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実走着差理論の概略

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大井競馬場の場立ち予想家・吉冨隆安氏の提唱する馬券術。早い話が、レース中の有利・不利を補正して競争馬の正確な能力差を測定し馬券購入に役立てようというもの。 競馬は短距離陸上競技のようなセパレートコースでタイムを競う競技とは違い、コース りや位置取りにより有利・不利が生じる。
仮に同じ能力の馬がレースを行なった場合、コースの内と外を回った馬では当然走破距離に違いが発生するので、外を回った馬は距離損をすることになり不利である。また、一般的にはSペースならば先行馬が、Hペースならば差し馬が有利な展開になる。
こういった“レースのあや”に左右されるレース結果を補正し、着順にとらわれず競争馬の正しい能力比較を行う。こうすることにより能力は低くないのに展開不利による敗戦で不当に人気を落としている馬を焙り出すことができる。
問題点としてはこれ一本で予想できるほど精密に行うにはなかなかに扱いが難しい。著書でも詳細に差し掛かると「ここでは語り尽せないので別の機会に」って感じで寸止めだし(笑)まあ、気持ちは良くわかるけど。
吉冨氏が大井競馬場でのレースにかじりついてこの馬券術を編み出したように、単一の競馬場でラップ変化の少ないダート戦という条件下ならば比較的単純な補正で能力比較ができると思われるが、中央競馬で使用するとなると幅広い知識が必要になり難易度が跳ね上がる。
JRA中央4場で考えた場合でもコースレイアウトの違いから単純な比較は難しい。例えば 中山・阪神の小回りコースはそれなりのペースでも先行馬が最後まで保ってしまうという一面があり、逆に最後の直線の長い東京はSペースでも差し決着になる場合もある。かと思うと最後の直線の長い京都コースでも坂の位置と直線が平坦というレイアウトから先行有利の傾向がある。
また、芝レースでの適用の場合、ダートと違いペースや馬場傾向の変化が激しいので更に複雑さを増す。ダートレースは基本的には直線一気といった勝ち方は難しく、テンから飛ばしてポジション争いをするのが一般的なレース展開である。これに対して芝レースは最後の直線のみのレースになったりとラップの推移にかなりの違いがある。馬場の偏りによって外を回る距離損が必ずしも不利に当たらない事象も発生するのでレースチェックはなかなか大変である。
これらの点を考慮してうまく補正することができると競争馬の能力比較の強力なツール足り得るとは思う。


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