チタン製器材はどの程度価値があるでしょうか?
各メーカーともに上位機種としてチタン製レギュレーターをラインナップにそろえています。チタン製レギュレーターに関してはさまざまな三流記事があふれています。それをひとつづつひも解いていきます。
まず、チタン製レギュレーターは発火しやすいので危険だ。これは事実ですが、レジャーダイビングでは気にする必要はありません。そもそもレジャーダイビングでは高濃度の酸素を使うことはありません。ナイトロックを使う場合でもせいぜい36%とかです。販売店がナイトロックスは高濃度なので専用レギュレーターが必要、というセールストークをすることがありますが、これと同様大嘘です。たかがレジャーダイビングで使うナイトロックは通常のエアーと同じ扱い、同じ器材で問題ありません。テクニカルダイバーは100%の純酸素を使うので、チタン製どころか、器材選びは慎重になります。しかしながらレジャーダイビングにおいてチタン製の危険度は無視してかまいません。
次にチタン製はさびにくいのでオーバーホールは二年で1回で良い。これは嘘です。さびにくいのは事実ですが、だからといってオーバーホールの頻度を減らして良いというわけではありません。器材はすべてがチタンでできているわけではありません。消耗品であるシリコンは定期的に交換する必要があります。中圧値をはじめとする調整はオーバーホール時の大事な作業です。2年も放置したらズレてしまい正常な吸い心地が保たれません。よってチタン製だからといってオーバーホールをさぼっていいわけではありません。
チタン製は傷ついたときに高くつく。確かにチタンは高い部品ですが、傷がついたところで動作に支障はありません。そもそも破損してしまうようなケースは、まずないです。タンクの下敷きにしてしまったような場合は修理ではなく、新規購入でしょう。
最後にチタンは軽い。これは事実です。そしてこれだけがチタン製の唯一のメリットです。それが金額に見合うものなのか、それは個人の価値観です。