ロールプレイ(RP)についての考察


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ロールプレイ(RP)についての考察

「RP」という言葉

Role Playing[役割演技]という言葉の頭文字が「RP」 このゲームの原作で「Role」というのは「村人」「占い師」「人狼」といった、いわゆる「役職」を指しますので、その定義からの延長で言えば「RPする」=「役職に応じた働きをこなすこと」とも解釈されうるのですが、
それ以前にこのゲームは対話型(テーブル・トーク)RPG=「ルールの整備された『ごっこ遊び』」の一種ですから、そちらの定義に従って「キャラクター(ペルソナ)になりきる」ことを指してRPと言う場合の方が多いようです。つまり、即興の「お芝居」のことです。
このセクションでの「RP」は後者の意味としてとらえています。

狭義の「RP」=推理に関係しない芝居

すべての発言はRPであると言えます。
中の人のIDはエピローグまで公開されませんから、ゲーム進行中はお互いをキャラクター(ペルソナ)として認識し、そのキャラ名で呼び合います。
その間は好むと好まざるとに関わらず、たとえ中の人の素の喋りであろうと、事実の整理であろうと暴言であろうとメタ発言であろうと、議事録に書き込まれた段階で他の人には「キャラクター(ペルソナ)の台詞として」=「RPとして」読まれます。
本来的な意味でRPせずにゲームに参加することは不可能です
しかし世の中には「RPできない」「苦手」という人もいます。
こうした言い回しのなかでの「RP」という言葉は、推理・議論の本筋とは無関係な芝居を意味しており、上記の「いやがうえにもキャラクターの発言として読まれる」という意味でのRPとは異なります。
たとえば、占い・霊能判定結果の発表の時に添える演出やギャグなどのネタ発言、恋愛RPなどがこれにあたります。
推理や議論に必要な発言に、こういう芝居を交えることで場の雰囲気を演出するのが、狭い意味での「RP」です。
「狭義のRP」はなぜ必要なのか
「狭義のRP」はまずもって、雰囲気を共有するための演出です。しかし同時に「プレイヤー」と「キャラクター(ペルソナ)」を異化する記号でもあります。
たとえば2日目の朝にアーヴァインが喰われることはプレイヤーみんなが知っていますが、「なんと、自警団長が喰われてしまった。人狼はやはりこの中にいるようだな」などと芝居することで、役者たるプレイヤーと役たるキャラクターの視点が違うことを確認するわけです。
プレイヤーは観客であると同時に役者でもあり、議論が白熱してくるとだんだんプレイヤー自身の言葉と役の感情とが「同化」していきます。それはそれで、面白いログを作るためには大事なことなのですが、ゲームの性質上、互いに疑い疑われ、叩き合いののしりあう状況は、プレイヤーが完全にキャラクターと「同化」しきってしまうと、必ずしも楽しいものではありません。
それを「楽しむ」ためには、やや離れた視点から自分の芝居を見る「異化」が必要になります。「『楽しからざる状況に置かれた人』を演じることを楽しむ」ということです。

プロローグのRP

プロローグでは役職の割り振りも決まっておらず、推理すべきこともないので「狭義のRP」のみで進行します。
実際ゲームに突入する前に、舞台となる村の設定やキャラクター同士の人間関係・キャラクター個々の性格をお互いに了承し合う場として与えられている猶予期間です。

キャラクターの設定
村に入る前に、自分のキャラクターのプロフィールをまとめておくと演じやすくなります。
私の場合は「年齢・職業」「語尾や人称、他のキャラの呼び方」「昨日(3日前、1週間前、1月前……)どこで何をしていたか」といった項目を箇条書きにメモしておきます。
最初から細かく設定を決めてしまうと、他のキャラとの折り合いがつかなくなったりするので、最初は大雑把に決めておいた方が。
キャラクター同士の人間関係
「親子」とか「カップル」といった人間関係についての設定を、プロローグでのRP絡みで相互に了承しておくと、芝居をつけやすくなります。
言ったもん勝ちという向きはありますが、個々のキャラ設定と違って他の参加者を巻き込むので、強引になりすぎないよう慎重に。プロローグの話の流れなどにも気をつけながら、お互いに納得のいく関係を構築していきたいものです。
村の舞台設定
「『人狼の噂』はお祭りのイベントだった」「やってきたのは人狼じゃなくて、素人お笑い大会の賞金目当てで妨害しにきたプロの芸人だ」といった村全体を巻き込む設定については、基本的には他の参加者全員の合意が必要です。
「吊り」「占い」「襲撃」のような用語を舞台に沿った言い方に変換するような「遊び」も、積極的な反対者がいたら採用すべきではありません。
自分が「この設定には乗っていけそうにないな」と思ったら
プロローグのうちにその旨をハッキリ表明して反対すべきです。ゲームが始まってから「望んでいた雰囲気とは違うから突然死します」なんてのはもってのほか。
村の大多数が設定に賛同している場合はなかなか反対意見を言いにくいかもしれませんが、望んでいた雰囲気とかけはなれた設定だった場合には参加者の一人として意思表明しておくべきです。みんなが楽しめる妥協点を探しましょう。

推理とRP

RPに力を入れると推理・議論できない?
「人狼騒動」という命に関わる状況の中にいるのはプレイヤーではなくキャラクター(ペルソナ)なのですから、その前提で芝居をつけるとすればおのずと「真剣に推理する村人/本気で村を滅ぼそうとする人狼」の姿勢になるハズ。推理に力が入らないのは、むしろRPがうまくいっていない証拠です。
議論が厳しくてRPを入れる余裕がない?
上述の通り、芝居を入れなくても他の人はキャラクターの発言として認識してくれるので、本来はまったく気にする必要のないことです。ただ、芝居をはさむ余裕がないということは、役に同化し過ぎて視野狭窄に陥っている可能性もありますから、「議論がタイトだなー」と感じたら軽く一言、お茶一杯すする(orご飯を食べる、タバコを吸う、動物の相手をする、etc.)芝居でも入れて、すこし引いた目で議事を見直してみる、ということは必要かもしれません。