序盤戦略論


戦略論ページ

序盤戦略論

前提:どんな序盤戦略を選択しても村人側・人狼側が特別有利・不利になることはない。

これは、人狼ゲームにおける参加者各主体が序盤に目的とする最大利得の不一致に起因しています。
序盤戦略によって確定するのは中盤以降の推理のための基礎状況に過ぎず、どのような状況が最も望ましいか、というのは、参加者各個の得意とする方法論に依存しており、それは個人差のあるものですから、単純な関数で「どれが有利でどれが不利」という評価はできないわけです。
「どの戦略をとるか」ではなく「その戦略がどのような状況を得ることを目的としているか」また「十分機能させるにはどうすべきか」ということをまず考えてから、方針の選択について十分な議論をすべきです。

早期CO作戦と潜伏作戦に関する考察

序盤戦略を大別すると、まず能力者(占い師・霊能者・共有者/結社員)を2日目以前にCOさせるか3日目以降まで潜伏させるか、という選択肢で分類ができます。
それぞれメリット・デメリットがありますので、村人は作戦の主目的にふさわしい挙動をとるよう求められます。

早期CO作戦

喰われデコイ(ゲルト・アーヴァイン)以外の襲撃死がある3日目より前に、能力者がCOするような作戦を早期CO作戦と呼びます。
早期CO作戦の具体例として、慣習的な分類では以下のものが挙げられます。

  • 狩人/守護者以外全能力者初日CO
  • 初日共有者/結社2CO
  • 初日霊能者COで対抗が出た場合
  • 占い師/霊能者1~2日目CO

早期CO作戦には一般に以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
  1. 真能力者がCO前に襲撃死しているケースを完全に考慮対象から排除できる。
  2. 対抗COを誘い、狼側を表舞台に立たせることができる
  3. 能力者ローラーの開始日を村人側有利に決める事ができる。
  4. 騙りCOに関する狼側の相談時間を短くする事ができる。
デメリット
  1. CO者が多くなりすぎると狩人/守護者の守護対象範囲が広がり、抑止力のレベルが下がる。
  2. 真能力者が早期に襲撃される可能性が高くなる。
  3. 無能力の村人がグレーから襲撃される可能性が極めて低くなってしまう。
  4. 村人側の布陣が早期のうちに人狼側の知るところとなるので、議論をコントロールされやすい。

早期CO作戦の積極的な目的は対抗COを誘い、狼側をできるだけ多く表舞台に立たせることです。
早期に狼候補を表に出すと同時にグレーゾーンを絞り込み、灰の中から最後の人狼を見つける事に専念します。

早期CO作戦の場合の村人側の挙動
  • 村人が村人らしく振るまうことで、グレーの中の狼を当てやすくする。
  • 時限一斉COや共有者/結社員の確定トラップなどを用い、騙り能力者を出来るだけ多数表に出す。
    • 「一斉CO」や「共/結による騙りトラップ」の本来の目的は「能力者を確定させること」ですが、実際に確定することは稀であり、むしろ「能力者が確定するかもしれないプレッシャー」を人狼側に与えることで、より多くの人狼側を表に出す事が出来るという効果の方を重視すべきです。
  • 占霊は「主観視点で対抗偽確定」という情報を対抗が出た時点で得るので、それを元に対抗陣営の顔ぶれを推理し、グレーの中からステルスを探し出すため積極的に発言・質問するよう勤める。
    • 対抗した相手の信用を落とそうとする挙動は下策。「村人視点」での情報を増やすために協力する。
  • 狩人はGJを狙って狼の襲撃を読み、能力者、特に占い師を守る。

