パルクールの醍醐味のひとつともいえる、「自作ビデオのネット公開」。
自分の技を、全世界の人々に向けて披露することは、様々な勉強にもなる。
しかし、「イマイチやり方がわからない」「ビデオがない」という人が多いのは残念である。
ここでは、動画をネット上に公開するまでの一通りの説明をしていきたい。
まずは、撮影に必要なビデオカメラ。
もっとも好ましいのは、普通の家庭用ビデオカメラ(DV)で撮影することである。
ケータイの動画機能で撮った動画は、拡張子も一般的ではないし、画質もひどく、動画編集もほとんど出来ない。
デジカメのビデオ機能は、最近のデジカメなら十分な画質を持っている。容量の関係で、
長時間撮ることは出来ないことが多いが、パソコンに取り込んで編集できるため、ケータイよりは使える。
デジカメでもDVでもそうだが、画質の設定は必ず最高画質にすること(DVの場合はLPモードではなく、SPモードで撮る)。
高画質なものは、後で画質を下げることが出来るが、画質が悪いものを良くする事は出来ないからだ。
その分録画時間が短くなってしまうが、それはテープを複数本持ち歩いたり、大容量のSDカードを2、3枚持ちあるくなどしてカバーしよう。
DVで撮ったものや、デジカメで撮ったものをパソコンに写し、動画を編集していこう。
DVの場合は、パソコン接続用のケーブルと、取り込みためのソフトがビデオカメラに付属しているので、説明書などを参考にしてパソコンにとりこもう。
デジカメの場合は、デジカメを外部ドライブとして接続したり、SDカードなどを直接パソコンに繋げたりして、「エクスプローラ」からパソコンに移動すれば良い。
そうしてパソコンに取り込んだものを、動画編集ソフトで切り貼りしていけば良い。
もっとも簡単な方法は、Windows付属の「ウィンドウズムービーメーカー」を使う方法。複雑な編集は出来ないが、パソコン初心者でも直感的に操作が出来る。
編集した動画をネット上に公開する方法はいくつかある。
どのやり方でも共通することだが、動画本体のサイズが大きすぎると、アップロードできなかったり、見る際に読み込みに時間がかかったりする。
簡単な方法として、ウィンドウズムービーメーカーの場合、動画をコンピュータに保存するウィザードで、「広帯域用ビデオ (512Kbps)」という設定で保存すれば、そこそこの画質で、そこそこのファイルサイズになるのでお奨めだ。
1と2の方法は、基本的にアップロードするだけなので特に説明は要らないだろう。
3の方法が、2006年辺りから主流となってきている方法だ。
動画共有サイトの中ではYouTube?がもっとも一般的で、多くの人に見てもらえる可能性が高い。
また、2006年6月からは日本語で利用できるようになったので英語ができなくても安心して使える。
使い方についても検索すれば、沢山のページで説明が出てくる。
YouTube?以外にもYahoo!ビデオキャストやニコニコ動画などのサイトがある。
まずは説明書を熟読し、グーグルで検索。
それでも分からなかったら、2chのスレなどで質問しよう。
その際、必要と思われる情報を正確に書くこと。
例えば、ビデオカメラから動画の取り込みが上手くいかない場合は、
などの情報は最低限必要だ。(答える側の身になって、必要な情報を考えよう)
「○○という検索ワードなどで検索してみたのですが」など、
自分が調べたことも書いておくと良い。
DVDやHDDに録画するタイプのものは、miniDV(テープに録画するもの)と比べると画質が落ちてしまうため、お奨めしない。
(もっと言えば、DVDはこの先流行らない、HDDは衝撃によって壊れやすい)
最近ハイビジョン画質で録画できるビデオカメラが出てきたが、ネット上で公開する場合、元の画質でアップすることは無いので、ハイビジョン画質である必要性はない。
具体的にお奨めの機種、というのは、新商品が出ればすぐに変わってしまうので、
人の意見を聞くよりも、自分で店頭にあるものを触って、使い心地などを見て買うのが一番良いであろう。
高画質でも、チンタラ駆け回ってるだけのビデオよりは、
ケータイ画質でもレベルの高い動きをしている動画のほうが良い筈。
内容で勝負。・・・でも、買えるなら何かビデオカメラを買ったほうがいい。
スケボーの動画はかなり多いが、最近パルクールの動画にも使われるようになってきた、「広角・魚眼レンズ」。
普通の広角レンズは、市販のビデオカメラとはレンズ径が合わなかったりで全然使えない。(DCR-VX2100のような、業務用に近いしっかりしたビデオカメラを持っているなら別だが)
そこで、レイノックスから発売されている、「QC-505」と「QC-303」をお奨めする。
家庭用ビデオカメラでも使えるサイズで、ヨドバシカメラ等で4000円〜5000円程度で買える。(レイノックスのサイト)
QC-505の方は0.5倍、QC-303は0.3倍で、QC-303の方が歪んだ映像になる。
ビデオカメラ側の設定で、マニュアルフォーカスにしておかないと、ピントが合わないので注意。また、ズームは基本的に殆ど出来ない。
デジカメの場合は、機種ごとの広角レンズが売っている場合もあるが、安上がりな方法として、ドアスコープをレンズの前に貼り付ける方法だ。参考:キッチュレンズ工房
簡単な編集なら、フリーソフトを探せば沢山のソフトが見つかる。
製品のものとして、Adobe After Effects、Adobe Premiere、海外では人気のVegas、マック用でFinalcutなど。
After EffectsとPremiereの違いは、こちらを見てもらえば分かるが、要するに、After Effectsは「素材を作ったり、素材に効果を乗せる」ためのソフトで、Premiereは「素材を並べてひとつの映像を作る」ためのソフトである。
After Effects で効果を付けた動画を作り、Premiere でその動画を並べて編集していくのが、ポピュラーなやり方のようだ。
滑らかスローモーションには、二種類の方法がある。
プロダクションレベルの作品作りでは、アナログフィルムで4倍〜8倍程度の高速度撮影をしておき、
さらに編集にもTwixtorを併用することでスムーズなスローモーションを得ている。
wmv形式の動画は、音がズレたりすることがある。「TMPGEnc」(フリー版で可)というソフトで、AVI形式(DivXがお奨め)に変換したものをアップロードすれば、音ズレはなくなるだろう。