラドックスであるが、「赤が色である」はそうではないと言えるのでしょうか。
この箇所では、Wachi君が「ラッセルのパラドックス」を「自己矛盾」であることを自明の前提とした上で、他方、「赤が色である」は必ずしも「自己矛盾」であるのは自明でないと主張しているのはなぜかと問うているのであって、「『赤が色である』が自己矛盾であることは疑いの余地がない」と私自身が主張したつもりもありませんし、そう読めもしないと思うのですが、もし他の箇所を指して仰っているのでしたら、その箇所を教えてください。
＞しかし、色の体系に「色の体系」という規定を適用しても、せいぜい「色は色である」というトートロジーしか生じません。そこから「赤は色である」という判断が、どのようにして成立するのでしょうか。
「色の体系に『色の体系』という規定を適用」するというのがどういう意味なのかいまいちよく分からないのですが、集合Rに集合Rという規定を適用しても特殊な判断は成立しないと思うのですが。どんな特殊な判断も（たとえば「集合Rは集合Rの要素である」も「集合Rは集合Rの要素でない」も）成立しないというのが、ここで言う「パラドックス」の意味であるので。
もしかして、「自己矛盾」ということからはどんな特殊な判断も生じないというのがWachi君の主張なのでしょうか？ つまり、「赤は色である」は特殊な判断であることにおいて、「自己矛盾」であることを逸脱しているというか、超えている。それが両者の違いだという風に受け取っていいのでしょうか？ もしそうだとすると、「赤は色である」が自己矛盾とは言い難い根拠として、判断する「能力」だとか「判断する自己」という理由を持ち出してくるのは、かえってミスリーディングだと思うのですが。
しかし、「ここでは、判断における自己矛盾について議論しているので、そもそも判断の成立しないことについて自己矛盾を語ることはできません。」という記述を読むと、何かしらの判断が成立することを、自己矛盾であることの必要条件としているように見えます。だとしたら、「ラッセルのパラドックス」においていかなる判断が成立していると言えるのでしょうか？ どんな特殊な判断も成立しないという判断が成立するのでしょうか？ それとも……。
Wachi君の文章をきちんと読み取れたという自信がないので、以上のことが正しいなら正しいで、間違いなら間違いで、そのことが分かるようにもう少し説明を補足していただけるとありがたいです。
回答第５回。
Wachi? (2004-06-28 (月) 00:43:48)
両者に決定的な違いがあると主張するつもりはありません。パラドックスにおいては、判断における自己矛盾の構造を見て取ることが比較的容易であると私は言っているだけです。何らかの論証の結果、「赤は色である」が疑いの余地なく自己矛盾であることが明かにされることを排除するものではありません。
ただし、「赤は色である」が自己矛盾だといえるためには、いくつかの説明が必要です。＊さんは、「赤が色である」が自己矛盾であることは疑いの余地がないとおっしゃいますが、そもそも集合Ｒを「色の体系」と読み替えることには飛躍があります。もし可能だというのであれば、色の体系が色の体系自身に言及することによって、「赤は色である」という判断が生じることになります。しかし、色の体系に「色の体系」という規定を適用しても、せいぜい「色は色である」というトートロジーしか生じません。そこから「赤は色である」という判断が、どのようにして成立するのでしょうか。
では、西田の言うように、色の体系が色の体系自身を「限定」することによって、「赤は色である」という判断が生じるとしましょう（一般者の自己限定）。つまり、色の体系が、多種多様な色の中から、非赤を否定して、赤という色に自己自身を「特殊化」して、「赤は色である」という判断が生じるとします。ところが、色の体系が多種多様な色をその内に含んでいるとすれば、なぜ青や白や緑ではなく、赤が限定されるのか。赤に限定されねばならない必然性は一体どこにあるのでしょうか。この点が明らかではありません。
以上のように、色の体系が色の体系自身に言及することから「赤は色である」という判断が成立する根拠が明らかではありません。ここでは、判断における自己矛盾について議論しているので、そもそも判断の成立しないことについて自己矛盾を語ることはできません。たしかに西田は「赤は色である」が自己矛盾だと言っていますが、しかし本当にそうであるかどうかはそれほど自明ではありません。特に、西田の判断論は、ヘーゲルの論理学を前提にしているところがあって、とっても難しいです。我ながら、厄介なところに手を出してしまったなあと、困っております。
質問第3回
＊? (2004-06-25 (金) 16:18:30)
集合Ｒは必ずしも通常の意味での《（判断内容から零れ落ちてしまう）「判断する自己」》でなくてもよい。例えば、図書館中の全ての本が記載されている目録がその図書館の中にあるというケースでも「ラッセルのパラドックス」は成立します。
だとすれば、《「赤」が自分自身について判断しているとも言いがたい。判断を行うにはその能力がなければならないが、「赤」にその能力があるとは通常では考えられない。》ということは、「返答第４回。」で仰られているように「能力」というものを広い意味で受け取るならば、直ちには言えないのではないでしょうか？ すなわち、そのように受け取るならば、《「赤が色である」を「自己矛盾」と呼ぶのは苦しいのではないか》という疑念は生じないように思われるのですが。
あるいは、《（自己自身を越えた）集合Ｒが集合Ｒ自身に言及することによってパラドックスが生じているのだから、「ラッセルのパラドックス」は「自己矛盾」だといえます。》と言うのであれば、集合Ｒを「色の体系」と読み替えれば、「赤が色である」も「自己矛盾」だと言えるのではないでしょうか？ 西田は次のように言っていたわけですし。