潜伏作戦

3日目の襲撃判定以降に能力者がCOする作戦について、潜伏作戦と呼びます。 潜伏作戦の具体例としては以下のものがあります。

  • まとめ役立候補制
  • 初日共有者1CO
  • 初日霊能者COで霊能者が確定した場合
  • 占い師/霊能者3~4日目CO

潜伏作戦には一般に以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
  1. 狩人/守護者の守護対象範囲を絞り込む事で抑止力のレベルが上がる。
  2. 人狼の潜伏能力者狙いのグレー喰いを誘い、一定以上の確率で無能力村人を襲撃させられる。
  3. 本国ルール(F国・審問)の場合、狂人誤襲撃を狼側に懸念させプレッシャーを与えられる。
  4. 本国ルール(F国・審問)の場合、狂人が人狼を推定する手がかりを減らす事ができる。
  5. 序盤の人狼側の情報量を少なく抑えることで、議論をコントロールされにくくなる。
デメリット
  1. 「真能力者が初回襲撃されている可能性」を完全には排除できない。
  2. 狼側に騙りCOに関する相談の期間を十分に与えてしまう。
  3. 初手の占い先割れについての対処を考慮する必要がある。
  4. 能力者ローラーの開始が4日目以降にずれ込み、手数が足りなくなる懸念がある。

潜伏作戦の主眼は人狼に無能力村人を(できればグレーのまま)襲撃させることにあります。能力者をおとりにしてグレー襲撃を誘い、喰い1手損をさせるのが潜伏作戦採用時に期待できる最大の成果です。
潜伏した能力者の3日目被襲撃率は、単純計算では早期COした場合よりもはるかに小さく、長期生存によって全自称能力者がCOするまでに確定情報を可能な限り引き出すことが可能です。
ただし、CO前に襲撃死したグレーが能力者だった可能性を排除できず、人狼側もその懸念を利用した戦略をとることが想定されますので、その点を考慮し続けることが負担になるのを嫌う人もいます。(この不安への打開策が、ninjin国の「投票CO」です。) 潜伏期間を長く設定し過ぎると、全ローラーの手数が足りなくなるのも潜伏作戦の欠点です。占霊いずれかはローラーせず決め打ちすることも覚悟すべきでしょう。

潜伏作戦の場合の村人側の具体的な挙動
  • 村人は能力者の潜伏中に能力者ブラフをかますことで、グレー襲撃の場合の襲撃対象を見誤らせる。
  • 能力者(狩人含む)は発言を中庸に抑えるなど村人っぽく振舞いステルスする。
  • 2日目までの能力者COは少数に抑え、人狼視点でのグレーゾーンを狭めないようにする。
  • 狩人はGJを狙わず、CO済み能力者を守護する。

狼側の対応策

狼側にとって一番の脅威は占い師です。占い師を早期COにするか潜伏させるか、という点が、狼側の序盤の行動を左右します。

対早期CO作戦
占い師が2日目以前にCOする作戦を村人側がとった場合、人狼側は騙り占い師の犠牲やGJ覚悟の上で、初手に真占い師を襲撃するべきです。 狩人/守護者が占い師のどちらかをかならず守っていると仮定しても、1/2で真占い師を序盤のうちに排除できます。 GJ1回では吊り手数が増えないので致命的な失敗ではありませんし、GJ後の発言から狩人を推定する手がかりが得られるかもしれません。 あわよくば「GJ覚悟であえて占い師を狙ってきた」ことを理由に、その日の占い対象に黒印象を植え付けることができるかも。 特に人狼側から見て真占い師が確定している状況(真狼)の場合、真占襲撃を躊躇する理由はありません。
対潜伏作戦
占い師が3日目以降まで潜伏する作戦を村人側がとった場合、初手の襲撃は (1)占い師を狙ってのグレー襲撃 (2)グレーを狭めないため占い先・確定白(共有者含む)襲撃 の2択になります。どんな作戦にしても、灰から占い師を喰える可能性はそんなに高くありませんから、通常は(2)が無難でしょう。 占い師以外の能力者(霊能者・共有者/結社員)が早期CO済みの場合は、騙りを出して守護対象を増やした上で狙っていくのも悪手ではありません。狼1と交換で真霊を初手で喰えれば、偽占い師は黒を出しやすくなります。

