賈ク - sangokushiss

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プロフィール †

賈詡　字：文和

かく　字：ぶんわ
（生年～没年）
涼州・武威郡

曹操配下の謀臣のひとり。
元々は董卓に仕え、その後に張繍の元にいた。
官渡の戦い前に曹操に投降してからも数々の献策を行ったこの時代でも有数の策士。

＊詡の字は「ごんべん」に「羽」。

正史 †

197年宛城の戦い
- 曹操の立てた計略を逆手に取り、虚誘掩殺の計を献策。
  曹操軍撃退に成功。
200年官渡の戦い
- 袁紹と曹操の決戦を前に曹操に投降する。
211年馬超・韓遂の乱
- 馬超と韓遂が起こした、渭水の乱においては、曹操と韓遂が旧知の仲であることを利用し、離間の計を画策。
  見事、馬超に猜疑心を抱かせることに成功し、二人の仲を引き裂き、魏軍を勝利に導いた。

演義 †

Pick Up †

「三国時代の“渡り鳥軍師”」 †

賈詡は無名の家に生まれた叩き上げである。
まず地元の将軍である董卓に仕え、彼が滅びた後も諸事情で曹操配下になるまで使えるべき主を次々と鞍替えしている。
そのような現実主義的な面が当時から儒学者には目のコブだったのだろう。彼は色々な面で批判されている。
後にどちらかといえば客観的な陳寿は「彼は陳平（高祖に仕えた策士）に匹敵する」と高く評しているが、
正史の注釈者・裴松之には散々にこき下ろされているし、孫権の元に行った使者が彼を曹操を支える軍師の筆頭の一人として挙げたら孫権に大笑いされたという話も残っている。

「慎みを伴う“権変”」 †

賈詡の謀略や機転は慎重かつ確実なものが多い。
ある時、役人を辞めて故郷に帰るとき乗っていた馬車が異民族に捕まった。
とっさに自分は異民族討伐で有名な将軍の親族だと名乗り、彼だけが殺されずに済んだという。

また、ある武将に仕えていたとき彼は何を思ったか妻子を残したまま張繍のところに仕官しようとした。
疑問に思った者がその事について尋ねてみると、
彼は「今私が使えている将軍は私の才能や名声に怯えている。このままいたらしてやられるのは目に見えている。今張繍は良い軍師を探しているし、もし私が彼のような大きな勢力に入れば報復を恐れるから私の妻子も手荒に扱われないだろう」と言った。

曹操に「後継者は誰が良いか？」と問われた時も何も答えず、
その事について問われると「他の人について考えていたものですから」といい更に問われると「袁紹と劉表の事です」と答えた。
彼等は長子を後継者に立てずに死後に国を滅ぼす要因を作った。つまり、直接言うと押し付けがましいので暗に「長子がいいでしょう」と言ったのである。
実際曹操もこの言葉を聞いて大笑いし、曹丕を後継者に立てている。

他にも常に家の門を閉じてこれといった人付き合いをしなかったり、子供達も名も無き家と婚姻させている。
彼こそ正に乱世を生き抜くための機転を備えた者だと言えよう。

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