《「赤が色である」と云ふ如きことも、実は自己が視覚的に色の体系の中にあり、而も之を越えることによつて成立するのである。》
だとすれば、なぜ「ラッセルのパラドックス」は疑いの余地なく「自己矛盾」であり、「自己言及」のパラドックスであるが、「赤が色である」はそうではないと言えるのでしょうか。言い換えれば、両者の決定的な違いは何なのでしょうか？
返答第４回。
Waki? (2004-06-12 (土) 13:50:48)
＞ ということは、「ラッセルのパラドックス」は「自己矛盾」ではない（と少なくとも西田は考える）ということでしょうか？
回答の前に、「能力」という言葉について誤解があるといけないので。「能力」というと、「主体の能動的な働き」と考えてしまって、少なくとも無生物にはまったく適用できない概念だと思われるかもしません。だから、本当は「能力」ではなくて、単に「できること」と書きたかったのですが、文章が煩雑になりそうだったので、「能力」と書いておきました。しかし、実際の意図するところは、「能力」というよりは、むしろ広い意味での「可能」です。（ドイツ語で言えば、��Fähigkeit”よりも��Möglichkeit”。）だから、「赤が赤自身について判断する（述語する）」という事態も、赤という能動的な主体があって、それが自分自身について判断を下しているというのではなく、「赤が赤自身について判断する」という事態が成立し得るというくらいに考えていただいてよいかと思われます。
「ラッセルのパラドックス」はもちろん「自己矛盾」です。「ラッセルのパラドックス」は「自分自身を要素としない集合をすべて集めた」だけでは生じません。それには、「自己言及」が必要です。自分自身を要素としない集合をすべて集める段階では、「自分自身を要素としない集合をすべて集めた集合」（以下、集合Ｒと呼ぶ）それ自身がこの集合の中に入るかどうかは全く考慮されません。そのとき集合Ｒ自身は、その集合の埒外なわけです。（自己自身を越えている。）こうしてできた集合（ただし、自分自身だけを例外とする）が、翻って自分自身に言及するとき、言い換えれば集合Ｒが集合Ｒ自身の要素となるかどうかが問題となるとき、はじめてパラドックスが生じるのです。（自己自身を越えた）集合Ｒが集合Ｒ自身に言及することによってパラドックスが生じているのだから、「ラッセルのパラドックス」は「自己矛盾」だといえます。
質問第2回
＊? (2004-06-01 (火) 04:16:29)
質問に丁寧にお答えいただきありがとうございました。お疲れ様です。
分かった部分もあり、余計に分からなくなった部分もありました。というわけで、再び質問いたします。時間のあるときでいいので答えてもらえるとありがたいです。
＞私の理解では、西田の言う「自己矛盾」とは、自己が自己自身について判断を下すとき、その自己が判断内容（命題）に含まれると同時にそれを越え出てしまっているということを意味します。
ということは、「ラッセルのパラドックス」は「自己矛盾」ではない（と少なくとも西田は考える）ということでしょうか？
＞あくまで私の推測ですが、中岡氏は、「赤は色である」を自己矛盾だといってしまうと、結果として矛盾した命題と無矛盾な命題との区別がつかなくなってしまって、論理というものが成立しなくなってしまうのではないかと危惧しているのではないでしょうか。
このような危惧は、西田哲学を少々かじって、僕もかねがね抱いていたものです。
Waki君はどのように考えておられるのでしょうか？
＞ どう答えれば、ちゃんと答えたことになるのかちょっとよくわかりません。西田解釈としてどうなのかを答えればよいのでしょうか。それとも、西田解釈を離れた広い見地から答えればよいのでしょうか。あるいは、また別の答えを求めているのでしょうか。ご質問の意図や問題点を詳しく教えていただけないでしょうか。
もちろん、第一に西田解釈について問うています。その後で、より広い見地から答えていただくのは自由です。
僕の意図としては、当該箇所で西田が「赤」という言語に定位しているのか、それとも〈赤〉という現れ（知覚現象）に定位しているのか、どちらなのかを教えてほしいということです。言い換えれば、西田は言語中心主義的なのかそうでないのか。「クオリア」云々の質問もそこに関わるものです。具体的に言うと、「赤」と「red」は同じ対象を指示しているのか、それとも別の対象を指示しているのか。前者の場合は、「赤」や「red」の共通の指示対象である、言語を超えた〈赤〉（いわば、「赤のイデア」）が存在するのか。もちろん、西田がどう考えているかを問うています。
次のような記述を読むと、西田が（言語中心主義そのものではなくても）言語中心主義的に、「赤」（あるいは「個色」）というものを捉えているように思われるのですが。西田はそもそも言語というものをどのように捉えているのでしょうか？
＞ただ言えるのは、西田は、アリストテレスの基体（hypokeimenon）の概念に基づいて、個物を「主語となって述語とならないもの」と考えているので、色が基体として判断の主語となるとき、「主語となって述語とならない色」として「個色」を考えたのだろうと推測されます。
＞ 「解決可能」とはどのようなことをいっているのでしょうか。
ラッセルが「ラッセルのパラドックス」をタイプ理論で解決したように「解決可能」なのかという意味です。すなわち、矛盾を論理的に解消する（矛盾でなくす）という意味です。その場合、矛盾は見かけ上のものであり、真の矛盾ではない（ゆえに「パラドックス」と呼ばれる）ということになります。
＞西田の言う「絶対矛盾的自己同一」は、解決されるべきものだということでしょうか。
