Macchina / 2012-10-09


Macchina

First impression

第一印象って大事だと思う。慣れてくると印象ってかわっちゃうから当初感じたことを書き留めておかないと忘れちゃうんだよね。あとでどんなふうに感じていたか?って思い返したり、思い返したいと思ったりするでしょう? (;´Д`)ノえーっ しない? 俺だけかな。まぁいっか。

乗った直後の印象

  • GIANTのESCAPEに乗った時ほどゴツゴツ感は何故か感じなかった。
  • 軽い! (特にフロント)
  • シートが低い
  • ハンドルが高い
  • もっとハイギアードにしたい
  • ギアチェンジに戸惑う
  • ESCAPE試乗のときその有効性を感じたコンフォートグリップだったが、要らないんじゃないか?

一息ついてからの印象

  • 車重の軽さを第一に求められるのが分かった気がする。
  • (走っている時や町中で見る)他の自転車を意識するようになる。
  • シティサイクルとはスピードの"乗り"が違う。
  • スピードを求めるのも分かった気がする。もっと早く走りたくなる。
    • そう思うともっと早い(=高価な)自転車を欲するのは自然の成り行き。だが、結局はスピード=脚力なので、多分早い(高価な)のに乗り換えても、多少の変化はあるにせよ、それがコストに見合うかは分からない。
      ただし、気持ちの上では高価な自転車に乗っているという満足感は高いと思われる。実利と気持ち、何方により重きを置くかで変わってくる要因だと思われる。
  • フロントサスペンションは必要なかったと再認識。正解だった。
    • しかし、もしフロントサスペンション付きのクロスに乗っていてもそれはそれで正解だと思ったはず。
    • ただし、サスがあれば車重増は免れないので、乗り込んでいくうちに重さが気になるようになる気がする。
    • 道交法上自転車は車道を走る事になるので、歩道と車道の段差を往復する機会は殆ど無い。また、シティサイクルに比べて軽快に走ることが出来る故、軽快に走ることができる車道を選んで走る様になってくる。故にフロントサスの必要性は無くなる。

冷静になってからの印象

走っている間は車よりも歩行者や他の自転車の方が注意を向けるべきだと実感。車は道交法をそれなりに守っているので動きが予想できるが、歩行者や特に自転車は殆ど道交法を守っていないので動きの予想が出来ない。故に注意が必要だと実感。

Mistralで正解だと思ったが、ESCAPEだったとしても正解だと思ったはず。シティサイクルからの乗り換えではどちらがどうだ?という明確な違いは分からないだろうし、また価格帯から行っても恐らく団栗の背比べなのだろう。この価格帯の自転車なら気に入った自転車を購入するのが一番だろう。
また、もう少し高価な自転車(10万円弱)の方が良い(当たり前だw)とのアドバイスは各方面からあるのだが、それは確かに正しい。しかしながら、シティサイクルからの乗り換えの場合、最初に5万クラスや10万クラスのに乗り換えたら、シティサイクルとの違いは明確にわかるだろうが、5万クラスと10万クラスの違いは分からないだろう。何方かのクラスに暫く乗っった後、両者を乗り比べると明確に違いを認識すると思われる。あぁ、やっぱりコストが掛かっている分違うね、と。

諸先輩方・店員のアドバイスは確かに正しい。シティサイクルからの乗り換えでは5万クラス10万クラスの違いは感じ取れないだろう。趣味にはステップアップの楽しみというのがある。私は最初に5万クラスを乗って慣れ親しんだ後に10万クラスに乗り換えてその違いを感じ取る、それは確かに最初から10万クラスに乗るのと比べてコスト高だが、趣味で乗るならステップアップを楽しむのは一理あると思う。

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おまけ(VT理論)

その昔バイクといってもオートバイの話だがホンダのVTという250ccのV型2気筒エンジン搭載のモデルが人気となって爆発的に売れ本当にアッチコッチでよく見かけた。当時はバイクブームで特に中型が人気だった。中型の上限400ccクラスも人気だったが如何せん車検が2年毎にあるので維持費を考えると250ccがベストだったというのもあった。しかし、250ccではその排気量から明らかのように400ccにはスピードなどの動力性能で劣る。
そこで400ccキラーいや750ccキラーとも言える250ccの2stの出現があった。250ccの2stはレースの世界でも同クラスがあって市販車はブームもあって必然的にレーサーと同じようなバイクが多く生まれた。最終的に250cc2stはレーサーレプリカというよりも保安部品を取れば即レースに参加できるようなモデルにまで進化*1したのであった。

