著者の林哲夫氏は、京都在住の画家だが、かたわら書物好きのライターたちの同人誌『sumus?』(同人には岡崎武志、山本善行、南陀楼綾繁各氏らがいる)の編集人として古書の世界では注目を集めており、坪内祐三氏、月の輪書林?、石神井書林?主とも交流がある。
日本文学はもとより、フランス、イギリス文学にも造詣が深く、ウイットに富む文体を駆使し、鋭い視点から、古書、古書店、装丁などに関するエッセイを発表している。
本書は、類書にありがちな古本自慢の物語ではなく、古書そのものはもちろんのこと、古書店主やコレクターなど、古本をとりまく人々の生態を、ユーモアを忘れない著者ならではの視点から活写している。
著者自身が古書の値段に一喜一憂する様子もこまやかに描かれていて、ほほえましい。また画家という仕事がら、古書に対してデザインの面から考察する独特の見方をもっている。
「古本で遊ぶ方法」「古本と出会う方法」「古本を読み解く方法」の三部構成で、古本屋との付き合い方を伝授する。熱き古本ウンチク満載、古本マニア待望の書。