RegulatorRecovery


レギュレーターリカバリー

 水中で人は生きていくことはできません。タンク内のエアーを使い呼吸する必要があります。当たり前のことです。この当たり前が重要です。ダイビングではレギュレーターがその重要は役割を担います。たとえタンクの中にエアーが残っていても、セカンドステージをくわえていなければ呼吸することはできません。水中でセカンドステージを口から外し、バブリングをしているガイドや他ダイバーを見るとカッコ良いと思ってしまいます。たとえ他人の姿がカッコ良くても、セカンドステージは何があってもくわえたままにする。これが鉄則です。それでも意図せずに口から外れてしまうことがあります。ホースが何かに引っかかった、他のダイバーに蹴られたなどです。口から外れてしまったセカンドステージを安全に口に戻すスキルがレギュレーターリカバリーとレギュレータークリアになります。
 心理状態が落ち着いていれば1分や2分は呼吸を止めることができます。いきなりセカンドステージが口から外れてしまったときに落ち着いて行動できるダイバーはどのくらいいるでしょうか? びっくりすることと思います。セカンドステージを口に戻してもレギュレータークリアを忘れ、海水を飲み込んでしまいます。水中で海水が肺に入ったら、いっきに心身ともに混乱します。「落ち着いて対応しましょう」と上手な人は言いますが、落ち着いて対応できるくらいならパニックにはなりません。パニックになる要因を排除することが大事です。筆者は予備のセカンドステージ(通称オクトパス)をレギュレーターネックレスを使い喉のすぐ下にぶら下げています。セカンドステージが口から外れてしまうのは不可抗力や事故であったとしても、すぐに首下にあるオクトパスをくわえることができるようにしています。まずはオクトパスをくわえて呼吸を確保したうえで、ゆっくりとメインのレギュレーターを見つけるべくレギュレーターリカバリーをおこないます。レギュレーターネックレスなんて面倒くさいし、初心者みたいでカッコ悪いと人は言います。他人からどのように思われようが、いつでも確実にセカンドステージを口にすることができる安心感を考えると人の目など気になりません。
 オクトパスの話が出ましたので、予備のセカンドステージの話を少しします。ダイビング器材の中でもっとも使われない器材が予備のセカンドステージになります。最後に水中で使ったのはいつなのか覚えていますか? ダイバーによってはオープンウォーターの講習以来、一度も手にした(口にした)ことがないかもしれません。しかしながら予備のセカンドステージには重要な役割があります。バディとエアーを共有するのはもちろんのこと、メインのセカンドステージの調子悪くなったときの代替として使います。例えばマウスピースに亀裂が入った、吸えなくなったなどです。重要な役割があるにも関わらず、ダイバーによってはBCDに固定することなく砂地を引きずったり、珊瑚にぶつけたりしています。いつの間にかに壊れていることもあります。予備のセカンドステージが必要になるときは、水中でエアーが吸えないという緊急事態です。このようなときに予備のセカンドステージが故障していたらどうなりますか? 間違いなくパニックになります。たとえ日ごろは使わない器材であったとしても、正常に動作することの確認は欠かしてはいけません。水中でぶらぶらさせるのではなく、BCDに固定します。レンタル器材にせよ、自分の器材にせよ、1本目の潜航では潜航直後に水中での動作を確認しておきます。これを確実に実行できているダイバーは1%もいません。呼吸に関わる器材トラブルや突発事象は他の問題とは違い海面に戻る前に水中での一時対応が必要になります。海面に戻るスキルを有していても、唯一、これだけは水中対応が必要になるスキルです。レギュレーターリカバリーに自信がなければ躊躇することなくレギュレーターネックレスをつかいましょう。セカンドステージが行方不明になることはありません。

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