早期COと潜伏のバランス

早期COにしても潜伏にしても、狼側は結局そのメリットを崩しデメリットを最大に利用してきます。
なので実際には、早期COと潜伏両方の利点を補完し合うように組み合わせ、バランスよく能力者のCOタイミングを決める必要があります。

以下は

  • 本国(D国・審問標準編成)ルール・参加者15人、突然死なし
  • 人狼は最低でも1人ステルスする。
  • 共有者/結社員は騙らない。人狼側の共/結騙りもない
  • 占い師には必ず1人以上対抗(騙り)が出る。霊能者は確定する場合がある
  • 初手の占い先は能力者でも人狼でもなく白確定する。3日目の吊りは村人(ローラーは考えない)
    という前提での、3日目吊・襲撃状況のパターン考察です。3日目まで状況に大きな動きのない、一種の理想状態ですが「よくある状況」でもあります。
    2日目に占黒判定が出たり、3日目の吊りで占わず人狼を吊れた場合には大きく状況が変化しますので、以下の考察の対象外です。

被襲撃率は「人狼がその能力者を狙ってきた場合の3日目襲撃成功率」を意味します。

CO済み能力者の初手被襲撃率は、人狼が狩人/守護者の守護対象になっている能力者を狙って襲撃を試みた場合、狂人襲撃を回避し、かつGJも回避して真能力者の襲撃に成功する確率です。
狩人/守護者の守り先はCO済み能力者+白確定+占い先が均等に考慮されるものと仮定しています(実際には、狩人が考える優先順位によって偏りますが、便宜上)。
グレー喰いの場合の初手被襲撃率は、潜伏中の能力者を狙って狩人/守護者の守護対象以外の白(村人側・狂人)を襲撃してきた場合、村人や他の能力者を襲撃せずに狙った能力者を喰える確率です。

上の方は「潜伏作戦」系、下に行くほど「早期CO」系の序盤戦略ということになります。真ん中あたりはバランス型戦略です。
村人側から見れば、基本的に下に行くほど人狼を多く表に出すことができ、上に行くほど能力者を守りやすくなります。
人狼側から見れば、基本的に下に行くほど能力者(占い師)を襲撃しやすく、上にいくほどステルスしやすくなります。

