光はフォトンと電磁波という二つの側面を持っています。
まず、振動数がνである一モードを考えましょう。
電磁波ではバネのように振幅がエネルギーを表します。
すなわち、振動数 ω をもった調和振動子と見なすことができます。
振幅はhω , 2hω ,,shω と量子化されます。
光を量子としてみるとshω は、s個のフォトンがいることと等価です。
さて困ったことに光はボーズ粒子ですが、大きな状態和をとることは困難です。
というのもギブス因子は粒子の数が不変であるという条件を使っていますが、
フォトンの粒子数は保存しません。
そこで、調和振動子を一つの粒子と考え、モードωの分配関数を計算します。
一辺の長さLの立方体の空洞の中のフォトンの全エネルギーはフォトンの振動数をすべて積分して
n~n+dn 間の軌道の数は4πn^2 dn/8 で、偏向を考えると2つの組があるので
が得られ、輻射のエネルギー密度は温度の4乗に比例します。
この結果はステファンボルツマンの放射則と呼ばれていて、高温の時に輻射が活発になることがわかります。
単位体積当たり、単位振動数領域当たりのエネルギーは ωn=nπc/L を入れて
より、
得られます。これがプランクの放射則です。
プランク則が成り立つためには熱平衡でなければなりません。
プラズマと輻射が熱平衡であるためには粒子と光子が十分に相互作用(衝突)をしなければなりません。
プランク則は物体がすべての波長の光を吸収、放出できなければ成り立ちません。
このような物体を黒体といい、そこからでる輻射を黒体輻射と呼び、スペクトル密度はプランク則に乗っ取っています。
光子にとってプラズマの密度が低く、プラズマを簡単に抜けてしまう、透明度が高い場合(オパシティが低いともいう)では
プラズマと輻射場が熱平衡に達することができません。
この場合、原子は電子との衝突で励起され、光を出して脱励起します。このような平衡状態をコロナ平衡といいます。原子の価数はコロナ平衡モデルで求まります。
密度が増えると脱励起に電子の衝突もからむようになります。原子の価数を知るには電子の衝突と輻射の両方とも考える必要があります。
さらに密度が増えると脱励起は電子に支配され、光子と電子は熱平衡に達します。
原子の価数はサハの式で表されます。
太陽の内部は高密度でオパシティが高く、それゆえ中の光が漏れてきません。
太陽からの光を観測しても中の温度はわかりません。
太陽からの光は太陽表面の温度による黒体輻射になっています。
宇宙は 2.9K の黒体輻射で満たされていて、ビックバンの初期では物質と輻射が熱平衡状態にあったことが分かります。
膨張とともに仕事をするので冷却し、今の温度になっています。
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