質問の中でも少し言ったと思いますが、僕は「絶対矛盾的自己同一」に解決（矛盾を解消）すべき積極的な問題があるとは考えていません。むしろ、「絶対矛盾的自己同一」をパラドックスとして捉えようとする視点の内に、それを解決すべきであり、解決できるのだという主張を読み込んだのですが、それは中岡氏の意見についての解釈としては正しくないのでしょうか？ もし正しいならば、それは中岡氏のみの意見であって、Waki君は同意しないのでしょうか？
全部答えるのはしんどかった。
Waki? (2004-06-01 (火) 00:28:46)
＞ これは西田自身が言っていることなのでしょうか？
そのものずばりを言っている箇所は見当たりません。しかし、西田の言ってることからそう考えることは可能です。西田の判断論について、詳しい説明が欲しいということなのでしょうか。
＞ それはともかく、だとすれば、言語が異なれば「色の体系」も異なるということになりそうですが、そうなのでしょうか？ 日本語の「赤」と英語の‘red’とが意味する内容が同じであるとは限りません。
あるいは、それは日常言語ゆえの不完全さであり、本来は、マンセル表色系や光の波長の長さで指示されるべきであるのでしょうか？
どう答えれば、ちゃんと答えたことになるのかちょっとよくわかりません。西田解釈としてどうなのかを答えればよいのでしょうか。それとも、西田解釈を離れた広い見地から答えればよいのでしょうか。あるいは、また別の答えを求めているのでしょうか。ご質問の意図や問題点を詳しく教えていただけないでしょうか。
＞（個物としての「赤」などの）「個色」が「他の何の色とも異なつたもの」であるとすれば、それはもはや「赤」ですらないのではないのでは（それは他のいかなる赤とも異なるものなのだから）？ そうだとすれば、それは「矛盾」ですらないのではないか？ あるいは、「クオリア」のようなものを考えているでしょうのか？
西田がどういうつもりで「個色」という概念を持ち出したのか、私にもはっきりとは分かりません。ただ言えるのは、西田は、アリストテレスの基体（hypokeimenon）の概念に基づいて、個物を「主語となって述語とならないもの」と考えているので、色が基体として判断の主語となるとき、「主語となって述語とならない色」として「個色」を考えたのだろうと推測されます。
＞ 僕が、西田研究の文脈を知らないための stupid question かもしれませんが、「西田の論理のパラドックス的性格」を露にすることに、どのような意味があるのでしょうか？
中岡氏が、《「西田の論理のもつ否定性を、弁証法的矛盾というより、「さしあたりパラドックスとでも名づけるしかないような不思議な性格をもっている」と評している》ことにはいかなる意味があるのでしょうか？ 言い換えれば、このような指摘は、西田哲学の理解にとってどのような役に立つのでしょうか？
「西田の論理のパラドックス的性格」を露にすることは西田哲学の理解にとってどのような役に立つのかというご質問ですが、これは西田の宗教論、とりわけ西田の最後の完成論文「場所的論理と宗教的世界観」において展開されているそれを理解することに繋がります。宗教論は、西田哲学でも最も難しい問題の一つです。それは、西田哲学で宗教が、あらゆるものの成立する根柢として考えられているためです。（そのことが、同時に田辺元の批判を招くことになりますが。）戦後、西田の弟子たちによって、西田哲学の宗教的な面のみが強調されてきたという経緯もあり、西田哲学は一種の神秘主義のように受け取られてきた感は否めません。西田の宗教論に論理（「場所的論理」）の側からアプローチすることによって、西田の宗教論が神秘的なものを前提としているのではなく、あくまで論理的な解明の試みであったことを示すことができると考えられます。
西田の宗教論は、仏教はもちろんキリスト教にも深い影響を受けています。仏教では禅（近年は、浄土教の影響も論じられている）、そしてキリスト教ではキルケゴールからの強い影響が見られます。そのため、宗教論にはパラドックス的な言い回しや概念が多く見られます。たとえば、「逆対応」という概念において絶対者と個との間のパラドクシカルな関係が言い表されています。もちろん、論理的なパラドックスと宗教的なパラドックスでは、かなり意味合いが異なってきますが、西田が、彼の言う「場所的論理」から宗教のパラドックス的な構造を明らかにしようとしている以上、「西田の論理のパラドックス的性格」を彼の宗教論を理解するのに役立てることは可能であると考えます。
以上が、西田研究の文脈からの回答です。そうはいっても、今回私が書いた小論で、そんな大それた研究ができるはずもなく、西田のパラドックスに対する考えを見てみようと思ったという程度です。そして、判断において、西田が判断の意味内容だけでなく、その判断を行う自己とは一体誰であるのかを常に同時に問うているということが、パラドックスにおいて露になっているのではないかというのが本稿の主旨でした。
＞ 西田の言う「絶対矛盾的自己同一」が絶対的なものではなく、ラッセルが「ラッセルのパラドックス」をタイプ理論によって解決した（「矛盾」でなくした）ように（西田はそのことに否定的なようですが）、解決可能なものだということになるのでしょうか？
「解決可能」とはどのようなことをいっているのでしょうか。西田の言う「絶対矛盾的自己同一」は、解決されるべきものだということでしょうか。もしそうならば、解決されるべき問題点があるはずですが、「絶対矛盾的自己同一」の問題点とは何であり、また何にとって問題だとお考えなのか教えてください。
全然質問に答えず、逆に質問で返してしまったところもありますが、今のところお答えできるのはこれくらいです。
とりあえずの返答。