(0)全能力者潜伏
守護対象2人。2日目時点・人狼視点での吊り先を除くグレーは9人。グレー喰いの場合の共有者/結社被襲撃率は2/9、占い師被襲撃率1/9、霊能者被襲撃率1/9。2日目までに表に出る人狼側は0人(狂人まとめ役の場合1人表に出ますが、それを確かめる術はありません。)
まとめ役が必要な場合には立候補制との併用が必須です。
村人側の利点は総じて序盤のCO状況を人狼側にコントロールされにくいことです。白確定に対する狩/守の抑止力が極めて高いことから人狼にグレー喰い選択を強いる事ができます。能力者各個について言えば初手襲撃される可能性がそれぞれ低く、「人狼に無駄な襲撃をさせる」という潜伏作戦の所期目的を達成しやすい布陣です。
人狼側の利点は「何らかの能力者をグレーから初手襲撃できる」率が比較的高いことです。村人側の利点と矛盾しているようですが、たとえば「占い師を喰われる率」は1/9でも「能力者(占・霊・共/結・狩/守)を喰われる率」は5/9です。喰われることが心配な能力者は、COせずに初手の占い先に立候補し、白確定して狩人/守護者のガードをつけてもらうという手もあります。
(1)占い師早期CO[霊能者&共有者/結社員両潜伏]
守護対象2人+占い師CO数(2~4人)=4~6人。2日目時点・狼視点での吊り先を除くグレーは7~8人です。占い師の初手被襲撃率は占い師騙りに狂人が含まれる場合3/8~5/12、狂人が含まれない場合3/4~5/6。グレー喰いの場合の霊能者被襲撃率は1/8~1/7、共有者/結社の被襲撃率2/8~2/7。2日目までに表に出る人狼側は1~3人。
占い師が確定することは無い前提なので、(0)と同様まとめ役立候補制との併用が必須です。
村人側の利点は、霊・共/結の生存率が極めて高いことです。占い師の対抗が少なかった場合には狩人ガードも占い師に集中するので抑止効果による生存も見込めます。
人狼側の利点は、人狼主導で状況を作りやすいことです。占霊どちらの騙りを狂人に任せて2潜伏というのが一般的ですが、逆に人狼側から騙りを2~3人出して狩人のガードを薄くした上で真占を即襲撃する手も考えられます。
(2)霊能者早期CO[占い師&共有者/結社員両潜伏]
守護対象2人+霊能者CO数(1~3人)=3~6人。(註:霊能者騙りが3人出ると占い師対抗もしくはステルスのどちらかができないので、霊騙りに充てられるのは2人まで。)2日目時点・狼視点での吊り先を除くグレーは8~9人。霊能者の初手被襲撃率は、霊騙りに狂人が含まれる場合3/8~5/12、狂人が含まれない場合3/4~5/6、霊能者が確定した場合2/3。グレー喰いの場合の共有者/結社被襲撃率2/9~2/8、占い師の被襲撃率1/9~1/8。2日目までに表に出る人狼側は0~2人。
霊能者が確定した場合にはそのまままとめ役に就任してもらう「初日霊能者CO作戦」の状況です。霊能者に対抗が出た場合には共有者/結社がCOして(7)状況にする方が実際には安定しますが、2地雷の効果やグレー中の占い師の生存率を優先するなら初手占い白確定者がまとめる手も悪くありません。
村人側の利点ですが、霊が確定した場合の村人側のアドバンテージは圧倒的(ほぼ確実に狩人/守護者が霊を守護、グレー中から占が喰われる率も低く、また共/結2潜伏地雷の抑止効果も持続)です。対抗が出た場合も占がグレーから初手襲撃される率は低くキープされるので悪くありません。また、人狼側の吊り逃れ霊COを防止できる利点が地味ながら効果的です。
人狼側の利点は、霊確定の場合(0)のケースと同様に「グレーからなんらかの能力者(占・共/結)を喰える確率が比較的高い」とも考えられます。霊対抗を出す場合は「霊両吊り前提で守護対象外」になることが多いので、狂人に対抗させて片方を初手襲撃することで難なく真霊を葬り去るという方法もとれます。
(3)共有者/結社員1人早期CO[占い師&霊能者&共有者/結社員1人潜伏]
守護対象3人。人狼視点・2日目時点での吊り先を除くグレーは9人。CO済み共有者/結社員の被襲撃率2/3。グレー喰いの場合の占い師被襲撃率1/9、霊能者被襲撃率1/9、潜伏共有者の被襲撃率1/9。2日目までに表に出る人狼側は0人。
潜伏作戦として最もオーソドックスな状況です。ほぼ間違いなく1COの共/結がまとめ役をすることになるでしょう。
