仮面ライダークウガ：EPISODE 16　信条

『仮面ライダークウガ』EPISODE 16　信条

ちょっと話が前後するのですが、ええと確か、先生の回だから、、、１２話かな？
いや、それ自体がどうってわけじゃなくて、一条さんと五代クンって別れの挨拶しないなー、と気になったことがありました。てーか、よく考えたら、そのまま椿さんのところに治療やら診察に引き摺っていく時以外、会話すらない。

まあ、戦い以外の作戦会議みたいのもたまにやってるみたいですし。
その時はなんかしらあるとは思うんですけれど（そこまでいくと不自然だし）、毎回戦いが終わったあと、なーんもなしに別れてくんですよね。
うん、単に一条さんが画面に写ってないからだろー、と一旦は思ってみたんですが、この人、五代クンが相手を撃破したあと、必ずふっ、と笑うんですよね。

これがまた、ちょっと意味合いがわからない。

ていうか、約束に遅れるみたいな時なら、それこそあれだけ生真面目な一条さんなんだから、謝るなり労うなりあってもいいと思うんですよね。
そりゃ、五代クンは全速力で駆けてっちゃいましたけど、遠くから一声くらい掛けてもいいじゃないですか。
んでやっぱり、写ってないわけじゃないんです、見送ってるんです。
ちょっと不思議な、三日月を倒したみたいな目の表情をしながら。
（この顔、格好いいとか奇麗とかじゃないんですけれど、なんか今は好きな表情です、苦悩の顔なのかな、とちょっと思いますが、なんか苦悩の形が人と違うふうに「描かれてる」みたいで本当のところはよくわからない。；）


一条さんって、五代クンにとって「戦い」で、そりゃ特撮の中だから命の危険とかは感じにくいけれど、本当はいっつも危うい。
それこそ、相手の命はいつもなくなってるわけじゃないですか。
殺し合いじゃないですか。

「なんかあったら呼んで下さいね」

って、こっちは、五代クンの言葉のほーはあまり記憶に自信がないのですが、多分これも始めてに近い。教えて下さい、みたいな形だったんじゃないかと思うので。
なんかちょっとそーいうの考えてしまったら、嫌だなぁと。

上手く言えねぇんですがね。ごめんなさい。
誰かにとっての危険や死の入り口になるって、私なら辛いです。すごく。


んでもって、その辺が過労で倒れちゃったおかーさんとか、それでも帰ろうとしない一条さんとか。それを悲しく思う、笹山ちゃんとか。けろっと、「お母さんの病院、電話８時までですよｗ」とか言っちゃう五代クンとか（どうやって調べた；）。
お母さんの倒れたことを教えてくれた笹山ちゃんと顔を合わせた時に、目を逸らしちゃう一条さんとか。

そもそも、なんの前触れもなく、ほとんど大した情報もないのだろうに自分のお母さんのことを口にした五代クンに、驚く様子すらないところとか。

ああ、周囲の思いや愛みたいなものは、けして気付いてないわけではないんだなぁ、となんとなく思いました。まるでないものみたいに、全部扱ってますけれど。あのポーカーフェイスも得意そうなキレーな顔で。


わかりやすい「家族」なんていうテーマのわりには、ありふれた話のわりには、信じられないくらい迂遠で遠回しで、ある意味で臨時の狂言回しめいた役割を担っていた笹山ちゃんも、自分の父親が警察官で、家庭を顧みてくれなかったのだという思いを過去を抱えて。
一条さんと重ね見てしまうのに、それを告げようとはしない。
そもそも彼女は、直接は一条さんを責めていませんよね。

替わりに。
同じように、違う形で一条さんを案じている、榎田さんに思いを告げたことと。あとは本当に気付くか否かの一瞬、一条さんが顔を逸らしたことくらい。


その、８時の２分前に仕事を終えて。
多分、２分も話さなかったんでしょう。彼ら親子は。

ああ、どことどこが絡まっているんだろう、どのように解釈すると「妥当」なのかな、上手くまとまるのかな、と思いはするんですけれど、ちょっと解きたくない。
いやむしろ。

意地っ張りの「強がり」さんが、やっぱりお母さん大事で電話しましたよ。

というふうにほとんど要素だけで見たとしても、全然劣ってないというか、あれやこれやと細かい細かい演出に気を取られちゃってるのって、ひょっとして負けなのかなとも思ってはみるんですが。
私はこーゆーふうにしか見れませんのよ。
まあもう、それもそれでいいやね。しゃあないね。


良かったね、笹山ちゃん。
皆、一条さんみたいに馬鹿みたいに強くも真っ直ぐでもないんだから、弱さや優しさくらい期待してもいいじゃないねぇ。ケチ。ｗ