Waki? (2004-05-31 (月) 00:03:24)
とりあえず思いついたところから書いてみます。でも、答えになってないところもあるかもしれません。ちゃんと答えるには、やはり西田の判断論をもっと勉強しないとなと痛切に思います。
＞ ここで言われているのは、「赤」を自己矛盾と呼ぶのが苦しいということだけであり、「赤は色である」（という判断）を「自己矛盾」と呼ぶのが苦しいという理由を説明しているとは言えないように思うのですが。
「自己矛盾」を＊さんがどう理解しているのか教えていただけないでしょうか。私の理解では、西田の言う「自己矛盾」とは、自己が自己自身について判断を下すとき、その自己が判断内容（命題）に含まれると同時にそれを越え出てしまっているということを意味します。西田は、判断を、それが成立する「場所」から考えているので、判断内容（命題）だけを判断者から離して考えることはできません。（ここで言う「場所」は、「現場」「場面」と考えてもよいかもしれない。）だから、ここでいう「自己矛盾」は必ず「判断する自己」を必要とします。従って、「赤」が判断能力を持たないことは、「赤は色である」を「自己矛盾」と呼ぶことができないということを意味します。赤が赤自身について判断することができると言うには、既に言ったように、西田の言う「赤」とは何ものであるのかが改めて問われなければなりません。
＞この批判もまだ「主観と客観との対立を前提とする考え方」にまだ囚われているのではないでしょうか？
実は、その辺を私はよく理解できていないので、本稿では議論に踏み込めませんでした。一体「赤が赤自身について判断する」とか「我が赤と成る」とかいうのはどういう事態を言っているのでしょうか。このときの「赤」とは一体何ものであるのか。この点をまず私に教えてください。
＞では「危険な拡張」とはどのようなことを考えているのでしょうか？
西田が「自己自身の中に矛盾を含むものでなければ、判断そのものが可能でない」と考えているというのは、正にご指摘の通りで、テキストの箇所で西田が論じているのもそのことです。説明不足でわかり難かったのかもしれませんが、私と中岡氏の考えは違います。中岡氏は「危険な拡張」とさえ言い切ってしまいますが、私はそこまでは踏み込まず、「赤は色である」が自己矛盾だというにはさらなる検討が必要だといっているだけです。（中岡氏の言葉に「さえ」と付加したのはそのことです。）あくまで私の推測ですが、中岡氏は、「赤は色である」を自己矛盾だといってしまうと、結果として矛盾した命題と無矛盾な命題との区別がつかなくなってしまって、論理というものが成立しなくなってしまうのではないかと危惧しているのではないでしょうか。
答え切れなかったところは、後日改めて。
返答の前振り。
Waki? (2004-05-30 (日) 22:47:59)
一度に全部はムリなので、少しずつお答えしようと思います。
その前に、本稿は、もともと研究発表という性格のものではありませんでした。ある読書会で、議論の元ネタになるものを出してくれという要請があったので、軽い話題提供のつもりで書き始めました。テーマも、西田哲学の中ではあまり取り上げられないような、ちょっと変わったやつにしようと思って、「嘘つきのパラドックス」を取り上げました。だから、本稿は、厳密に学術的なものではなく、議論の元ネタとして考えてください。別の見方をすれば、ここから議論が広がれば、元ネタとしての役割を無事果たすことができたということでしょう。それを踏まえたうえで、私の拙い返答を見ていただければと思います。
なお、テキストは、ご指摘の通り「論理と数理」です。これは、読書会では、事前に配布していました。詳しく言えば、『西田幾多郎全集 第十一巻』（旧版）pp.98-101の箇所です。
「西田幾多郎と『嘘つきのパラドックス』」への質問
＊? (2004-05-28 (金) 17:07:47)
各質問は一応独立したものだと考えてください。
「今回取り上げるテキスト」とは何ですか？
『西田幾多郎全集 第十一巻』（旧版）所収の「論理と数理」？
《「色の体系」とは、「赤、青、黄、緑、白、黒・・・」といった各々の色から成る総体だと考えられる。》
これは西田自身が言っていることなのでしょうか？
それはともかく、だとすれば、言語が異なれば「色の体系」も異なるということになりそうですが、そうなのでしょうか？ 日本語の「赤」と英語の‘red’とが意味する内容が同じであるとは限りません。
あるいは、それは日常言語ゆえの不完全さであり、本来は、マンセル表色系や光の波長の長さで指示されるべきであるのでしょうか？
（個物としての「赤」などの）「個色」が「他の何の色とも異なつたもの」であるとすれば、それはもはや「赤」ですらないのではないのでは（それは他のいかなる赤とも異なるものなのだから）？ そうだとすれば、それは「矛盾」ですらないのではないか？ あるいは、「クオリア」のようなものを考えているでしょうのか？
ここで言われているのは、「赤」を自己矛盾と呼ぶのが苦しいということだけであり、「赤は色である」（という判断）を「自己矛盾」と呼ぶのが苦しいという理由を説明しているとは言えないように思うのですが。
赤には判断能力がないと言うが、そもそも（「嘘つきのパラドックス」がその変種であるところの）「ラッセルのパラドックス」は、自分自身を要素としない集合をすべて集めた集合に生じる矛盾であって、そこには判断能力を持つ主体は登場しない（それが矛盾だと「判断する」場合には必要だが）。「自己矛盾」は必ずしも「判断する自己」を必要としない。だから、「赤」が判断能力を持たないことは、「赤は色である」を「自己矛盾」と呼ぶことができないということを意味しないのでないでしょうか？
