EPROM


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EPROM

EPROM (Erasable Programmable ROM) は、半導体メモリの一種で、デバイスの利用者が書き込み・消去可能なROMである。

消去の方式により、UV-EPROM(紫外線消去PROM)、EEPROM(電気的に消去可能なPROM, Electrically Erasable PROM)などがある。コンピュータ制御機器の試作品や製品をはじめ、パソコンのBIOS ROMなど、多くの機器に搭載されている。近年は、フラッシュメモリに置き換わりつつある。

UV-EPROM

インテルが1971年に開発した紫外線を当てることで消去できるPROM。

MOSトランジスタのゲートを開放しておき(フローティングゲート)、高い電圧で電子をゲートに注入することで書き込みを行う。フローティングゲート上の電子は周囲から絶縁されているので電源を切っても消去されないため、ROMとして用いられる。消去は紫外線を照射して電子を励起し、ゲートの絶縁膜を通過できるようにして行う。このため、UV-EPROMのパッケージには紫外線を透過する石英ガラス製の窓が設けられており、一目でUV消去タイプと見分けることができる。書き込み時の高電圧がシリコンにストレスを与えるため、書き換え可能な回数は凡そ20回前後である。

最初のEPROMはIntel 1702Aであり、これはP-MOS構造のため、負電圧が必要など、使いにくいものであった。その後、2716以降、5V単一電源になり、使いやすさが向上した。その後は、ピン配置の互換を出来るだけ保ちながら、容量を増やしたものが提供されている。

遮光シールを貼って適切な取り扱いをすれば、十年単位で記憶を保持できると言われる。しかし、シールを貼らずにおくと、太陽光や蛍光灯の光に含まれる紫外線で短期のうちに内容が消えてしまう。また、動作中にカメラのストロボ(フラッシュ)のような、強烈な光を浴びせると読み出し時に誤った値を出力する事がある。

なお、多品種少量生産向けに、パッケージの窓を廃して廉価なプラスチックモールドとし、ワンタイムPROMとした製品もあったが、メモリチップ自体は普通のUV-EPROMであり、プログラミングにはUV-EPROM用のライタ等をそのまま流用できる。

そのほか、EPROMをCPUチップに内蔵した製品(Intel 8748など)もあった。

EEPROM

フローティングゲートからドレインにトンネル効果を利用して電子を引き抜くことにより、電気的な操作のみで消去を行うようにしたもの。EEPROMは回路基板に実装したままで書込み・消去ができる不揮発性メモリなので、利用時に書き換えが必要な用途、例えば機器の動作設定データや、利用者固有の情報を保存するのに適する。初期には容量が小さく、デバイスも高価であり、また書込み・消去の所要時間がRAMに比べて長かったが、フラッシュメモリの登場により改良され、広く普及した。