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電気電子設計 / OPアンプ

電気電子設計

OPアンプの基礎 †

■ページ内リンク
1.OPアンプとは？
2.OPアンプ基本特性
3.OPアンプ基本回路1_ボルテージフォロワ
4.OPアンプ基本回路2_非反転増幅回路
5.OPアンプ基本回路3_反転増幅回路

1.OPアンプとは？ †

■OPアンプとは？
OPアンプというものがなにをするものかは、知らないうちは当然よくわからないと思います。
しかし知ってしまうと、そうあるべきだと、とわかるようになります。
したがって内部構造は抜きにして基本的な特性を先に覚えます。


2.OPアンプ基本特性 †

■(1)基本構成
OPアンプ基本構成です。(下図1)

Vccはプラス電源で+15Vとします。Vssはマイナス電源で-15Vとします。
入力ピンはプラス端子VinPとマイナス端子VinNの2本、出力ピンVoutは1本です。
基本はこの5本のピンのみです。

入力信号電圧をプラス端子もしくはマイナス端子に加え、出力Voutを得ることが目的となります。

図1


・図1 OPアンプ構成


■(2)基本動作
まずはこれを覚えればほぼすべての動作がわかるようになります。(下図2参照ください)

覚えることは下記の2つだけ。

図中▽はGNDを示します。ことわりがない限り同じ▽はショートしています。

VinP ＞ VinNのとき、Vout=Vcc (プラスピンの電圧が高ければプラス電源電圧出力)---�� 
VinN ＞ VinPのとき、Vout=Vss　(マイナスピンの電圧が高ければマイナス電源電圧出力)---��
*注これらの式は厳密にはOpアンプの動作と違いますが、いまのことろ動作を覚えるための式です。


図1

・図2 OPアンプ構成2


尚閉ループがないと回路ではない...などという方のために学校風に描くと下記の通りです。図2とまったく同じ回路を示しています。

図1

・図3 OPアンプ構成2（学校風）

しかしGND線が沢山あると複雑な回路のときはかえって見づらいだけですので、図2のようにGND線を省略した書き方が一般的です。
今後も図2の書き方とします。

さて図2,3の中に書いたように、VinP=2[V],VinN=1[V]を加えたとします。
このとき出力Voutはいくつになるでしょうか？

前述したように、VinP > VinNなのですから Vout = Vcc です。
これが、VinP=1[V],VinN=2[V]とした場合はもちろん逆でVinP < VinNですからVout = Vssとなります。


3.OPアンプ基本回路1 ボルテージフォロワ †

頻出回路をひとつずつ見ていきます。
まずはボルテージフォロワです。意味はさておきこの回路の名前です。（図4参照）
特徴としては、VoutピンとVin""N""ピンがショートしていることです。


図1

・図4 OPアンプ基本回路1 ボルテージフォロワ


図4にあるように信号を入力できるのはVinPピンだけですので、ここに2[V]を加えます。
このときの出力Voutは何[V]になるでしょうか？


出力と入力が同時に変化するような錯覚に陥るため、大変わかりずらいです。
ですが、よくよく考えてみれば電気だってなんだって移動するのには多少時間はかかります。
よってVoutに適当な初期値を与え、少しずつ回路を追えばよいのです。


まずVout = 0 [V]と仮定します。(図5参照)
図中の�、��△僚腓謀徹気�加わります。


図1

・図5 OPアンプ基本回路1 ボルテージフォロワ初期値



図5により、VinNが0[V]、VinPが2[V]ですから、2.OPアンプ基本特性の基本式�，離院璽垢任后�
つまり出力は下図�□���となってVcc(+15V)[V]です。(図6)


図1

・図6 OPアンプ基本回路1 ボルテージフォロワ初期値2



しかしちょっと待ってください。
Voutピンは、VinNピンとつながっています。VinNピンがVccになったらVinP > VinNではなく、VinP < VinNですよね？

つまり出力は再度下図7のように�あ��ア��Δ鬚燭匹蝓�Vss[V]になります。(図7)

図1

・図7 OPアンプ基本回路1 ボルテージフォロワ初期値3




結局VinNがVinPを上回ってしまうと下向きに、VinNがVinPを下回ってしまうと上向きに変化させられてしまいますので、ごく短い時間に、 VinNはVinPと同じ電圧に落ち着くより他はありません。（グラフ1）

グラフ1

・グラフ1 OPアンプ基本回路1 ボルテージフォロワ VinP,VinNの時間変化


結局この回路の出力は以下の通りです。

Vin = Vout ---��



4.OPアンプ基本回路2 非反転増幅回路 †

非反転増幅回路というものは下図回路構成です。(図8)
入力電圧は任意の電圧ということでVin[V]とします。

抵抗は、R1[Ω],R2[Ω]とします。こちらも任意の値とします。

図1


・図8 OPアンプ基本回路2 非反転増幅回路


”3.OPアンプ基本回路1 ボルテージフォロワ”とまったく同じように考えます。
Voutの初期値は0[V]です。(図9)