《しかし、そうかといって、「赤」が自分自身について判断しているとも言いがたい。判断を行うにはその能力がなければならないが、「赤」にその能力があるとは通常では考えられない。》
この批判もまだ「主観と客観との対立を前提とする考え方」にまだ囚われているのではないでしょうか？
「自己が物となり物が自己となる」というのが心身一如の立場だとすれば、我々が赤と判断するとき、赤と成るのではないか（「自己が視覚的に色の体系の中にあり」とはそういう意味ではないか）。だとすれば、「赤は色である」という命題は「自己矛盾」と言えるのではないか。なぜなら、我々が「赤は色である」と判断するとき、ある意味で「赤」が（正確には、視覚的に「赤」となった私が）自分自身について判断しているのだから。
ただ、このように考えて行くと、「赤は色である」という命題どころか、あらゆる命題が自己矛盾だというとになり、「矛盾の概念は危険な拡張をこうむることになりはしないか」という中岡氏の危惧が的中してしまうことになりかねません。では「危険な拡張」とはどのようなことを考えているのでしょうか？ そう言われても僕はさして危機感を覚えないのですが。というのも、僕は、西田が「矛盾」というものをある意味積極的に捉えていると思っているからです。自己自身の中に矛盾を含むものでなければ、判断そのものが可能でないとすら考えているのではないか。というわけで、「危険な拡張」の内容を詳しく説明してもらえるとありがたいです。
僕が、西田研究の文脈を知らないための stupid question かもしれませんが、「西田の論理のパラドックス的性格」を露にすることに、どのような意味があるのでしょうか？
中岡氏が、《「西田の論理のもつ否定性を、弁証法的矛盾というより、「さしあたりパラドックスとでも名づけるしかないような不思議な性格をもっている」と評している》ことにはいかなる意味があるのでしょうか？ 言い換えれば、このような指摘は、西田哲学の理解にとってどのような役に立つのでしょうか？
西田の言う「絶対矛盾的自己同一」が絶対的なものではなく、ラッセルが「ラッセルのパラドックス」をタイプ理論によって解決した（「矛盾」でなくした）ように（西田はそのことに否定的なようですが）、解決可能なものだということになるのでしょうか？
久しぶりの応答
世界のショタコン? (2004-01-19 (月) 18:16:04)
どうも、間が空いてしまってすいませんでした。
＞ 東氏の『存在論的・郵便的』は読んでみたいと思って居ます。その他、お勧めの本があったら、お願いします。もちろん、『「萌え」の構造』も歓迎します。（＾＾）
『存在論的・郵便的』は、デリダ論（＋α）であり、直接萌えに関する記述は出てきませんが、東氏の議論のバックボーンとなっているので、読んでおいて損はないでしょう。
大澤真幸氏の著作もお勧めです。ちょっと自分の専門領域にひきつけすぎという感はなきにしもあらずですが。
下記のサイトの文章も参考になります。
http://orion.mt.tama.hosei.ac.jp/hideaki/ideology.htm
「萌え」とは「大きな物語」の凋落に関係する事態らしいです。「大きな物語」に対してどのような態度を取るかによってある程度の世代分けは可能のようです。
あと、ちょっと散漫ですが、「萌え」の雰囲気をよく伝えるものとして、もうひとつ、サイトを紹介しておきます。
http://ya.sakura.ne.jp/~otsukimi/hondat/view/moeru.htm
＞ それがどういう立場なのか少し説明していただければ。要するに、感情的、道徳的なこととは別次元で、純粋に理論上で議論しようということですか？形式（論理・言葉）は共有するが、内容（感情・性格）は不可知の態度を取る、と。たとえば、冷酷な意見を言っていても、当人が実際に冷酷な人間であるかは問題ではないという前提で議論をする、とか。
「不可知」というよりは無関心、冷酷な意見というよりは冷酷な意見も冷酷でない意見も存在しないという立場、意見そのものに冷酷も冷酷でないもないという立場です。「純粋に理論上で議論」するというのがどういう意味なのかちょっと分からないのですが、イメージだけで勝手に受け取らせてもらえば、おそらく純粋に理論的であるだけでは足りません。個別の例（個々の作品への萌え等）の分析を離れたメタの視点から、超越論的な視点から議論するということです。
＞ 私などに期待せずとも、ご自分でなさったらよいと思います。
誰に向けて仰っているのでしょうか？（「弊」として）否定したことに突っ込みを入れられても、どう反応していいのやら困ります。私以外の人に向けられた言葉、または誰にも向けられていない言葉なら、そう分かるように書いてくださるとありがたいです。
「道徳」とは「慣習」というほどの意味で使いますた。
別んとこの話ですが。
Waki? (2004-01-13 (火) 19:58:57)
＞＞たとえば、インドゾウとアフリカゾウは別物だから同じ「ゾウ」という言葉で呼ぶのはおかしい、という考えを徹底するなら、あなたはラディカルなノミナリストです。
＞ だったら、各々のインドゾウも別物だから同じ「ゾウ」という名前で呼ぶのはおかしいと考えるのでは?
だから。「徹底するなら」と書いておいたでしょう？「徹底して行くのなら」とか「突き詰めて行くなら」の方がよかったかな。
- では、「突き詰めて行くなら」どこまで行っちゃうのか教えてください。ヘラクレイトス流の流転説を採れば、同じものなんてどこにも存在しない（「同じ川の流れに二度と入ることはできない」あるいは「一度だって入ることはできない」）のだから、一瞬ごとに違う名前で呼ばねばならないことになりますが、それでは名指す意味がなくなり、名前は無用の長物となりますが、そこまでですか？ それとももっと先へ行くのでしょうか？ -- ＊?
