新選組！：第１０回、いよいよ浪士組

『新選組！』第十回、いよいよ浪士組

三谷幸喜さんてぇ人はなんか多分、完全な「悪」を描かないよーな気もします。
もし描くのだとしたら、ピカレスクかなー？
つか、三谷さんのピカレスク見たいかも。

でもほら、これもたまにいる、「ウルトラマンと怪獣のどっちが好き？」かという命題を投げかけられた時に勢いよく「怪獣！」と選んでしまうガキでもやっぱりないよーな気がするんですよね。まあ可愛くないんだけど、場合によるとか両方とかそーいう返答なよーな気がするんですよ。
（どっちも好きじゃないのは単に空想嫌い）（そりゃ大人だ。）
（「大人」ではないよね、三谷さん。）

いや、なんの話かというと。
わらわらわらわら集ってきた浪士らと、その人数にうろたえる組織の取りまとめ役らと、交互に写すなんてぇのは。
始めて見たよーな気がするんですよね、時代モノでは。
ああ、今までなかった！　とか言ってませんよ。
だってドラマ自体の手法として画期的とかでないし、なんか愉快だし。


講武所の、松平主税介だか、上総介（かずさのすけ、漢字コレかな？）さんてぇ人は、今まで出てきた中で、数少ない完全な悪役じゃないですか。なんの咎もない近藤さんを取り立てよーとしておきながら、理由も説明せんとぽいッと物のよーに捨てたという。
あと、顔だけ出してた清川八郎さんかな？
これはヒュースケンさん暗殺を企てて、永倉さんに依頼してた人で。
こーいうふうな関り方になるとはちょっと予想もしてませんでした。

そもそも≪浪士組≫って信用できるかなぁ？

みたいなところから話は始まります。
とにかくお国の役に立つんだ！　と逸る近藤さんに、皆付いていくところまでは決めたものの、そもそもその所属するところの保障はどーなんか、と。
山南さんは、うーん、頭いいけど見る目はいまいちっぽい。
≪浪士組≫を立案した清川八郎は、永倉さんも関ったというほどでもないけど、一応会ってはいるんですが「暗い、なに考えているかわからない」との言。

まあ、異国要人の暗殺計画に関っていたとはいえ、今回は内容が警護なのでその辺はまあ置いておくとして（という感じの近藤さん）。
他にも後ろ盾がいますよ、という話になって。
「松平上総の介さまです」「松平主税の介なら知っているが、、、」（彼にはこっぴどく振られたわけですよ、うんうん）。


で、「かずさのすけ」さんに会いに行ってみたら。
「ちからのすけ」さんが改名してたんだそーです。

でもまあ、とりあえずやる気のよーです。
「浪士は血気盛んなもの、それを利用しようとなさるのならば、お慣れになったほうがよろしいかと思います」という近藤さんの言葉にもなるほどと頷いてくれました。
とりあずまあ、後ろ盾としての背景は持ってはいます。
（誰でも思うでしょーが、地位低くても佐々木さんがいいです、ハイ。）

なのでまあ、とりあえず面々が参加を決めて。
説明会に行ってみたらば、そこには予想を遥かに越えた人数が集まっており。
裏方は「支度金５０両」が用意しきれずおろおろしていました。
「あれ〜、、、っ」って！　年配の俳優はさすが違うな！！
なんかちょっと可愛いと思っちゃったよ、あんな設定状況なのに！！！


そのくらいならまあ、目当てはお金じゃないしね。
（道場の生計はどう立てているのでしょうか、いつも気になる。）

沖田くんの参加をどーするかとかそんな話も交えつつ。
前髪を落とすって、一般視聴者に意味わかるんですかね？　とか。
「私はもう大人です！」という言葉にちょっと体が斜めってみたりしました、いえいえいえいえ、不埒なことはけして、、、っ（否定するな、つか書くな）。

いやね、覚悟の美しさを描く回だと思うんですよ普通。
≪浪士組≫結成の思惑やら、まあいわゆる政治的暗部の無責任振りにスポットを当てるのならばそれはまたそれで。両者を交互に写して、美しさを際立たせる、と。


そんなふーになってはないっスね。明らかに全く違う。
近藤さんらの決意も、先の見通しも、どこか甘く（しかし状況を見ればそれも仕方がないよにも見える）し、裏の意図も思惑も、なんとなく間抜けで誰か一人、とんでもない「悪」の考えたことなんかではなく。
様々な思惑やら、軽率、安請け合い、過剰な期待なんかの偶然掛け合わさって出来た、なんつーかうーん、、、「現実」ですよね。

こういうものだけがリアリティ、というわけではないですけど。
コレをそう呼ぶのはあんまり差し支えないよーな気もします。