知らざあ言って聞かせやしょう


書誌データ

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  • 読み:らざあいってきかせやしょう
  • サブタイトル:心に響く歌舞伎の名せりふ
    • 読み:ころにひびくかぶきのめいせりふ
  • 著者:赤坂治績
  • 出版:新潮新書
  • ISBN:410610024X
  • 刊行:2003年7月20日
  • 価格:680円
  • キーワード:歌舞伎セリフ?

目次

  • はじめに
  • 第一章近松門左衛門
    • この世の名残、夜も名残【曽根崎心中?
    • 鬼は都にありけるぞや【平家女護島?
    • 思い切っても凡夫心【平家女護島?
    • 魂抜けて、とぼとぼうかうか【心中天網島?
    • 女同士の義理立たぬ【心中天網島?
    • 不義になって貸してくだされ【女殺油地獄?
  • 第二章竹田出雲?並木千柳?三好松洛?
    • 出合う所が百年め【菅原伝授手習鑑?
    • せまじきものは宮仕え【菅原伝授手習鑑?
    • 腹が減っては出来ぬもの【義経千本桜?
    • 恋と忠義はいずれが重い【義経千本桜?
    • 馬鹿ほど怖いものはない【仮名手本忠臣蔵
    • まだ御料簡が若い若い【仮名手本忠臣蔵
    • 色に耽ったばっかりに【仮名手本忠臣蔵
    • 魂魄この槌に留まって【仮名手本忠臣蔵
    • 十六年は一昔、アア、夢だ夢だ【一谷嫩軍記?
  • 第三章近松半二?菅専助?文耕堂?・・・・・・
    • 死んでも褒美の金が欲しい【鬼一法眼三略巻?
    • 負うた子に教えられ【近江源氏先人館?
    • 道も法も聞く耳持たぬ【摂州合邦辻?
    • わたしも女子の端じゃもの【桂川連理柵?
    • そりゃ聞こえませぬ伝兵衛さま【近頃河原の達引?
  • 第四章並木五瓶?奈河亀輔?瀬川如皐?・・・・・・
    • 花待ち得たる今日の対面【寿曽我対面?
    • 間夫がなければ女郎は闇【助六由縁江戸桜?
    • 絶景かな、絶景かな【金門五三桐?
    • お腹が空いてもひもじゅうない【伽羅先代萩?
    • 死ぬるを忠義ということは【伽羅先代萩?
    • しがねえ恋の情が仇【与話情浮名横櫛?
    • 花魁、そりゃあ、ちっと、そでなかろうぜ【籠釣瓶花街酔醒?
  • 第五章鶴屋南北
    • 世の中よっぽどひねって来たわえ【桜姫東文章?
    • 雉子も啼かずば討たれまいに【浮世柄比翼稲妻?
    • 思えば思えば、ええ恨めしい【東海道四谷怪談?
    • 首が飛んでも動いてみせるわ【東海道四谷怪談?
  • 第六章河竹黙阿弥
    • こいつは滅多に死なれぬわえ【小袖曽我薊色縫?
    • こいつは春から縁起がいいわえ【三人吉三廓初買?
    • なるほど世間は難しい【三人吉三廓初買?
    • 知らざあ言って聞かせやしょう【青砥稿花紅彩画?
    • 問われて名乗るもおこがましいが【[[青砥曽根崎心中?
    • 恨みがあるなら金に言え【勧善懲悪覗機関?
    • 闇があるから覚えていろ【曽我綉侠御所桜?
    • こいつは宗旨を替えにゃあならねえ【船打込橋間白波?
    • 人は見掛けによらないものだ【島鵆月白波?
    • 呑んで言うのじゃあございませんが【新皿屋舗月雨暈?
  • 付章 歌舞伎の台本とせりふ
  • あとがき
  • 参考文献(台本収録本)

感想

  • 買った日:
  • 読んだ日:2006年7月16日〜2006年12月17日
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MEMO

  • 歌舞伎の「髪梳き?」は元来、男女の性愛の表現として使われていました。奇才・南北はその髪梳きという伝統的表現手法を逆手に取って、男に裏切られた女が嫉妬の炎を燃やす表現に変換したのです。卓越した才能の持ち主と評すべきでしょう。(P.138)
  • 歌舞伎の「髪梳き?」の演技は、黒御簾?で、メリヤス?の「瑠璃の艶?菊の露?)」が独吟?で演奏される中で行われます。(P.138)
  • 四谷怪談?」の髪梳き?も、メリヤス?独吟?が演奏される中で行われます。(P.138)
  • このせりふ*1や「青砥稿花紅彩画」「浜松屋」の場の弁天小僧のせりふ(158頁「知らざあ言って聞かせやしょう」参照)のような、砕けて言うせりふ術を「厄払い?」と言います。厄払い(門付け芸人)の言い方に似ていることから名づけられました。(P.153)

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*1 「こいつは春から演技がいいわえ」