村人側の利点は、状況の主導権を人狼側に握られにくいことと、共/結1人地雷でそれなりに偽黒判定の抑止力を得られること。にらみ合いになるので、3日目が明けるまで停滞しがちです。状況を維持しつつグレーを減らしていくための安定系布陣と言えます。「初手で襲撃された人が能力者だった可能性」をあまり深刻に考えすぎないのがこの戦略を採る場合のコツです。
人狼側の利点はグレーから4/9で「何らかの能力者」を喰えること。能力者狙いのグレー襲撃が上策。しかし逆を言えば5/9で喰い1手損になりますから、それを回避しようとするならグレー域縮小速度を抑えるために占い先や白確定者を襲撃するのが安全策。
(4)共有者/結社員2人早期CO[占い師&霊能者潜伏]
守護対象4人。人狼視点・2日目時点での吊り先を除くグレーは8人。共/結のどちらかが襲撃される確率は3/4。グレー喰いの場合の占い師被襲撃率は1/8、霊能者被襲撃率1/8。2日目までに表に出る人狼側は0人。
村人側はとりあえず占・霊を守るために共有者/結社員を喰ってください、という姿勢。地雷が無いので、初日に共/結が2人ともCOすると人狼側は初手の占いをパンダにしてくる可能性があります。共/結COを初日と2日目に分けて地雷効果を1日だけ持続させる方法もありますが、パンダが出れば初手の吊り先に困らないというメリットもありますので一概に不利とは言えません。
人狼側はグレーを喰うメリットがほとんどありませんので、素直に共有者/結社員を襲撃すべきです。
双方に積極的な利点が無いのが特徴の状況です。
(5)共有者/結社員1人&占い師早期CO[霊能者&共有者/結社員1人潜伏]
守護対象3人+占い師CO数(2~4人)=5~7人。2日目時点・人狼視点での吊り先を除くグレーは7~8。CO共有者/結社員被襲撃率4/5~6/7。占い師の被襲撃率は騙りに狂人が含まれている場合4/10~3/7、狂人が含まれない場合4/5~6/7。グレー喰いの場合の霊能者被襲撃率1/8~1/7、潜伏共有者/結社員被襲撃率1/8~1/7。2日目までに表に出る人狼側は1~3人。
村人側の利点は、霊の生存率が高いことと、1人地雷の効果。また占の対抗が少ない場合には、狩人/守護者のガードを期待できます。占COについて人狼側にコントロールをもっていかれないように、一斉COや共有者/結社員トラップなどでプレッシャーをかけていくのが良いでしょう。
人狼側の利点は、占COに関する状況を比較的コントロールしやすいこと。積極策としては、騙り占い師を2~3人出してガードを薄くした上で占襲撃、ラストウルフのステルス性能に期待。消極策は狂人に占騙りを任せてとりあえず3ステルス。まとめ役共/結が有能だった場合は、場のコントロールについて攻守拮抗することが予想されます。
(6)共有者/結社員2人&占い師早期CO[霊能者潜伏]
守護対象4人+占い師CO数(2~4人)=6~8人。2日目時点・人狼視点での吊り先を除くグレーは6~7人。共有者/結社員被襲撃率5/6~7/8。占い師の被襲撃率は狂人が含まれる場合5/12~7/16。狂人が含まれない場合5/6~7/8。グレー喰いの場合の霊能者被襲撃率1/7~1/6。2日目までに表に出る人狼側は1~3人。
村人側の利点は、地雷が失われることを除いて(5)の場合と同じです。またグレー人数が極めて少なくなるので、ステルスを吊れる可能性は高くなります。
人狼側の利点も(5)同様、占COについてのコントロールを得やすいこと。また地雷がないので偽黒判定を出しやすいことです。
(7)共有者/結社員1人&霊能者早期CO[占い師&共有者/結社員1人潜伏]
守護対象3人+霊能者CO数(1~3人)=4~6人。2日目時点・狼視点の吊り先を除くグレーは7~8人。CO共有者/結社員の被襲撃率は3/4~5/6、霊能者の被襲撃率は、狂人が含まれる場合2/5~5/12、騙りに狂人を含まない場合4/5~5/6、霊確定の場合3/4。グレー喰いの場合の占い師被襲撃率1/8~1/7、潜伏共有者/結社員被襲撃率1/8~1/7。2日目までに表に出る人狼側は0~2人。
「初日霊能者CO」が崩れてこの形になることが多いと思います。霊能者確定かつ共/結1COまとめという状況は考えにくいのですが、初日に共有者が霊確定トラップを仕掛けて成功した場合などにはこの形になることもあるでしょう。
村人側の利点は占を初手襲撃される確率が低いことと、地雷の効果。霊の対抗が少ない場合には狩/守の抑止力もそこそこ期待できます。
