体内組織といっても脊髄や骨や筋肉などいろいろあり、それぞれの体内組織で窒素を吸収できるスピードや吸収できる量が違います。窒素の吸排出の計算はそれぞれの体内組織ごとにおこなう必要があります。ダイブコンピューターのアルゴリズムでは8-16個の仮想体内組織(専門用語でコンパートメント)を定義し論理計算をします。あくまで論理モデルですの、ダイバーの状態を監視しているわけではありません。このためダイブコンピューターの計算結果と実際の体内の窒素状況には大きな誤差があります。
コンパートメントごとに吸排出のスピードやM値が違います。それゆえに水深(水圧)により窒素を吸収するコンパートメントもあれば、排出するコンパートメントもあります。同じ水深、同じコンパートメントでも、吸収済みの窒素量(分圧)によって排出することもあれば吸収することもあります。これは溶け込んでいる窒素の量(分圧)と水深(水圧)の圧力差によって吸収するか、排出するかが決まるためです。