※ギリシャ神話のイカロスは、『翼』を得てあまりに高く舞い上がったため、 墜落して身を滅ぼすことになった。企業も同じで、成功した企業の多くが、 成功をもたらした、まさにその要因によって失敗し衰退することがある。 ※この現象を著者はイカロス・パラドックス(イカロスの逆説)と命名して、企業 衰退の四つの軌道を詳述し、さらに衰退軌道の背後にある『力』を解説してい ます。 ※本書では、この衰退を回避し、復活するための方法までを提示しています。
目 次
第1章 イカロス・パラドックス 軌道/気をつけるべき力/
第2章 熟練工から下手な職人へ−集束軌道 熟練工の戦略/完全を求めるリーダーと文化/規律正しい構造/下手な 職人への移行/下手な職人の戦略/管理するリーダーたち/技術者支配 の文化/硬直化した構造/集束軌道に沿った主要な変化/
第3章 建設者から帝国主義者へ−冒険軌道 建設者の戦略/基盤を築くこと/多角化/企業家であるリーダー/成長文 化/部門構造/帝国主義者への移行/帝国主義者の戦略/陶酔しているリー ダーと文化/過度の負担を背負った構造/冒険軌道における主要な変化/
第4章 開拓者から現実逃避者へ−発明軌道 開拓者の戦略/先頭に立つこと/先頭を維持すること/補助的戦略/夢見が ちなリーダー/「研究開発」の文化/ 有機的組織/冒険的な意思決定/現 実逃避者への転換/ 現実逃避者の戦略/狂信的リーダーと空想的文化/混 沌とした構造/発明軌道上での主要な変化/
第5章 販売員から漂流者へ−分断軌道 販売員の戦略−イメージの差別化/補助的戦略/ 「組織的人間」リーダー と文化/分散した構造/漂流者への移行/漂流者の戦略/製品の増殖/市場から 離れての漂流/遠く離れたリーダー/無味乾燥な文化/圧制的な構造/分断軌 道で生じる主要な変化/
第6章 各軌道の背後にある力 行き過ぎへと向かう勢い/極端の原因/リーダーシップ/文化/構造/プロセス/ 形状/イカロスの逆説/結論/
第7章 回避と方向転換 回避/方向転換/自社について調査すること/
第8章 四つの軌道を管理すること 下手な職人を目覚めさせること−集束軌道/リーダーシップと文化/戦略/ 創造的熟練工/帝国主義者を整理統合すること−冒険軌道/リーダーシップ と文化/戦略/帝国を取り囲む/現実逃避者に基本を教えること−発明軌道/ リーダーシップと文化/戦略/現実への脱出/漂流者を中心に置くこと−分 断軌道/リーダーシップと文化/戦略/斬新で焦点を絞った状態を維持する こと/
エピローグ−結びとして /補遺 研究の背景と方法 /社名索引