スクーバダイビングには数多くの楽しみ方があります。筆者のように深く潜ることや沈没船の内部探索を趣味にするダイバーもいます。多くのダイバーはオープンウォーター環境と言われる水中から海面が確認できる水深30mまでのレクリエーショナルダイビングを楽しみます。ここでは単にダイビングと記載した場合はレクリエーショナルダイビングをさすことにします。
ダイビングの世界に足を踏み入れるとき、最初はオープンウォーターコースと言われる講習を受けることになります。講習では厚い教本で理論を学び、プールや海では多くの実技スキルを学びます。その量はとても多く、数日の講習では教えることも習得することもできません。このことに多くのインストラクターが問題意識をもっています。しかしながら商業主義に偏りすぎているダイビング業界とダイビング団体はあらためる気配をみせません。時間内に終わらすため、少しでもできたら何となくできたことにするという流れで実際の実技講習はおこなわれます。学科も答えを教えてもらいながら、何となくわかったことにしてしまいます。
教える量があまりに多いにも関わらず、少ない日数と安い料金で講習をおこなっているためです。ダイビングをはじめるときに、本当にマスターしておかなければならないことは多くはありません。「知らないより知っていたほうが良いでしょう」「できないよりできたほうが良いでしょう」という考え方で講習カリキュラムが作られていることが問題です。ここでは本当に大事なことだけをピックアップして厚く説明します。
もうひとつの問題点はスキル講習が見様見真似になっていることです。スキルの理論を教えることなくインストラクターは「同じようにやってください」と見本をみせます。真似できれば習得できたことにします。これではスキルは身につきません。ダイビングのスキル理論はすべて論理的に説明できます。真似しただけでは決して上達することはありません。ひとつひとつのスキルを理論で分解することにより、「上手くいかない原因は何なのか」「どうしたら上手くいくのか」を頭で理解します。そして体で実践することができるようにすることがこのサイトの目的です。