カンタンジェイピー あずまんが大王


『あずまんが大王』(あずまんがだいおう)は、あずまきよひこによる4コマ漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。「月刊コミック電撃大王」(メディアワークス)において1999年2月号から2002年5月号にかけて連載された。単行本は全4巻。

概要

とある共学の高等学校を舞台にした学園物コメディで、登場人物の多くは女子高生である。この作品に特定の主人公は存在しない。連載中、作中の時間の流れは現実の時間の流れとリンクしており(春には学年が上がり、秋には体育祭・文化祭があるなど)、メインキャラクターの高校入学から物語は始まり、高校生活3年間が終了すると同時に作品も完結した。

大仰なタイトルとは裏腹に、簡略化された線と抑え気味の演出で進行する。笑いのポイントを意図的にずらすこともよく行なわれ、ベタとシュールの間を行ったり来たりする独特の空気感がある。斎藤環が「この作品で『萌え』を理解した」と著書で述べたり、海藍が『トリコロ』連載に当たって「萌え」を知るために参考にしたなど、萌え4コマ漫画の指標とされ、後の萌え4コマ雑誌創刊ラッシュの遠因とする意見がある。他にも、美水かがみ、むんこ、など何かしらの形で影響を受けたと公言する漫画家も多い。

2000年末にアニメ化され、インターネット上だけで有料ストリーミング放送が行われた。しかし、代金(200円)の支払いは電子マネーのみでの取り扱いのほかブロードバンドがほとんど普及していなかった当時の状況もあってか、この時は第1話だけで終わってしまい、3か月後にはその公開も終了した。

2001年末にスタッフと声優を一新し[1]、6分ほどの短編映画が公開された。金田が歌うエンディングテーマは、影山ヒロノブがラジオで「これはうたというジャンルを超越している」と発言していた。

2002年には映画版のキャストとスタッフで再びアニメ化され、全26回がテレビで放映された。現在はテレビ放映分を収録したDVDが発売されている。また2004年10月から、このテレビバージョンがインターネット配信されている。

2006年に文化庁が発表した日本のメディア芸術100選(マンガ部門)に選出される。

テレビゲーム化も行われた(後述)。

なお本作は作者の実質的なデビューとして扱われることもあるが、これは正確ではない。当時の作者は後述するように、他人の作品へのおまけ漫画の寄稿を主な生業とし、独自の作品はあまり知られていなかったため、本作は出世作と称するのが適切である。