図9


・図9 OPアンプ基本回路2 非反転増幅回路_初期値1


上図9の�、��□���のように変化します。

更に下図10 �あ��ア��Δ反覆澆泙垢�、今度は抵抗が接続されていますから、VinN への Voutから戻る電圧は、R1, R2 で分圧された電圧となります。
つまり、Vcc×R1/(R1+R2)です。ここだけがボルテージフォロワと違います。

図10


・図10 OPアンプ基本回路2 非反転増幅回路_初期値2



ボルテージフォロワのときと同じように、VoutはVinNがVinPの電圧を少しでも上回ればVssへ変化しようとし、下回ればVccへ変化しようとします。
グラフで示すと下グラフ2のようになります。

図10


・グラフ2 OPアンプ基本回路2 非反転増幅回路



VinNピンに加えられる電圧は、Vcc×R1/(R1+R2)と先ほど書きましたが、実際にはVccまでたどり着かないので、Voutと書きます。
つまり,下式が成り立ちます。

VinN　= Vout × R1/(R1+R2) ---��



VinNはVinPの上下をいったりきたりしながら結局はVinPと同じになるしかないので、VinN = VinP です。またVinP= Vin(入力信号)です。
�ぜ阿鮠�し変えます。

Vin = Vout ×R1/(R1+R2)---��


これの左辺をVoutにして変形します。（数学的にはVoutについて解くといいます）

Vout = Vin ×（R1 + R2）/R1 = Vin ×( 1 + R2/R1)　---��


ここで、R1=10[kΩ],R2=10[kΩ]としたとき、 Vout = Vin ×( 1 + 10k/10k) = Vin × (1 + 1)=2Vin ですから Vout = 2Vin となり、Vinの2倍の出力が得られます。




5.OPアンプ基本回路3 反転増幅回路 †




反転増幅回路とは、下図11の構成です。Vin””N””ピンに信号となる電圧が入力されます。
一方VinPピンはGNDに接続です。

図11


・図11 OPアンプ基本回路3 反転増幅回路


初期値Vout = 0[V]とします。　Vinは任意の入力信号でプラス電圧です。
初期値Vout = 0[V] ですので、これがVinNピンへ抵抗を介して接続されています。VinNピンはVinプラス電圧が入力されているのでプラス電圧となります。
VinP < VinNが成り立ち、出力VoutはVssを目指します。


Vssを目指している途中の出力電圧をVoutとしますが、VinNピンへは信号電圧Vinも加わっています。
いったんVoutのみのVinNへの寄与電圧をVinN_1として下式が成り立ちます。

VinN_1 = Vout × R1/( R1 + R2 )　---�А　´ぜ阿箸泙辰燭�同じです。


次にVinプラス電圧が、VinNピンへ抵抗を介して接続されているので、これも考慮しなければなりません。
少々難しいですが、下図12のように変形するとわかりやすいです。

図12


・図12 OPアンプ基本回路3 反転増幅回路

したがって、VinによってVinNピンに加わる寄与電圧は下式となります。

VinN_2 = Vin × R2/( R1 + R2 )　---�─　�


�Ъ阿鉢┝阿蓮�同時にVinNピンに加わる電圧なので足し合わせた値が本来のVinNピンの電圧です。

VinN = VinN_1 + VinN_2 = Vout × R1/( R1 + R2 )　+　Vin × R2/( R1 + R2 )　---��


VinNは0[V]（VinPと同じ電圧に落ち着く）なので、 VinN = 0 = Vout × R1/( R1 + R2 )　+　Vin × R2/( R1 + R2 )です。
Vout × R1/( R1 + R2 )　=　−Vin × R2/( R1 + R2 )ですから、両辺を( R1 + R2 )で割り、Voutについて解くと、下式になります。

Vout = -R2/R1 × Vin ---��


例えば R2=20[kΩ],R1=10[kΩ]とすると、Vout= -20l/10k ×Vin = -2Vin となり、-2倍の出力が得られます。
入力がプラスで、出力がマイナスとなることを反転といいいます。
抵抗値の選定によっては、入出力の電圧倍率を変化されることができますので、これを増幅といいます。
ですのでこの回路は、反転増幅回路という名前がつけられています。


�Ъ亜↓┝阿諒簑�絵図を下記に示します。

図13

・図13OPアンプ基本回路3 反転増幅回路式�А↓─�導出補足絵図


オペアンプは基本的に、出力電圧VoutをVinNピンへ帰して使用します。
すると、出力電圧が上がりそうになると、出力を下げるように、下がりそうになると上がるように動作するデバイスになります。
”マイナスピンへ帰す”（負帰還と呼びます）というのは、こういう意味があるのです。

6.OPアンプ応用回路1 ダイオードクリップ回路 †

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