インピーダンス整合 †
1.インピーダンス整合 †
■信号、電力伝送に必須の概念”インピーダンス整合”
本稿は、信号、電力伝送に必須の概念であるインピーダンス整合について、独自の視点で説明するものです。
教科書的な説明はほとんどしません。
理解しやすさを最優先します。数学的な厳密性は欠いたものとなりますのでご了承ください。
教科書で挫折した人、大大歓迎です。
1-1.インピーダンス整合回路 †
■インピーダンス整合の基本構成
電気電子設計/回路基礎 項目4で述べましたが、負荷端で最大電力となるようにインピーダンスZ0、Z1を決定（もしくは調整）することをインピーダンス整合と呼んでいます。
交流の場合インピーダンスと呼称しますが、簡単のため、直流で考えて抵抗R0,R1とします。
(電源が直流のとき抵抗Rと呼称し、交流の時はインピーダンスと呼ぶ、くらいの理解でOKです。)
”結果的”にですが、整合が取れた時、R0=R1となります。
50Ωは一般的に使用される定数で今はそういうものと思ってください。
少しおさらいしたい方は下記リンクから飛んでください。
電気電子設計/回路基礎 へ飛びます。項目4参照ください。
図1-1.インピーダンス整合基本回路1
整合条件：R0 = R1
1-2.インピーダンス整合の目的 †
さて、ではなぜこのインピーダンス整合が”必須”の概念なのでしょうか？
もちろん本webページ”電気電子設計/回路基礎 項目4”で学んだ方にはわかると思います。
負荷端A-Bの間に挟まれた抵抗R1(このページ内ではR1とします)は実際に仕事をさせる場所です。
ここでいかに仕事を沢山仕事をさせるかが重要であるからです。
例えば下図のように送電線路を考えてみましょう。
発電所から家までの送電線のインピーダンスはZ0です。導線は抵抗を持ちます。
家の中で、例えばPS5を動かしたりします。それは負荷ですのでZ1です。
図1-2.インピーダンス整合の目的絵図1(＊実際には50Ωではないし、地面を電流が流れることは通常ないです。)
これは基板の中ですと、電源ICから伝送パターン、そして電力を消費するICまでの関係と全く同じです。
2.最大電力供給の原理からインピーダンス整合条件導出 †
重要性がわかったところで、じゃあなぜ”R0＝R1”のときに最大電力となるのだろうか？を考えます。
”電気電子設計/回路基礎 ”項目４"ではその考え方のみ示しました。ここでは数式で理解することを目指すこととします。
2-1.原理基本回路 †
下記に原理を考えるための基本構成回路を示します。
簡単のため、電源は直流なので、伝送線路抵抗R0、負荷抵抗R1とします。
なぜかはわかりませんが、私たちはR1 = R0 で負荷端A-Bでの抵抗R0で最大電力が取り出せることをあらかじめ知っています。
下記のように、負荷端抵抗R1はαR0と置けるものとしましょう。（α=1となることを期待して！）
R1 = αR0 --- ��
図2-1.インピーダンス整合原理基本回路
この回路から電力が最大になる条件を何とかして導きたいと思います。
2-2.原理導出 †
電力の基本式を思い出してください。
P = VI --- ��
単位はWです。
抵抗R1(今はαR0）の電力Vabとするとこの両端電圧と、R0に流れる電流をまずは調べればよいですね。
R0の両端AB間の電圧は、R1とR0の分圧になりますから、下記のようになります。
図2-2-1.インピーダンス整合原理基本回路 電圧
次に電流を求めます。
図2-2-2.インピーダンス整合原理基本回路 電流
よって、電力PはP =VIですから下記のようになります。
---��.インピーダンス整合原理基本式
簡単にします。
---��.インピーダンス整合原理基本式
�ぜ阿�E^2/R0という項は定数なのでkと置いておきました。
これでこのαについての式を考えて、最大値をとる条件を求めればいいですね。
K > 0 且つ 分子より分母の次数が大きい2次関数ですから上に凸のグラフの関数です。
つまり傾き0がその山の頂点ですから微分して0になるαをもとめればいいですね。
忘れた方用に公式も載せておきます。
---��.インピーダンス整合原理微分式
�ゼ阿呂�なりわかりやすい形となりました。α > 0ですから、F(α)´ = 0 のときは α = 1 ですね。
�ー阿茲�R1=αR0でしたね。
α＝１ですから、最大条件はつまり、
R1 = R0 --- ��
私たちが期待していた通りの結果ですね
3-1.インピーダンス整合 †
終端抵抗がないと反射(電源へ戻ってくる電圧と考えてよい。本当はちょっと違う)が発生します。
しかしR0終端抵抗をつけるとこれがなくすことができます。
2項でみたようにR0で最大電力供給可能な条件と同じとなります。
この状態をインピーダンス整合といいます。
下絵図にまとめました。
3-1.インピーダンス整合まとめ
4-1.反射係数 †
さて、�ぜ阿�らは、α = 1 以外の時のインピーダンス整合が取れていないときの電力量です。
�ぜ阿糧�分式が�ゼ阿任垢�ら�ゼ阿廊ぜ阿料�減分を与える式ですね~。
�ゼ阿陸舛魏宍�のように戻します。
4-1.反射係数Γ
上記のように反射係数Γと呼びます。
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