劉禅 - sangokushiss

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プロフィール †

劉禅　字：公嗣

りゅう　ぜん　字：こうし
（生年～没年）
荊州新野

蜀漢２代皇帝。劉備の嫡子。
劉備が劉表のところへ身を寄せていた頃に生まれた子供である。
母親が妊娠中に北斗七星をのんだ夢を見たところから、幼名は「阿斗」と名づけられた。

正史 †

208年長坂の戦い
- 戦場に取り残されるが趙雲にすくわれる。
222年劉備死去。
- 蜀漢２代皇帝に就任。
263年魏に降伏。

演義 †

蜀漢２代皇帝に。
魏に降伏。
- 魏での宴会の中で
  「蜀が恋しくはないですか？」と聞かれるも、「いやいや、ここは楽しい。蜀が恋しいとは思いませぬ」とさらりと答える。
安楽公に。
死去。享年65歳。
- この時までのんびり暮らしていた。

Pick Up †

「魏の宴席で」 †

演義で、劉禅の見せ場(？)といえば、降伏後の魏での宴会の場面だろう。
魏の臣が「ここでは蜀が恋しくないですかな？」と、質問したのに対し、
「いやいや、ここは楽しい。蜀が恋しいとは思いませぬ」と、さらりと答えた。
この答えには、さすがの魏の臣も、亡き孔明に哀れみを感じたという。
さらには、家臣に「次聞かれた時は、“蜀が恋しい”と言って泣いてください」と言われ、そのとおりにいったものの、涙が出なかった。
魏の臣に、「そう言えと言われましたか？」と聞かれ、「その通りです」と素直に答え、流石の司馬昭もあきれかえってしまったという。

「暗愚の代名詞」 †

演義や現在の中国では、彼の幼名「阿斗」は「愚か者」などの、侮蔑の意味で使われることがあるが、正史にはそのような記述は一切見られない。

恐らく、演義作者である施耐庵あるいは羅貫中が話を面白くするために付け加えたものなのか、
あまりにもあっさりと降伏した劉禅に怒りを覚えた民がそういった作り話をしたのか……
理由は定かではないが、宦官である黄皓によって、霊帝と同じ状態（酒と女の日々）にされていたようではある。

降伏後、劉禅は安楽公として、65歳まで、のんびりと余生を過ごしたという。
65歳ということは、晋王朝が開くまで、生きていたということである。
だが、劉禅の名前はこの後、歴史書のどこにも見当たらない。
平和に生まれ、平和に生き、平和に死んでいった劉禅。
人は彼を暗愚の主と呼ぶが、
彼は戦国というイビツな世界に（それも、英雄と称される劉備の息子として）生れ落ちた、ただの哀れな凡人だったのかもしれない。

劉禅