人物紹介 / 董卓


董卓

後漢王朝末期、一般に三国志と言われる時代の最初の覇者。
三国志序盤における最大の悪役とされており、正史でも「史上最悪の暴君」と書かれている。
実際、彼が行ったとされる傍若無人の数々は、反董卓連合に攻められ長安へと撤退する際に洛陽を焼け野原にしたことをはじめ、正史に記されているだけでも枚挙に暇がない。
貨幣を改鋳して粗悪な銭を流通させたことで超インフレを引き起こす(恐ろしい事に、その後唐の時代になるまで安定した通貨は430年近く作られなかった)など、政治的手腕の面でも疑問は多々残る。

しかしこれでも若い頃は義侠心にあふれる人物だったようで、羌族の顔役が訪ねてきたときは耕牛を潰してまでしてもてなしたり、并州の反乱軍を討伐した功績として贈られた絹を全部部下に与えたりしていたことが知られている。
また暴勇・暴虐一辺倒ではなく知略や悪知恵もよく回る人物だったようで、
・異民族に敗戦しそうになると魚捕りのふりをして川を堰き止め、自軍を脱出させてから堰を切って追撃を断つ
・洛陽入りした時は小勢だったが、夜間に兵を外に出して何度も入城させることで大軍に見せかける
・宦官と親しかった何苗(何進の弟)に反宦官派の武将をぶつけて殺害させ、まんまとその軍勢を吸収する
・後漢末期屈指の文人である蔡邕を筆頭に、数々の名士を招聘・厚遇し人心掌握を計る
・「聡明だから」という理由で献帝を擁立し、廃した少帝を敵対勢力の旗印にされないよう殺害してしまう
などの記録や逸話も多く残されている。
こういった点も踏まえて近年では再評価も始まっており、稀代の暴君とカリスマ的大豪傑の二面性を持つ『蒼天航路』の董卓をはじめ、各種創作でも従来の董卓像とは少し違う描かれ方をすることが増えている。

権力を手にしてからは自ら戦場に立たず贅の限りを尽くしたためか、凄まじい肥満体になってしまったようで、呂布に殺され晒された遺体のへそに蝋燭を灯した所、体の脂肪で三日三晩燃え続けたという。
民間伝承ではさらに続きがあり、後に長安に攻め入った李カク・郭シは董卓の屍を埋葬しようと考えた。
臍に火を付けられ散々蹴られた董卓の死体は酷い有様だったが、2人が棺に納めて葬ろうとするが雷が棺に落ち、董卓の死体はバラバラになる。
その後も2人は何度か死体を棺に納めようとするのだがその度に雷が落ち、ついに董卓の死体は集める事も出来ないほど粉々になってしまったという。

横山光輝版では細身の悪徳政治家という、一般的なイメージとは全く違った姿で描かれている。
執筆当時は中国との国交が回復していなかったため、まともな資料が入手できなかったことが主な原因と言われる。
横山本人は同氏の作品である『バビル二世』に登場する悪の帝王ヨミをイメージしていたとのことで、アニメ化の際に「董卓の声は大塚周夫(ヨミの声優)がいい」とコメントしている。

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