- それはご想像にお任せします。（＾＾）もともと上の文章は、「夢の中の獏と現実の獏を同じ「獏」という言葉で呼ぶのはおかしい」という主張への応答として書いたものなので、ラディカルなノミナリストが自滅するなら、むしろこちらの主張にとって好都合なわけです。ちなみに、私はそれほどラディカルではありませんので。 -- Waki?
- > それはご想像にお任せします。
ていうか、僕はラディカルなノミナリストが自滅すると言いたかったのではなく、そもそもノミナリストが「インドゾウとアフリカゾウは別物だから同じ「ゾウ」という言葉で呼ぶのはおかしい」と主張するかどうかについて疑問があったのです。ノミナリストというのはいわゆる「普遍論争」における「（普遍）実在論」へのアンチテーゼとしての「唯名論」のことを念頭に置いているものだと思ったので、まさかそっちの方向へ徹底させることを同意されるとは思っていませんでした。
《唯名論（英 nominalism） 中世の普遍論争において実在論（実念論とも訳す）に対立。名目論とも呼ばれる。実在するのは個々の物だけであり、普遍は実在せず、単に共通するものの名前にすぎないという主張。》（富士書店『哲学入門 哲学基本事典』より）
インドゾウとアフリカゾウは別物であるがそれを同じ「ゾウ」という名前で呼んでいるという事実を認めた上で、ただ、実在論はその「ゾウ」という普遍概念（ここでは類概念）を実在するものと見なすのに対して、唯名論は、それを名前（言辞）に過ぎないと主張する。だが、ノミナリストがそのことが「おかしい」とまで言っているというのは初耳だったので、突っ込んだわけです。ノミナリストの攻撃対象は、名前よりもむしろ普遍ではないでしょうか。だから、どんどんラディカルになった結果、名前が無意味になろうと別に構わないと言うと思うのですが。
それとも、普遍論争における唯名論とは別のノミナリズムを念頭に置かれているのでしょうか？ だとしたら、どんなノミナリストを念頭に置いて言っているのでしょうか？ 具体的な人物などがいるのでしたら教えてください。 -- ＊?
- 「ノミナリスト」という言葉は、厳密に哲学的な意味で使ったわけではなくて、もっと漠然とした感じで使ったものです。特定のノミナリストを念頭においているわけではありません。そんなに気になさるのなら、単純に「たとえば、インドゾウとアフリカゾウは別物だから同じ「ゾウ」という言葉で呼ぶのはおかしい、という考えに同意するのでなければ、夢の中の獏と現実の獏を同じ「獏」という言葉で呼ぶことにさしたる問題はありません」としておきます。つまり、＊さんの問題とされている点は私の主張の要点ではないので、特に反論する気はありません。もしそれが私にとって重要な点であることが明らかにされるか、もしくは別に議論の枠を設定して普遍論争について語り合おうとおっしゃるのであれば、議論に応じたいと思います。 -- Waki?
- 気になるというよりは、ノミナリストにあまりにもつれないんじゃないの、と思ったわけです。Waki君と普遍論争するつもりはないので、この話題はこの辺でとりあえず打ち止めということで。「しゅうりょー！」 -- ＊?
寝かしちゃマズいんでは・・・（汗）
Waki? (2003-12-23 (火) 02:12:28)
うるさくてかえって眠れないという説もありますが。
>やつがれが拙い議論を提出するよりは、東浩紀氏や斎藤環氏や中森明夫氏や佐藤心氏の文章を読んでもらったほうがいいです。
東氏の『存在論的・郵便的』は読んでみたいと思って居ます。その他、お勧めの本があったら、お願いします。もちろん、『「萌え」の構造』も歓迎します。（＾＾）
>それとは違う立場でこれから議論して行きますが、よろしいですか？
それがどういう立場なのか少し説明していただければ。要するに、感情的、道徳的なこととは別次元で、純粋に理論上で議論しようということですか？形式（論理・言葉）は共有するが、内容（感情・性格）は不可知の態度を取る、と。たとえば、冷酷な意見を言っていても、当人が実際に冷酷な人間であるかは問題ではないという前提で議論をする、とか。
>古い道徳を突破してくれる可能性を新しい世代に求めるのは世の常ですが、私もその弊にはまっていたようです。
私などに期待せずとも、ご自分でなさったらよいと思います。とはいえ、そう簡単なことではありませんが。その前に先ずは「なぜ古い道徳を突破せねばならないのか？」を明らかにしておく必要はあると思います。それから、「古い道徳を突破する」といっても、単に価値転換ゲームを繰り返すだけでは、新たな局面を開いたことにはならないように思います。それとも、「新たな局面」さえも求めてないということか。ただ、現在道徳そのものが形骸化しているので、単純に古い道徳を否定して、というわけにも行かないでしょうね。だから、「否定」ではなく「突破」と仰っているのかな？
「寝ろーーっ！」（by アロア）
世界のショタコン? (2003-12-22 (月) 15:20:23)
> もし私がオタクと呼ばれるのを否定しているとすれば、特に熱心にはまっているマンガやゲームがなく、二次創作も全然行っていない（行ったことがない）という極めて一般的（或いは表面的）な意味においてに過ぎません。
そういう意味では私もオタクではありません。それは前に言った狭い意味でのオタクであり、私が言っているのは広い意味でのオタク、構造的な問題としてのオタクです。だから、『『萌え』の構造』はぜひとも必要なのですが、やつがれが拙い議論を提出するよりは、東浩紀氏や斎藤環氏や中森明夫氏や佐藤心氏の文章を読んでもらったほうがいいです。その後で疑問点があれば精一杯答える努力はします。もちろん、そんな意欲と暇ができてからでかまいませんが。
> 今回のことは別に人格攻撃とは受け取っておりませんし、したがって謝罪される理由もよく分かりません。
そう言ってくださるとは思っていましたが、こちらがそう前提して、それに甘えるわけにはいかないと思い、念のため（言葉が悪いですが）謝らせてもらいました。それから、「人格攻撃」だと受け取られたと受け取ったわけではなく、人格と密接に結びつく形でしか知識というものはありえないという立場もあるかと思ったので、それとは違う立場でこれから議論して行きますが、よろしいですか？という提案をしたつもりです。そのこととちょっと関係しますが、「ラディカル」というのは「原理的」という意味です。
もちろん、それだけでなく、古い言葉で恐縮ですが、「新人類」的な革新性をも意味しています。古い道徳を突破してくれる可能性を新しい世代に求めるのは世の常ですが、私もその弊にはまっていたようです。
とりあえず、私から言うべきことはこれぐらいです。何か質問等ございましたら、お待ちしております。
P.S.
