胸毛にたまった水滴がきらきら光る。胸から下のほうへ、はっとするほどみごとに 締まっていく線を彼女の目はたどった。
ほんの数秒まえに彼女は手を彼の胸にあて、押して離れようとしたのだが、その手 は柔らかい毛の上にそのままおしあてられている。指先はその黒いマットの下にも ぐりこみ、肌に触れようとしている。
あの厚い胸にびっしり生えている毛を見れば、むしろライオンに似ている。
彼女の目はかれの胸にもつれている毛は認めたが、波立っている水に妨げられて、 彼のウエストあたりは確かめられなかった。
頭をほんの少し左に向ければ、気をそそるもじゃもじゃの毛に口が届きそうだ。誘 惑は強かった。・・・その口の動きを利用して、かれの胸をおおっている黒い毛の 信じられないほど柔らかい感触と味をこっそり味わったのだ。
バージニアは、あの人類のはじめのときの不幸なイブのように、ルーカスの胸のふ さふさとした毛のあいだからのぞいている小さなつぼみの魅力に抵抗できなかった。
彼女の口は休みなく動き、かれの胸の毛がVの字なりに狭くなり、水中に消えてい るところまでおりていった。
・・・爪は毛が生えてジャリジャリする胸を軽くひっかいた。
彼女の手はかれの胸を撫でまわし、指は柔らかい毛の感触を楽しみ、高まるうめき 声を口が吸い込んだ。
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