Fin


フィン

 フィンは選ぶのがすごく難しい器材です。個人の脚力やダイビングスタイルによってかわります。フィンは万能ではなく得意分野と苦手な分野があります。少し詳しく説明します。
 いずれ再購入することを覚悟に、安いプラスティックフィンをひとつ買ってみるとよいです。初心者のうちは下半身がさがり気味になります。ラバーフィンのように重いフィンを使うとただでさえ下がる足がよけい下がることになります。レンタル器材は安いプラスティックフィンが多いです。購入をためらうのであればレンタル器材を使い続けるという方法もあります。マスクとフィンは自分にあったものを最初に買いましょうと勧められます。自分にあったものをさがすのが難しい器材なのに、いきなり購入できるわけはありません。いろいろ使い比べて、自分の脚力やダイビングスタイルがわかってから購入したほうが良いです。
 ストラップタイプにするかフルフットにするか、ブーツはハードにするか、ソフトにするか、それともソックスか、裸足か。これだけでも選択肢と組み合わせが多いです。一般にはビーチダイビングが主流ならばハードブーツを使うストラップタイプ。ボートダイビングならば、どちらでも良いと言われています。実のところ、漂流して岩にのぼったり島に上陸することもあります。ボートダイビングといっても、ビーチから小舟で移動することもあります。足の裏を保護するという観点からハードブーツとストラップタイプにしておいたほうが無難です。筆者はリスクと怪我を覚悟のうえ、裸足にフルフットを愛用しています。一体感を重要視し、フィンで感じる水の流れに敏感になりたいからです。
 次にラバーにするかプラスティックにするかです。フィンワークの基本は水の塊をとらえて押し出すことです。フィンの役割はこのかたまりを効率よくとらえて逃がさないこと、そして、脚力が負けてきたときはすこしづつ水を逃がすことにあります。ここが各社のノウハウであり、流体解析を真面目にやる必要があります。フィンというのはダイビング器材のなかで一番研究開発にお金がかかるものかもしれません。ラバーのほうが形成がしやすいので、ラバーフィンのほうが良いフィンが多いです。近年はプラスティックの形成技術も発達してきていますので、少しづつ興味ある製品もでてきています。ラバーフィンのほうが重いです。5mmのウェットスーツやドライスーツで潜るには気にはならないのですが、ジャケットだけで潜ると下半身に重量バランスが移動するので意識して下半身を持ち上げないと姿勢がくずれます。
 フィンの堅さに関しては日本市場では柔らかくてしなるフィンが良いフィンだと思われています。これは脚力とフィンがあっていないときに水を逃がしやすく、足に負担がかからないからです。そして疲れにくいからです。本来はきちんと自分の脚力にあった堅さ、大きさのフィンを選ぶべきであり、そうすれば特にしなる必要はありません。自分にあったフィンを見つけたあとだと、しなりすぎるフィンは思ったほど前に進まないことがストレスになります。
 フィンごとにも特徴があり、得意とする泳ぎ方があります。フィンの裏側全体で水の塊をとらえて、そのまま押し出すことが得意なフィンは煽り足向きです。とらえた塊をフィンの先っぽに向かって移動させ押し出すことが得意なフィンはバタ足やハサミのようなキックに向いています。良いと言われているフィンでも使い方を間違えると(不得意分野で使おうとすると)効率よく泳げません。残念ながら、これは使ってみないとわかりません。フィンのレビューでも、この点について議論されることはありません。
 大きさに関しては脚力のある方は大きくて堅いフィン、脚力のない方は小さくて柔らかいフィンとなるのが一般的です。じゃ、大きくて柔らかいフィンは、小さくて堅いフィンはどうなるのかと考え始めるとわからなくなります。経験上、幅広のフィンの方が煽り足がやりやすいフィンが多く、ロングフィンになればなるほど瞬発力をもって激流に逆らいやすくなります。
 おすすめをあげろと言われたら、GULLのミューのノーマルタイプからはじめるのが無難でしょう。使ってみて物足りなさを感じたらスーパーミューにするというパターンが日本人には向いていると思います。ミューはターゲットが完全に日本人になっていますので(日本人の)万人受けするようになっています。
 筆者が一番数多く購入した器材がマスクとフィンです。特にフィンは買ったものの、自分に合わなかったときは人にあげたり、何回か使って捨てています。フィンは好みがわかれる器材であり、自分にあうフィンを見つけたときは喜びもひとしおです。船上での話題になるので、フィン選びはできるだけ真面目に向き合って考えてみると良いです。

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