歌舞伎の愉しみ方


書誌データ

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  • 読み:ぶきのたのしみかた
  • サブタイトル:
  • シリーズタイトル:
  • 著者:山川静夫
  • 解説:
  • 出版:岩波新書
  • ISBN:9784004311621
  • 刊行:2008年11月
  • 価格:735円
  • キーワード:歌舞伎

目次

  1. 歌舞伎を観に行こう
  • 初めて歌舞伎を観る
  • 人気髄一『勧進帳?』の見方さまざま
  • 「座」とは何?
  • 歌舞伎の三色の?は?
  1. 歌舞伎の約束事に参加しよう
  • 約束事のいろいろ
  • タイトルはさまざま
  • 観客と役者が握手をする花道?
  • 男が女になりきる「女形
  • 女形の華「傾城?
  • 同じ演目でも家系によって演じ方が違う「?
  • 楽屋内の時間の合図「?
  • 目の前でたちまち場面を変える「廻り舞台?
  • 妖怪変化が不気味に出現する「スッポン?
  • 実際には音のしないはずなのに音を出す「ツケ?
  • 美しい男女の逃避行「道行?
  • 舞踊に使う檜の「所作舞台?
  • 見えていても見えない「黒衣?
  • 持ち運び自由な「木戸?
  • いばった歩き方「六方?
  • 雪の場面にいつでも降る紙の雪
  • 遠くに見せる知恵「遠見?
  • 暗闇の中の手さぐり「だんまり?
  • 真似で笑わせる「おうむ?
  • 雨も降らぬのに必要な「歌舞伎の?
  • ごくろうさま「馬の足?
  1. 歌舞伎・「物」づくし
  • 時代物?世話物?
  • 曽我物?
  • 荒事?和事?の物
  • お家物?
  • デンデン物?
  • 近松?心中物?
  • 白浪物?
  • 怪談?変化物?
  • 松羽目物?
  • 新作物?
  1. 私の歌舞伎の愉しみ方
  • 下座音楽?で歌舞伎を愉しむ
  • 雪月花の舞台を愉しむ
    • 雪の舞台
    • 花の舞台
    • 月の舞台
  • 夏芝居?を愉しむ
  • 三大名作を愉しむ
    • 梅・松・桜の趣向を愉しむ『菅原伝授手習鑑?
  • 実は?」を愉しむ『義経千本桜?
  • “揃いの美”を愉しむ『仮名手本忠臣蔵
  1. いずれも様もごひいきに
  • ひいき?の愉しみ
    • いろけ?」について
    • いき?」について
    • 「いいマ」について
  • 襲名?」の愉しみ
  • 役者と観客が響き合う愉しみ
  1. あとがき

内容

  • 「BOOK」データベースより 歌舞伎は観客も立派な構成要素、感じるままに観ればいいのです。ただ、今の世の中、ちょっとした手助けで、愉しみ方はずっと深くなるはずですよ―一人の観客として歌舞伎を愛して半世紀、当代の見巧者が、知っておけばさらに愉しめる「約束事」の数々から名優・名舞台の息づかいまで、練達の筆で丁寧に紹介する。格好の入門書。

感想

  • 買った日:2008年11月22日
  • 読んだ日:2008年11月23日〜2008年11月26日
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MEMO

  • 判官贔屓?

    ちなみに、弱者に味方することを、よく「ホウガンビイキ」とか「ハンガンビイキ」といいますが、歌舞伎の『勧進帳?』の義経?をはじめとして一般にも九郎判官義経に味方することを「ホウガンビイキ」といい、また『仮名手本忠臣蔵』に登場する塩冶判官高定?(実説の浅野内匠頭?)に同情することを歌舞伎好きは「ハンガンビイキ」といっています。

    P.13

    • 花魁?の傘

      歌舞伎で吉原仲之町?花魁道中?の場面はおなじみですが、この時に使う傘は長柄の大きなもので、若い者が花魁のうしろからさしかけます。これは、京都の島原?大坂の新町?江戸の吉原?など、官許の遊郭の花魁に限って用いられたものと聴きました。

      このことによっても、「傘をさす」という行為のぜいたくさがわかります。そして、歌舞伎の舞台の美しさは、傘によって引き立つ部分が大きいことを感ぜずにはいられません。

      P.93

      • 歌舞伎の?

        歌舞伎の舞台の二人立ちの馬は、すでに三百年以上も前から使っていたようです。元禄十七年版の浮世絵草紙?に、後足の役者がこれも商売だから仕方がないとあきらめつつも人知れず涙を流している記述があり、「されども馬になりて乗せる者と、また乗る者とは、大分のちがいぞかし」と同情しています。

        舞台の馬が小道具の係りというのも面白いですが、時代とともに“馬の足”をつとめる役者の体格が大きくなり、小道具も進化しました。

        P.95

        • 勧進帳?

          天保十一年(1840)三月、江戸の河原崎座?で『勧進帳?』が初演されましたが、これは、当時の市川海老蔵?のちの七代目市川團十郎が、能の『安宅?』をうまくアレンジして語る講釈師たちが高座で大うけにうけているのに目をつけ、それなら歌舞伎に仕立ててみようと思いついたものです。海老蔵は、狂言作者の並木五瓶?や、講釈師の燕凌?とか南窓?というような、いろいろな人たちと相談し、安宅の関?富樫左衛門?が、陸奥に落ちようとする義経?弁慶?一行のために情けをもって通行を許す芝居に仕立てあげたのです。振付けは西川扇蔵?、作曲は杵屋六三郎?でした。

          P.136

          • 松羽目物?の起源

            この『勧進帳?』は大当りとなりました。そして、この舞台で使われた舞台装置が、能舞台をそっくり模した“松羽目?”だったのです。

            P.136


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