大陸中央部の南側を占める種族混成の「簒奪制」王統国家。
“穴”戦争?の最中に王位が簒奪された、一番新しい国である。
元々ベルカンドは温暖なだけが取り柄の格別特徴のない国であった。“穴”戦争?においてもゼランよりは遅く、イオスよりも早いタイミングで参戦し、それなりに領土を拡大しようとしていた。
しかし、ベルカンドの侵攻は予想外の事態で停滞し、それどころか撤退せざるを得なくなる。何処からか現れ食客に収まっていたドロウの剣士が王族を皆殺しにし、そのまま王座に収まったのだ。
彼はベルカンドに敷かれた王制を嘲弄し、強いものが支配すれば良いと言い切った。そして血統だけで能力のない貴族を処断し、ゴブリノイドをベルカンドに招き入れた。よく言えば平和、悪く言えば腐っていたベルカンドはすぐに荒れ果てたが、能力さえあれば地位も金も手に入ると知ってたくさんの荒くれ者が集まった。
国内争乱で後手に回ったため戦争での領土拡張こそほとんどしていない*1ものの、ベルカンドはすぐに次の争乱を起こせるような力を保持したまま虎視眈々と状況を見ている。
簒奪者たるドロウの剣士はオケアノス?と名乗っており、自分を殺したものに王権を譲ると書いた念書を王座の上に掲げていると公言している。