人狼側の利点は、霊または共/結を早期に襲撃できる可能性が高いことです。また、霊に対抗を出すか確定させるかで狩人のガード先をある程度誘導できます。
(8)共有者/結社員2人&霊能者早期CO[占い師潜伏]
守護対象4人+霊能者CO数(1~3人)=5~7人。2日目時点・狼視点の吊り先を除くグレーは6~7人。共有者/結社員の被襲撃率は4/5~6/7。霊能者の被襲撃率は狂人が含まれる場合5/12~3/7、狂人が含まれない場合5/6~6/7、霊確定の場合4/5。グレー喰いの場合の占い師被襲撃率1/7~1/6。2日目までに表に出る人狼側は0~2人。
確定トラップ・地雷など共/結絡みの策略の不発が重なった時にはこの形になりやすいでしょう。
村人側の利点は占い師を喰われにくいことです。人狼がグレー狙いで占ヒットする確率は高いのですが、失敗した場合には隠れ場所が狭くなりすぎるので、ガードの薄いCO済み能力者を喰いにくる可能性の方が高いと言えます。
人狼側の利点は、狩/守のガード範囲が広い割に表に曝される人狼側が少ないことです。騙りに人数を割かなくても共/結・霊を積極的に狙っていけます。
(9)占い師&霊能者早期CO[共有者/結社員両潜伏]
守護対象2人+占い師CO数+霊能者CO数(占霊合計で3~5人)=5~7人。2日目・狼視点・吊り先除くグレーは7~8人。霊能者被襲撃率は霊騙りに狂人が含まれている場合5/12~3/7、狂人が含まれない場合5/6~6/7、霊確定の場合4/5。占い師被襲撃率は占騙りに狂人が含まれている場合2/5~3/7、狂人が含まれない場合4/5~6/7。グレー喰いの場合の共有者/結社員被襲撃率は2/8~2/7。2日目までに表に出る人狼側は1~3人。
まとめ役は立候補制か、初手占いを多数決にして結果的に白確定した人がまとめる、というケースです。
村人側の利点は、人狼側を序盤のうちに多く表に出すことが出来ることと、2人地雷の効果です。まとめ役立候補制・一斉CO戦術と併用されることが多く、ローラー前提で2日目から積極的なステルス人狼探しができます。
人狼側の利点は、初手で占・霊どちらかの能力者を襲撃しやすいことと、能力者COについてのコントロールを得やすいことです。占い師騙りに人数を割いて初手真占襲撃を狙うか、2~3人潜伏でグレー中での生存を図るか、というのが一般的に有効とされる戦略です。
(10)共有者/結社員1人&占い師&霊能者早期CO[共有者/結社員1人潜伏]
守護対象3人+占い師CO数+霊能者CO数(占霊合計で3~5人)=6~8人。2日目・狼視点・吊り先除くグレーは6~7人。霊能者被襲撃率は霊騙りに狂人が含まれている場合3/7~7/16、狂人が含まれない場合6/7~7/8、霊確定の場合5/6。占い師被襲撃率は占騙りに狂人が含まれている場合5/12~7/16、狂人が含まれない場合5/6~7/8。CO共有者/結社の被襲撃率は5/6~7/8。グレー喰いの場合潜伏共有者/結社員被襲撃率は1/7~1/6。2日目までに表に出る人狼側は1~3人。
(9)の変形で、共/結が1人まとめ役に立つケースです。初手の占いを黒狙いにしたい場合に用いられます。
村人側の利点は(9)と同様ですが、地雷は1つになります。
人狼側の利点も(9)に同じ。狩/守の抑止力はさらに低下します。
(11)共有者2人&占い師&霊能者早期CO・潜伏なし
守護対象4人+占い師CO数+霊能者CO数(占霊合計で3~5人)=7~9人。2日目・狼視点・吊り先除くグレーは5~6人。霊能者被襲撃率は霊騙りに狂人が含まれている場合7/16~4/9、狂人が含まれない場合7/8~8/9、霊確定の場合6/7。占い師被襲撃率は占騙りに狂人が含まれている場合3/7~4/9、狂人が含まれない場合6/7~8/9。CO共有者/結社の被襲撃率は6/7~8/9。2日目までに表に出る人狼側は1~3人。
「狩人/守護者以外全能力者早期CO」です。村人側・人狼側とも序盤からやりたい放題。
村人側の利点は、ローラーの手数さえ間違えなければ人狼側の戦力を確実に削っていけること。村人視点でのグレー域がかなり狭くなり、ステルス人狼を探すのも比較的ラクです。地雷の効果は失われます。
人狼側の利点は狩/守のガードが薄くなること。とはいえ実際には占い師に集中するので、占い師を喰いたければ占騙りを多く出すか、霊を確定させてガード先をブレさせる必要があります。霊・共/結はほぼ確実に喰えます。

