夏侯惇

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プロフィール †

夏侯惇　字：元譲

かこうとん　字：げんじょう
（生年不明～220年）
予州沛国の人。

魏の武将。曹操の従兄弟であり随一の腹心とされる人物。
曹操の旗揚げ以来、曹魏を支え続けた。
呂布との戦いの中で左目に矢を受けてしまい、引き抜いた矢といっしょに出てきた目玉を飲み込んだというエピソードで有名。
従兄弟である夏侯淵と区別する為に『盲夏侯』*1とあだ名されていた。夏侯惇はこの事をコンプレックスに思い、鏡で自分の顔を見るたびに怒り、鏡を投げ捨てていたという。

正史 †

演義 †

14歳の頃、師匠を侮辱した相手を斬る。
曹操の旗揚げに参加。
呂布との戦い
- 途中で左目に矢を受けてしまう。
  引き抜いた矢の先についた自分の左目を飲み込み、そのまま戦った。
200年関羽千里行
- 逃亡する関羽が曹操の妨げになるとして追撃。
  ５関突破されたところで追いつき、戦いを挑む。
  打ち合っていたところに張遼が曹操から「門番殺害を不問に処する」との知らせと通行手形を持って到着し、両者の仲裁に入った。
  これにより、勝敗は水入りに終わる。
208年博望坡の戦い
- 諸葛亮を追いつめるために新野に攻め込んだ。
  そのとき、趙雲を追い込むために博望坡の奥まで進軍、火計にあって大敗してしまう。
- 大勢の兵を失った夏侯惇は、自らの体を縛り、処刑覚悟で曹操と対面する。
  しかし、曹操はそれを咎めず許した。
220年死去。

Pick Up †

「盲夏侯」 †

最も知られている「呂布との戦いで左目を飲み込んだ」というエピソードだが、実は正史にこの記述はない。
夏侯惇の勇猛さを示すために、後世の人が作り上げ、演義に組み込まれたというのが定説となっている。
しかし、夏侯惇が戦傷によって左目を失明していたというのは事実。

現代以上に容貌が重視されていたこの時代、隻眼となっていた夏侯惇が鏡を投げ捨てるのも頷ける。

「不臣の礼」 †

曹操の腹心中の腹心ともいえる存在で、
車への同乗や寝室への出入りが許されるなど、「不臣の礼」をもって遇された。
また、曹操配下では唯一漢王朝の官職に就いており、朝廷での立場は曹操と同列であった。

のちに、夏侯惇自身がこの立場を辞している。