器材とくに重器材は購入したほうが良いのか、レンタル器材で済ますのか永遠の議論です。
このサイトの特性からいけば、一回のレンタル費用と購入費から何回で元がとれるかを計算するところです。物の価値というのは金額だけでは判断できません。個人の価値観と満足度に左右されますので、計算結果だけで決まるものではありません。
海のそばに住んでいて、自家用車で港まで行けるような環境でもない限りレンタル器材のほうが便利というのが持論です。筆者のように毎週潜るダイバーだからこそ器材を担いで移動する負担が身に染みています。筆者の器材バッグは20kg近い重さがあります。これをアパート出口から港まで運ぶのは一苦労です。タクシーを使っていても積み下ろしや移動は発生します。空港では荷物を預ける手間があります。そしてターンテーブルでピックアップする待ち時間も無駄です。ダイビング後の器材メンテナンス(洗浄)も時間がかかり、ダイビング後の食事にありつくのはいつも最後になります。定期的なオーバーホールも金銭的負担となります。
年に一度しか潜らないダイバーであれ、毎週潜るダイバーであれ、マスクだけ持参して潜りにいくのが気楽です。とはいうものの、自分の器材をそろえることは、日々の苦労を超えるメリットがあります。このメリットをどの程度重要視するかが購入するか否かの判断基準です。
スキル向上の観点からいくと自分の器材が一番です。器材により体積と重さが違います。これにより適正ウエイトもかわってきます。比重の小さい(水中で浮きやすい)素材を使っているBCDやフィンの場合、ウエイト量が増えます。BCDにより2kgくらいの差があります。良いBCD(高いBCD)は水中では中性浮力になるよう浮力素材をできるだけ使用しない傾向にあります。レンタル器材(廉価版のBCD)はこの逆です。せっかく適正ウエイトを実測しても器材がかわれば調整が必要になります。1本目を潜ったときに「いつもは大丈夫なんだけど、今日はウエイトが軽かった」という原因は器材の違いによるところもあります。自分の器材を持ち、自分の器材での適正ウエイトで潜ることでストレスのないダイビングを実現できます。
ストレス面ではマスクとフィンの合う、合わないは個人差が大きいです。レンタルマスクだと毎回ストラップの強さを調整する必要があります。自分に合うマスクのポジションとストラップの強さをみつけるのは上級者であっても数本潜る必要があります。フィンも脚力により合う、合わないがあります。何より本当はストラップが好みなんだけど、フルフットしか準備していない、あるいはこの逆というケースもあります。希望のサイズを他のゲストが使っており、サイズ違いのフィンを使うことにもなりかねません。ダイビングサービス側も全サイズ、何本も用意するほどの余裕もありません。
心理面を考えます。自分の器材を持つということは精神的満足度を満たしてくれます。お買い物をする楽しみが増えます。次はどんな小物を買おうかと考えます。他人が使う器材にも興味がわいてきます。器材について調べることも増えてきます。そしてそれがダイビングへの知識へとつながります。物欲、知識欲の両方が芽生え、ダイビングそのものへの興味が高まっていきます。より充実したダイビングライフをおくるきっかけになります。
安いものでよいので一度器材をそろえてみることをおすすめします。ダイビングがより楽しくなります。