そんな250ccクラスの中で大人気だったVTは4st。どうしても2stには性能的に劣る。時代はレプリカブーム。やがてVTは人気がどんどん落ち込んでいってあまり目にしないようになっていった。



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今でもそうだが当時も雑誌ではサーキットにおける比較がよく行われた。冷静に考えればサーキットで走る機会よりも圧倒的に公道での機会が多いわけだから意味はないのだが2stがレーサーレプリカという事もあってサーキットでの比較が日常的に紙面を賑わしていた。
初代VTはたしか38ps位だったと記憶している。2代目も40psくらいだったか。それに対して750イーターとして名を馳せた350の250cc版であるRZは45psと業界自主規制ギリギリ、いや実際にはもっと出ていたであろうが、少なくともカタログ表記上は45psだった。VTとRZをサーキット走行でのタイムを測った巻頭カラー特集をみたことがあるが、単純にラップタイムから言うとレプリカのRZよりもVTの方が速かった。解説ではピーキーなエンジン特性のRZに対して素直な特性のVTの方が結果的には好タイムを叩きだしたとのことであった。
確かに当時のRZはまだ本当に初期のもの*2で完全に乗り方をマスターするのも難しかったと思われる。その後の2stレプリカの進化は先書いたようにどんどんエスカレートしていった。VTの後の4st250は4気筒があたりまえとなり2万回転などというとても信じられないような回転で45psを絞り出してそれら2st勢に対抗しようとしたが、もうどう見ても2stには勝てないのであった。

当時初心者はVTをチョイスする機会が多かった。また、それを揶揄する諸先輩も多かった。いずれもっと速いマシンが欲しくなるとか。4st400と一緒にツーリングにいってもついてくのがシンドイとか。大杉とかw 確かにそれらの意見は正しい。しかし、だからといってVTがダメバイクというわけではない。先に書いた通りRZより速いことも実際にあったのだ。いや、そんなことよりむしろ日常シーンではVTがベストと言って良いだろう。だれもがサーキット走行のように早く走る・走りたいわけでもないし。

昨今も中年バイクブームとかで、免許改定の件もあって若者より多少は裕福な中年ライダーは大型バイクをチョイスするらしい。そんな中その昔教習車としてどこでも見かけた今では絶版のCBX400Fourがプレミアムがついているらしい。状態が良ければ100万とかw 当時は教習車ということで馬鹿にされ素性は良かったと思うが人気はなかった。CBX400がどうして人気があるのは分からないが、けして当時でも高性能というわけではなかった車種が今でも人気があるというのは興味深い。CBXとVTは日本のバイク界おける歴史的な一台と言って良いはずだ。

VTにしろCBXにしろその当時は性能的におとる故、また初心者がチョイスすることが多かったために馬鹿にされるようなバイクだったが、今振り返ってみると肩肘張らずにのれる素直なバイクだったように思える。きっとそれは正しい。

バイク=自転車もきっと同じだと思う。今は性能的に劣るからねぇーと揶揄されるような車種でもきっと後年再評価されると思う。今はロードバイクブームだ。みんな高性能な車種に目が向く。マスコミも高性能車種を特集する。blogにもその高性能ぶりが褒め称えれる。でもそんな世間の声等は関係ない! 何時かきっとあとでESCAPE R3って素直でコスパも高いし良いバイクだったよねぇってなる時が来ると思う。だからもしESCAPE R3やMistralをバカにするようなコメントがあっても気にしない事だ。


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以上、所謂初心者向きをバカにしてはいけないと言う『VT理論』でした。お粗末さまでした。


*1 そして今では排気ガス規制の件もあって2stは事実上市販車から消え去った
*2 その後デバイスの進化とともに扱いやすく且つ速くなっていった