爆竜戦隊アバレンジャー：第25話 開運！アバレ絵馬

『爆竜戦隊アバレンジャー』第25話 開運！アバレ絵馬

自由と秩序、というのは今読んでいる「ローマ人の物語」の中のフレーズなのですが、いくらなんでもジャンル飛びまくりだろ、とは思うんですが。
これが当て嵌まらないことって、我々の知る範囲内ではないじゃないですか。
およそ永遠に生きている限り保ち続けなきゃならんのですよ、バランスを。
そこに悩みがあるかないか（障害があるかないか）は別として。

なんでそこまで固くなれるかっちゅーくらい固い書き出しですが。

主人公、、、もとい、赤のりょーが君の言動は変わっていない。
出てくる怪人の大味さも変わっていない。
“願い事”がさて、深刻かというとそんなこともない。
やっぱり、アバレキラーが特に悪いわけでもない。


しかし、特撮、戦隊モノとは思えないような雰囲気の重さでした。
そーいうふうにこの番組が最初から始まったわけではけしてない、解決が「取って付けたようにしか見えない」とか本気で言ったら、慰められそうな勢いですよ。
もうちょっと冷静に生きろ、これはね、子ども向けなのよって。
頭の弱い相手を宥めるよーに言われるのが関の山でしょう。

でも、取ってつけたようにしか見えない。
あんな解決じゃ、なんだか可哀想じゃないですか。
だったら、だったら願いは聞き遂げられることなんてなくて、「それでも諦めてはいけない」ってりょーが君が言ったほうが、多分荒川サン（脚本）が最初に考えていた筋のほうがよっぽどすっきりした。
大人だからそー思うんじゃなくて。
子どもだってそう思うでしょう、つーか、子どものほうが、そーいうままならないことには敏感なんじゃないですか。


アバレキラーが悪いわけじゃない。
彼は今回、なに一つ悪いことなんてしていない、単に逃れようのない「現実」を突きつけただけで、事態の芽は、下手をすると番組の外、リアルの世界のほーにあるかもしれんくらいなんですよ。
≪社会派≫だネ、とかいう呼び方なんかはしたくない。

「じゃあ、足の速いだけの子どもは可哀想じゃないのかよ！」

って、何度か聞いたことがありますよ、それ自体が可哀想なんじゃない。
でもそーいう子がいるかもしれないのは、裏ぼんやりとでも認識が出来る、そしてその子たちが苦しいと思うのだとしたら、その原因は「思いやり」のせーで。

可哀想だという認識そのものが、ヒトを抉るというのは、どんなに軽くてもなかなか笑うことは出来ません。
泣いても、それでも悪で、理不尽だと言い立てたら自分が「思いやりのない無慈悲な人間なんだ」というのは、どれだけ些細なことでも息苦しいと思うんですよね。


願い事を叶える「とりのいど」が現れて。
ヒトが絵馬に願い事を書くと、それが必ず叶えられる、という展開。

斬新とか言ったらさすがに殴られますが（言いません；）、ラストの、小学生の子に限らず、なんとなく見ていて気持ちのいいものではなかったです。
「お金欲しい」「好きなヒトと結ばれたい」「世界一周旅行がしたい」「交通事故がなくなって欲しい」ってねぇ、悪いことではないよね、別に。

それだったら１０話のお金で全てを解決しよーとする人間になってしまう、て展開のほうがよっぽど問題だったと思うし（あれを気分悪いというヒトは寝ましょう、脳が疲れてます）、ひどくコミカルに、大雑把に処理されているのに笑えなかった。
画面の中でどんなに愉快なことをしていても、まるでこちらの感情を汲まず、ただ振り回されているよーにしか思えなかったんですよね、どうしてこんなに印象が離れてしまうんだろう。

軽い気持ちだったんだから、そんなに追い詰めないで欲しい、なんてことをなんでか思ってました。どうしてそんなふうに感じるんだろう。


「足が速いしか取り得のない」小学生の子が。
順位を付けることを止めてしまった運動会をなくして欲しい、という願いをして、怪人が学校を壊し、実はそれが幻だった、という（あの機能の特別モードがアレ？！）展開に、良かった、、、やっと展開が不条理になった、と安心した辺りなんてもういくらなんでも深刻にすぎますよ。
でもコレきっと、感じるのは私だけじゃない。
皆が必ず感じるとは言いませんが、誰でも、少しはわかるようにすら思う。

どうしてそんなふうに感じるんでしょう。
なんでりょーが君が、私情で戦っているよーにしか見えなくなってしまったんだろう、戦い以外は、前のまんまなのに。
言ってることは、ちゃんと正しいままだと思えるのにな。