NoMask


マスクなし潜水

 マスクの中に水が入ろうが、マスクがなかろうが、水中で死ぬことはありません。このことを理解すればマスクが外れることを怖がる必要はありません。しかしながら見えないこと、視界がぼやけることは大きなストレスであり、恐怖心を生みます。テクニカルダイビングの講習では、すべてのスキル講習をマスクを外した状態でおこないます。視界がぼやけ、ストレスがかかるなかであっても、手順を間違えることなく冷静にトラブル対応する訓練をします。
 テクニカルダイビングのインストラクターからは「ダイビングの最初から最後までマスクがなくても大丈夫なスキルが必要」と教えられました。すなわちマスクなしで潜航し、エクジットするまでマスクを使わない潜水です。視界はおろか、ダイブコンピューターの表示も読み取れません。水深もわからなければ、経過時間もわかりません。それでも安全にダイビングができることを求められました。水深は光の加減と耳で感じる水圧でわかります。視界がぼやけるといっても、まったく見えないわけではありません。岩や珊瑚、バディの存在くらいはわかります。ちなみに沈船ペネトレーションの訓練では、もっと恐ろしい真っ暗闇の閉所空間のトレーニングがあります。何となくの景色がわかれば潮の流れを感じ取りナビゲーションもできます。テクニカルダイビングでは予備のマスクを持参するので、完全にマスクなしでいつまでもダイビングを続ける可能性は低いです。それでも万が一に備えて、この程度のダイビングは平気でできるスキルが必要と教えられました。
 マスクなし潜水のトレーニングは大きなリスクがともないます。海水には不純物が多数含まれています。エクジット後は目に炎症をおこし眼科のお世話になりました。人生に一度くらいはやっても良いですが、何度もするものではありません。

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