減圧症かなと思ったときの一時対応はすぐに船上で酸素を吸うことです。100%酸素がなければ、エンリッチドエアー(ナイトロックス)でもかまいません。酸素濃度の高い(窒素濃度の低い)ガスを吸うことで体内窒素の排出を早めます。減圧潜水では深度6m以浅で100%酸素を使うことで体内の窒素とヘリウムを徹底的に排出します。ある意味、レクリエーショナルダイビングより安全な体にしてから海面に戻ります。酸素は有害ガスであり、取り扱いに注意が必要です。規定の量以上吸わないよう気をつけます。詳しくはレスキューダイバーコースで学びます。
減圧症の判断は難しいですが、ダイビング後、すぐに症状があらわれるケースが多いです。まずは船上で一時対応します。船上で少しでも早く窒素を抜いておくことで重症化を避けます。その後、専門医の判断をあおぎます。治療費は海外旅行保険でカバーされるケースもあれば免責事項になっているケースもあります。筆者のおこなう減圧潜水は危険なスポーツに分類されてしまうので、DANの深度無制限の保険に加入しています。ハワイあたりでドクターヘリを呼ぶと破産しますので、保険の内容は確認しておくことを強くおすすめします。