初手の占い先割れに関する考察

ここでの考察対象である「初手の占い先割れ」は、自由占いや選択式占いで占い先が割れるケースがあらかじめ予想される場合や、セットミスによって指定とは別の対象を占った(もしくはその騙りの)場合を除きます。
つまり「本当は占い先を統一するはずだったのに結果として割れてしまった」ケースを想定しての考察。(になる予定。)
従って、ここで述べる「初手の占い先割れ」が起こるのは基本的に上記潜伏作戦をとっている場合に限られます。
占い師2日目COの場合には起こりえますが、このリスクに見合うメリットが2日目COにはない、と今のところ考えています(後述)ので、「最善手をとるなら早期COの場合は占い先が割れない」という前提で話を進めます。

初手占い先割れのデメリット

  • 統一占いのメリットである「少なくとも確定白またはパンダをつくる」ことがほとんど不可能になる(占い機能の一時的無力化)。
  • 多くの場合2日目に占い師がCOすることになる(例:黒判定された者が占い師として対抗する)ので、潜伏作戦のメリットを生かせない。
    • この結果として初手で真占い師を襲撃されやすくなるリスクが生じる(占い機能の完全無力化)。

初手占い先が割れるケース

  • 条件(1):初日に占い師がCOしていない。
  • 条件(2):2日目以降、1人以上の騙り占い師がCOしている。
  • 条件(3):自称占い師の誰かが、他の自称占い師を占ったと主張している。
    • (3-1)初日に指定された占い先が実際に占い師だった。
    • (3-2)初日に指定された占い先が人狼側だった。

予防策

初日の占い先になった占い師は即CO
そのうえで対抗は3日目まで遅延、というのが潜伏作戦の徹底という意味では理にかなっているかな、と。上記の占い先割れ発生条件(3-1)より(3-2)のケースが実際には多いため、当日即対抗にすると人狼側に真占が引っ張り出される格好になり、状況をコントロールされる端緒になりかねません。
まとめ役立候補制
黒狙い主義者からは反発を喰らいそうですが、初手の占い先割れのリスク回避と潜伏作戦のメリットを最もスマートにパッケージできるのがまとめ役立候補制です。立候補の際は非占宣言しましょう。(非霊宣言は不用だと思います。)

対応策

相互補完(三角占い)
自称占い師AとBがCOし、Aが本来の占い対象Bを占い、BがC(第2候補)を占った場合、BがAを、AがCを占う。この場合A-B間の占い師同士の相互占いが実質的に1手無駄になります。
ローラー+補完
上と同じケース、能力者ローラーでBを先に吊り、その日のAの占い先をCと指定する。問題になるのは占い師ローラーの手数が足りるかどうか。
一部補完(後追い占い)
上と同じケースで、AがCを、Bが別の対象Dを占う。以降も先にBが占った対象を次の日にAが占うことで判定を確定させていく。相互補完と異なり、無駄になるのはAの最初の占いのみ。ただし帳尻をどこかで合わせないとグレー中に片占いが残る。
片占いのまま放置
上と同じケースで、Cを完全にグレーとして放置したうえであらためて別の対象Dを指定。Cの白黒はBの真偽推定の手がかりとする。判定を出した占い師が偽の場合、片占いの結果が尾をひきかねない、というのがネック。

