もやしもん』は、2004年8月より青年漫画誌「イブニング」で連載中の石川雅之の漫画作品。菌・ウイルスと農業大学生活をテーマとしている。英語表記は「TALES OF AGRICULTURE」(農業物語)。単行本は2007年6月22日発売の5巻が最新。2007年10月からフジテレビのノイタミナ枠にてテレビアニメが放送
概要
作者の説明によると「農大で菌とウイルスとすこしばかりの人間が右往左往する物語」である。
東京にあるとされる「某農業大学」(名前を伏せているわけではなく、これが正式名称)に入学した、「菌の存在」を知覚できるという不思議な能力をもつ主人公・沢木惣右衛門直保をめぐる学園ドラマである(第5巻収録の第49話冒頭において、「ミニマムな団体劇」とも表現されている)。沢木が知覚する「菌」の存在は、かわいらしくデフォルメされたキャラクターとして描かれている。
人間以外の生物(ウイルスを生物に含めるかについては異論があるが)に明確な人格が与えられ雄弁に喋る、特色あるキャンパスを舞台にしている、メインキャラクターに個性の強い教授、大学院生がいるなどの共通点からしばしば『動物のお医者さん』と比較対照されることがあり、共通のファンも多い。作中で菌たちがたびたび発するセリフ「かもす(醸す)」(繁殖する(発酵、腐敗させる)ことを意味する言葉)は作品のシンボル的フレーズとなっている。
なおタイトルは、第1話が「農大物語」であり、第2話が「農大物語 もやしもん」、第3話は「農大物語改め もやしもん」、第4話は「新タイトル覚えてくれた? もやしもん」、今のロゴデザインになったのは、第5話「ロゴデザイン変えてみました。(農)もやしもん」からである(農は丸の中に稲穂と共に描かれている)。なお、単行本表紙のロゴデザインは統一されていない。
脚注を作画・作話へ有効に盛り込む手法は、同じ講談社の『攻殻機動隊』を彷彿とさせる。基本的には「菌」に関する記述は作者、それ以外は「担当さん(=担当編集者)」が担当している。
一人で描いているためか、休載や減ページが多い。又、単行本の新刊が発行される数ヶ月前にも、その編集および本編の修正/加筆作業のために休載する事が恒例になっている。TEM(透過型電子顕微鏡)とSEM(走査型電子顕微鏡)を混同するなど、学術上の間違いも散見される。
舞台となる「某農大」のモデルについては、実学を重視する建学の精神や、東京の他北の方にもキャンパスがあり、沖縄に実験農場があるなどいくつかの共通点があること、担当編集者宅の近所にあり、しばしば取材に訪れていることなどから東京農業大学であると憶測する読者は多い。しかし、本作品はあくまでフィクションであり、実在の農業大学とは関係ない。事実、某農大に存在する獣医学部は東京農大に存在しない。また、テレビアニメ版には撮影協力として東京農工大学がクレジットされている。
Tシャツやぬいぐるみ、たっふぃんぐ、磁石等の商品が発売される。また「PARIS」Tシャツや「カリブの黄色いジュゴンちゃん」フィギアも発売される予定。
[編集] あらすじ
「某農業大学」に入学した主人公は、「菌やウイルスの存在」を知覚し、会話する事ができるという不思議な能力を持っていた。彼は、菌やウイルスに関する様々な騒動に巻き込まれていく。