LeftOrRight


オクトパスは左それとも右

 オクトパスは左からだすのが正解なのか、それとも右側なのか。ときおり熱い議論となります。自分自身の予備のセカンドステージとしての目的を果たし、バディへのエアー共有にも問題がないスキルをダイバー自身が有していれば、別にどちらでもよく、ダイバー自身の好みだというのが筆者の持論です。しかしながらもう少しこの問題を分析し、回答をみつけることにします。
 セカンドステージには上下があります。上下逆さまにしてくわえると正常に動作しません。吸いにくかったり、水が入ってきたりします。バディにオクトパスを与えるときは上下正しい方向で渡す必要があります。本当にエアーが必要なときに上下逆さまにくわえると、バディはパニックになります。左からだせばバディに渡しやすいですが、自分がくわえるときはホースをひねる必要があります。右からだすと、この逆です。すなわちどちらからだしても問題があります。バディを優先するか、自分を優先するかです。講習器材やガイドやインストラクターの場合はオクトパスを渡すことが多いので左だし。一般ダイバーは予備のセカンドステージとして使うときにスムーズに使えるように右だしというのが一般的な解になります。
 ところが世の中便利なもので、AqualungにはABSという名称のセカンドステージがあります。ABSは特殊な構造と形状をしており、上下がありません。すなわち左だし、右だしの上下問題で悩む必要がないオクトパスです。これで解決です。
 ここでもう一つ考えるべき点があります。講習ならともかく、実際にバディにオクトパスを渡すときはバディがエアーを吸えないときです。そんなときに渡されたオクトパスが動作不良だったらどうなるでしょうか? 間違いなくパニックになります。かといって渡す前に動作確認する余裕もありません。確実に動作するセカンドステージ、すなわち自分が使っているメインのセカンドステージをバディに渡し、自分がオクトパスを使う手順のほうが理にかなっています。この点ではScubaproのAIRIIのようにインフレーター一体型のオクトパスは正論なのかもしれません。
 筆者の往年のコンフィギュレーションはメインのレギュレーターがロングホースで、オクトパスがABSです。基本は自分がくわえているロングホース側のセカンドステージをバディに渡しますが、従来どおりオクトパスをバディに渡しても問題がないようABSにしてあります。ロングホースならば潜航ロープにつかまりながらの安全停止も二人して自由な体勢でおこなうことができます。これが筆者なりの回答です。

最新の20件

2023-09-10 2023-08-13 2023-07-29 2023-07-01 2023-03-18 2022-12-22 2022-12-18 2022-11-10 2022-09-13 2022-08-10 2022-02-27 2022-01-03 2021-12-26 2021-07-12 2021-07-01 2021-06-30

今日の6件

  • counter: 95
  • today: 1
  • yesterday: 0
  • online: 1