2日目COについて

早期COのメリットを最大限に生かすのであれば、初日にCOすべきです。なぜなら、初手の占い先が能力者になる懸念をゼロにすることができるからです。
霊能者ならまだしも、占い師が初日潜伏のまま占い先になった場合、占い先割れの懸念は深刻であり、その上潜伏作戦のメリットも期待できないわけですから、その点において「2日目CO」はまったくの悪手といえます。
とはいえ、推理の仕方は人によって色々です。2日目COを提案する人の意見を聞くと、

  • CO前の発言とCO後の発言とのギャップから能力者の真偽を推定するため、できるだけCO前に喋らせたい。
  • 能力者が表に出る前の段階での、他の人の疑惑の傾向を知りたい。

というものが多いようです。
確定情報よりも発言内容の齟齬から推理するのが得意な人は(そして能力者の3日目襲撃がコワイ人は)2日目案でもメリットはあります。(逆に言うと、発言内容からの推理が不得手な人が「2日目」を推してきたら要注意です。)
また傾向として占い師の人は2日目COを提案することが多いようです。
これは「初日にCOして目立ちたくない=喰われたくない」+「3日目以降まで潜伏して潜伏中に喰われるのも嫌」という板ばさみ心理からそうなるらしいので、人狼は初手占い師喰いを狙うなら、「2日目」提案者から絞っていくというのも手です。
もちろん、私が占い師をやる時には「2日目」を提案しないように気をつけますが。

共有者/結社員地雷に関する考察

序盤戦略において、いわゆる「共有者/結社地雷」の効果をどこまで重視するかは、人によって差があります。
「地雷は偽黒判定に対する抑止力に過ぎず、実際に共有者/結社を占うのはただの占1手損」
という消極派の人もいれば、
「折を見て積極的に地雷に誘導することで、少なくとも1人の偽占い師を暴きだせる可能性がある。占2COの場合、うまく行けば占確定する」
と大きくその効果を見積もる人もいます。

共有者/結社員1人CO&1人潜伏地雷

別名「誘導ミサイル」。

特徴
占い先を指定するまとめ役が恣意的に地雷を占い先に指定できるので、2潜伏よりも実際の地雷発動率が高いようです。
弱点
発動前にまとめ役共有者が襲撃死すると、抑止効果も含めて無力化します。まとめ役の誘導が不自然だと地雷であることがすぐにバレて、単なる占い1手損になります。

この作戦で重要になるのは、相方を占い指定するタイミングです。実際の発動=占い師確定の効果を重視するのであれば、地雷役共有者/結社員は意識的に「占われても不自然ではない位置」に潜伏する必要があります。また、まとめ役共有者/結社員本当の相方以外の白っぽい推定村人をあたかも相方であるかのように振舞う、という手もあります(その偽相方が人狼だったら困るので、人選には注意する必要がありますが)。

共有者/結社員2人潜伏地雷

特徴
地雷としての「抑止効果」を優先するのならこちら。占い先指定を誰がやるにせよ、地雷か否か本人以外わからないという「見えない恐怖」が狼にとっては村人が想像する以上にプレッシャーです。
弱点
占い先指定する人は共有者/結社員が誰なのか知らないので「あえて占いを避ける(手損を避ける)」選択ができず、共有者/結社員本来の機能=「占われずに白確定を増やす」ことができなくなる可能性があります。

従って(逆説的かもしれませんが)この作戦を徹底するのであれば、「本来の機能」ははじめから無いものと考え地雷に特化するのが良いような気がします。つまり占いで黒を出されない限り最後まで潜伏という方針です。


狩人/守護者抑止力の考察

「狩人タイプ」と「守護者タイプ」
GJと抑止力
狩人のまとめ役立候補

(以下編集中)