Waki? (2003-12-20 (土) 21:01:43)
今回のことは別に人格攻撃とは受け取っておりませんし、したがって謝罪される理由もよく分かりません。ひょっとすると、哲倫Wikiでは、別人格を意識して（或いは想定して）書きたいなと思ってるので、少し戸惑わせてしまったのかもしれません。私としてはオタクと呼ばれることを執拗に拒否していたのではなくて、できるだけコメントに応答して、ツッコミを入れようとしていただけのつもりでした。だから。別に他意はなかったのです。ホントです。もちろん、（誰であるかを問わず一般的なレヴェルで）人格攻撃や誹謗中傷を意図しない限り、議論は謹んでお受けします。かつ、私の誤り（倫理的なものを含む）は、批判して下さって結構です。
腐乱ダース
Waki? (2003-12-20 (土) 20:25:19)
私は、オタクと呼ばれるのが嫌というよりは、むしろ単純に何故オタクと呼ばれるのかがよく分からないのです。正確にいえば、そもそもオタクという言葉で何を仰ってるのかがよく分からないのです。もちろん、まったく意味がわからないというのではありません。もし私がオタクと呼ばれるのを否定しているとすれば、特に熱心にはまっているマンガやゲームがなく、二次創作も全然行っていない（行ったことがない）という極めて一般的（或いは表面的）な意味においてに過ぎません。特定のサブカルチャー論を念頭においてるわけではないのです。それゆえ、オタクに然るべき定義が与えられ、かつ私がその定義に当てはまるということが証明されれば、自分がオタクであることを認めます。（「萌え」がよく分からない私としては、『「萌え」の構造』というタイトルでサブカルチャー論が執筆されるのをひそかに心待ちにしているのですが。）その他諸々気になる点（たとえば、「ラディカル」ってどういうこと？とか。）がありますが、とりあえず、要望があれば補論・反論するということにしておきます。今日はなんだか眠いんだ。パ○ラッシュ。
謝罪（土俵替え？）
世界のショタコン? (2003-12-20 (土) 07:27:57)
どうも「世界のショタコン」（©Waki）です。
> それまでは陰口だったってこと？
「それまで」が本当にあったとすれば（ニヤリ)。
> 探してる暇はありません。
じゃあ探す必要はありません。
> 並列化してしまったら、表層と深層の区別が・・・せーの。意ぃ味ないじゃん。（ちと古いか。）しかも、それだと、極論すれば、誰かがオタクだと決めつけさえすれば、その人はオタクと見なされてしまう。
そうです。第１・第２世代が前提していた表層と深層の区別を「意ぃ味ないじゃん」としてしまうのが、まさに「スーパーフラット」ということです。その点はご承認いただけたようでありがとうございます。ですが「極論すれば」は極論過ぎます。それだと、他者に対する何らかの言及はすべて、本人の同意を得なければ決めつけにすぎないということになってしまうでしょう。たとえば「天才」や「美人」という形容、たとえば「セクハラ」や「児童虐待」という形容。それらは本人が拒否したからといって決めつけにすぎないとは言えません。あるいは、既に死亡した人や彼の文章に対する評言は、本人の同意を得ることが決してできない以上、すべて決めつけだということになってしまいます（同様に、それらは、本人が知らぬところで述べられるので、すべて陰口だということになってしまいます）。それも一つの意見ではあるのでしょうが、直ちには同意しかねます。それだと思想系の学術論文のほとんどが決めつけ（陰口）であることになってしまうからです。それに、もし本当にそうならば、本人がオタクじゃないと言うのも決めつけではないでしょうか？いつだって本人が自分のことをいちばん判っているとは限らないのですから。それにネットにおいては私自身も含めて本人が書いていると確認するすべがないので、余計に決めつけでないという確信を持つことができません、文章自体の正しさを考慮する以外の方法では。けれども「コメントへのコメント」さんじゃありませんが、そのように無根拠にオタクであるということを執拗に拒否しようとする振る舞いこそが自らがオタクだと証明しているようなものでは？とはいえ、このレヴェルで議論してもいつまでたっても水掛け論でしょうから、これ以上言い募るつもりはありません。
> 失礼しました。天然ボケだったとは。（・・・お気に触ったらごめんなさい。m(_ _)m）
むしろ「天然ボケ」に対するツッコミのつもりだったのですが・・・（「第三世代オタク」というのは「天然ボケ」の別名みたいなものです）。こちらこそお気に触ったようでごめんなさい。オタクという語にそんなに反応してくださるとは思いませんでした。決して不快な気持ちにさせたくて書いたことではありませんが、自分が言ったことをちゃんと理解できてませんでした。もし理解していたなら、こういう反応が返ってくると予想できたはずですから。それに加えて、思っていたほどWakiさんはラディカルではなかったという点では私が間違ってました（その点では(+)さんの指摘のほうがより正しかったようです）。私は自己の理想像を投影してしまった部分があったようです。図らずも「世界のショタコン」と名づけてくださったのはその点で正しかったようです。反省もこめて「世界のショタコン」と名乗らせてもらいました。不用意にオタクと呼んでしまった＊さんも(+)さんも含めて、お気に触ったらすいませんでした。
