- カプコン capcom / キャビア cavia
- プレイステーション2
- 2001.9-2002.9
- サウンドディレクション、楽曲製作
- 効果音
- 比較的細かい仕様をこちらで用意し、実際の製作はT's musicにお願いした。
- クオリティーはもちろんの事、作業の早さは特筆すべきであった。ムービー関連のスケジュールが非常に厳しくなり、MAの作業日程に多大な影響が出ると予想したのだが、結果的には遅れを吸収するほど作業がスピーディーだったのには驚いたと同時に大変助かった。
- プレイヤーの入る部屋ごとにリバーブ量を切り替え、部屋の大きさを音でも実感させるようにした。この仕様の実現にはキャビア小林氏製作のオリジナルサウンドドライバーが不可欠だった。これに加え、部屋鳴りの音(空調音などの環境音)を鳴らす事により大変効果的に音響演出をする事が出来た。
- 各モンスターのモーションへのサウンドのタイミング指定のみ自ら行った。モーション数は少なくなかったが、極めて丁寧に音付けをしていった。例えば腕を振る場合、腕を振る音という一つの音のみをあてるのが通常だが、腕を振る前のタメの音、振っている間の音、振り終わる瞬間の音、とメリハリを付けて作り上げていった。この作業により、T's musicが製作した質の高い効果音を、より一層生々しく響かせることが出来た。
- 楽曲
- べったりと楽曲をかけず、要所要所でかける曲付けにした。
- 前述の環境音やリバーブ量をより実感させる理由もあるが、それ以前に楽曲が流れっぱなしであると、現実感が薄まり、結果として恐怖感を弱める、という考えがに基づいて。
- 全てソフトシンセによる製作。
- PPG wave2.v、Pro52(53)、Halion、Model-Eの常連セットに、フリーウェアのVSTシンセを使い始めた。特に多用したのはCheeze Machine。ストリングスアンサンブル風な雰囲気が心地良い。
- この頃から全て1台のPCで完結する製作スタイルの、作業に対する没入感が大変気に入ってきた。
- 特に様々なエフェクトを試すということが全く苦にならないので、結果的にオリジナリティのある音作りが実現出来た。
- ところでよく言われるソフトシンセの平板感についてだが、簡単に解決するにはソフトウェアで構わないので歪み系のエフェクトを通してあげると効果的である。空気が入る感じ。PC内部で完結せずに一旦アナログで外に出す、というのと目標は似ているのだがこちらの方が手軽。
- 若干優等生過ぎたかと思うが、全体の統一感も含め、楽曲の独特の心地よい手触りは評価できる。
- 一番気に入っているのはセーブ部屋の曲。「緊張感の中の安堵感」をテンションがかったコード展開で表現した。その後これをボーカル曲にアレンジ、主人公のボイスを担当したラジ氏に歌ってもらいスタッフロール用に作成したのがHero Never Dieである。ちなみにこの曲名が先に決定し、その後、ゲームタイトルに引用される事となった。
- 但し残念ながらクライアントの意向により別のタイアップ曲に差し替えとなった。元楽曲の素晴らしさに加えゲーム全体を見据えたサウンド演出であったので大変残念であった。
- これほど深くゲーム本体に関わったプロジェクトは初めてであった。これもスタッフに恵まれたことによるところが大きい。また、ゲーム作りにおける周りのスタッフの重要性をあらためて認識した。
佐野電磁業務履歴
最新の20件
2022-03-09
2005-03-21
2007-11-08
2008-06-23
2005-03-21
2007-11-08
2005-03-21
人気の10件
- counter: 2878
- today: 1
- yesterday: 0
- online: 1