プリセラピィ


プリセラピィ

  • ぷりせらぴぃ
  • pre-therapy

プリセラピィ(Prouty,1976)とは,「接触(contact)」を確立し維持する能力に障害があるクライエントとのカウンセリングのために考案されたクライエント・センタード?の理論であり,方法論である。ここで核となっているのは,ロジャーズ治療的パーソナリティ変容の必要十分条件6条件のなかの第一条件「二人の人が心理的に接触していることが必要である」(Rogers,1957:96)であり,プリセラピィではその重要性を強調し,さらにそれを展開することでパーソン・センタード?の理論と実践にオリジナルな貢献をしている。 「接触」は幅広い概念であるが,?クライエントが現実(reality)と接触する能力,?他者(other people)と接触する能力,自分自身の情動を伴った自己(affective self)と接触する能力からなり,また,?一連の治療的反射,すなわち接触反射?治療が起こるために必要な一連の心理的機能,すなわち接触機能(contact function)?接触機能が発展した結果クライエントに現れる行動である接触行動(contact behavior),理論上この三つの水準で心理的接触は記述される。 プリセラピィは,精神病と精神遅滞という二重の診断をもつ人々や急性精神病,慢性分裂病,多重人格の人々,危機介入などに適用されている。

  • 参考・引用文献
  • 諸富祥彦? 監訳 2000 パーソンセンタードカウンセリングの実際ーロジャーズのアプローチの新たな展開ー? コスモスライブラリー
  • 村瀬孝雄?村瀬嘉代子?編 2004 ロジャースークライエント中心療法の現在ー? 日本評論社
作成:松尾(20041007)編集:坂中(20041008)