「仲権」という字から想像できる通り(※)夏侯淵の次男だが、演義では兄の夏侯衡が登場しないため長男とされる。
※兄弟の長幼の順に字を付ける場合があり、長男は「伯」、次男は「仲」、以下「叔」「季」「幼」などと続く。
本作では蜀と魏の二勢力で登場する。
魏帝・曹叡の代まで孔明の北伐に対していた魏の将軍としての時期と、
曹爽と司馬懿の権力争いの影響で、魏から蜀へ亡命した蜀の将軍としての時期があるためである。
フレーバーテキストにある「従妹の娘」とは張皇后、および姉の敬哀皇后のことであり、2人の母は夏侯月姫、
そして夏侯月姫は父親である夏侯淵の姪=従妹(いとこ)という関係。
亡命しながら厚遇された背景としては、このような血縁関係も大きかったとされているが、
夏侯月姫(夏侯氏)の存在が魏視点の史書にしか見られないため、近年はこの血縁関係を疑う説も存在する。
(夏侯一族の祖は劉邦の功臣・夏侯嬰ということになっているため、漢の正統を自称する蜀で名門として重用される理由に
ならないことも無い)
演義では夏侯一族の若手として長坂の戦いに参戦し、張飛に挑みかかるも川に突き落とされ撃退されるのが初出。
その後しばらくまるで出番がないことから、長坂で登場するのは同姓同名の別人とも言われる。
長坂では同じ場面で夏侯傑(古いゲーマーの方にはアーケード版天地を喰らう2で見覚えのある名であろう)という
全くの別人が登場していたりもする。
コーエーの『三國志曹操伝』では、夏侯傑の顔グラフィックが『三國志孔明伝』の夏侯覇の顔グラフィックの使い回しに
なっているが、両者の関係性を知ったうえで使い回しを敢行したのならばセンスがあると言えるのではなかろうか。