「突っ込み大相撲」を続けていくことまで放棄するものではありませんが、そんなにお嫌なら「オタク」という形容はいったん引っ込めます。登場人物紹介からも隠しておきます。もし議論を続けるとしたら、別のレヴェルで、Wakiさんの人格とは無関係なところで続けましょう。もちろん、そんなレヴェルをご承認いただけるとすればの話ですが。
test
Waki? (2003-12-19 (金) 22:16:36)
場外乱闘篇。
コメントが長くなったので、こちらに移しました。
- 本人からコメント。
いち、繰り返しになりますが、「関節外し」と呼ばれた記憶がないです。「一部（の人）」って誰？
に、黒田硫黄氏の顔を見たことがないのですが、そんなに似てるの？その写真、持ってませんか？
さん、私はいつからオタクになったの？私のどのへんがオタク？
よん、誰が女装写真を待望してるんだ？もしかして(+)さん？
ご、改編して、消してしまうのも忍びないので、コメントという形にしておきました。たくさん突っ込まれるのも、ボケ役の宿命と思ってください。（その内改編するかも。）
- コメントへのコメント
誰が書いたのかは問題じゃない、何が書かれてあるかが問題なのだ。誰の心にも引っかからなかった文章は消され、忘れ去られる運命にある。
というわけで、ここに置いてある文章は消されること前提で書かれたもの（のはず）なので、「作者」に断りなく、内容が正しくないと思うならば、どんどん改編（改変）していいと思います。僕が消してもいいと思いましたが、そうすると本人からのコメントが意味を成さなくなってしまうので、やめておきます。
僕でも答えられそうな疑問に答えておきましょう。正しいかどうかは分かりませんが。
- 1.本人にそう呼ばれた記憶がないのなら、陰でそう呼ばれているということでは？
- それで。「一部（の人）」って誰かなと思ったのですが。けれど、もし陰で呼ばれてるんだったら、「関節外し」って陰口ってことになりません？
- 2.僕はそんなに似ていると思いません。黒田氏は眼鏡をかけてますし。小さいですが、写真のあるサイトを見つけたので、URLを載せておきます。http://plaza.bunka.go.jp/museum/sakuhin/sexy_voice.html
- 3.自分がオタクだと思っていないあたりが（笑）。冗談はともかく、たぶん狭い意味のオタクではなく、広い意味でのオタクだという意味ではないでしょうか。１億総オタク化しているらしいですから（「動物化」ってやつ？）。
- それなら、（広い意味で）オタクでない日本人は居ないということに……。
- 4.おそらくは、黒田氏が女装写真を自分のマンガの単行本のカバー裏に載せたことを念頭に置いているのではないかと思います。
- 5.については、最初に書きました。
- 返答と返答の返答
>> いち、繰り返しになりますが、「関節外し」と呼ばれた記憶がないです。「一部（の人）」って誰？
> 少なくとも私。
他にも誰かいるのでしょうか。追及するつもりはありませんが。
>> けれど、もし陰で呼ばれてるんだったら、「関節外し」って陰口ってことになりません？
> だったら、こうして公表した以上、もう陰口ではないということですね。
それまでは陰口だったってこと？
>> に、黒田硫黄氏の顔を見たことがないのですが、そんなに似てるの？その写真、持ってませんか？
> 古本屋で探してください。その写真では眼鏡はかけてません。＞コメントへのコメント
探してる暇はありません。
>> さん、私はいつからオタクになったの？私のどのへんがオタク？
> ＊さんが深読み（どうでもいい細部にこだわる）、(+)さんが浅読み（表層との戯れ）という意味でオタクだとすれば、脇君は表層と深層の並列化（スーパーフラット）という意味でオタク。
並列化してしまったら、表層と深層の区別が・・・せーの。意ぃ味ないじゃん。（ちと古いか。）しかも、それだと、極論すれば、誰かがオタクだと決めつけさえすれば、その人はオタクと見なされてしまう。
>> よん、誰が女装写真を待望してるんだ？もしかして(+)さん？
> 少なくとも私。そして、世界のショタコン。
「少なくとも私」の「私」さんは、もしかして自称「世界のショタコン」さん？
>> ご、改編して、消してしまうのも忍びないので、コメントという形にしておきました。たくさん突っ込まれるのも、ボケ役の宿命と思ってください。（その内改編するかも。）
> ボケたつもりはありません。
失礼しました。天然ボケだったとは。（・・・お気に触ったらごめんなさい。m(_ _)m）
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