劉表の継室。史実では蔡瑁の次姉であり、演義でも同様だが吉川英治版ではなぜか妹とされている。
正史では劉琮の妻も蔡一族の娘とされるが、彼女と劉琮に直接の血の繋がりがあるかどうかは不明。
また姉が黄承彦の妻になっているため、諸葛亮とも遠い親戚になってしまうと言う、なかなかに姻戚関係の複雑な人物である。
劉琮を後継者とするべく劉琦をしきりに讒言していたことは『後漢書』にも記述があり、
これだけを見れば後継者問題に介入して状況を混乱させた悪女と取れるが、
正史では韓嵩が曹操の使者に赴いた後、献帝から官位を賜って帰還したことで劉表が激怒すると、
これを諌めて処刑をとりやめ投獄に留めさせており、陰謀ばかりの人物ではないようである。
演義および吉川英治版・横山光輝版では、物語の簡略化のためか劉琮の実母であると明言されており、劉琦を推す劉備の敵対者という立場が明確になっている。
蔡瑁らの劉備暗殺計画にも積極的に関与し、また劉表が没すると遺言を捏造して劉琮を後継者とし、劉琮や蔡瑁ともども曹操に降伏する。
曹操は劉琮に新たな任地を宛がったが実際に地位を与える気は無く、任地へ向かう劉琮を于禁に襲撃させて暗殺してしまい、同行していた蔡氏も息子共々無残な最期を迎えてしまう。
劉琮が青州刺史に任命されるのは史実通りだが暗殺のくだりは正史にはなく、あくまで悪役が因果応報の末路を辿ると言う物語上の演出である。