ポストデジタル社会と思弁的実在論


ポストデジタルとは分子生命学、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーをはじめとする有機物的多様体が媒体となったアクター・ネットワークの相互外在性が具現化する現代社会における抽象機械の生成変化の概念である。

ポストデジタルは音響への課題から音楽家 キム・カスコーンにより導かれたグリッチ理論により提唱され、社会学者 松本良多により複合的な社会にアダプトする現象学として明確に定義された。 ポストデジタル・ソサイティは視覚、触覚、聴覚、および運動感覚のメディア体験、仮想と拡張現実の現動化、オリジンとなるノードとグローバル・ネットワークのキャタリスト、インディビジュアルとモナドとしてのコミュニティの対話との微分的な関係、およびウェブ対応のメディアにおいてアーティストの役割が再定義されたインターデシプリナリー性を包含する、コミュニケーション、交流、コラボレーションを通じてつくられた生成と流動の超越論的唯物論である。

資本主義社会はデジタル・パラダイムを、多様体としてのメディアをそのつど反復し地層化する数字列からメッセージを生成するマトリクスの内在性へと微分化させた。 以後、デジタル・メディアは自らアクタントとしての存在者との関係を制御し、ハイパーテキストの内在的原理からなるメッセージを生物学的インタラクションによって流動し変化しつづけるプロテウス的なプラットフォームへと変容させる。 ポストヒューマニズムと同様に、松本良多によれば複雑系、バーチャリティ、分子生命学、ナノテクノロジーにより形成、再生されたインターラクティブな社会が現在から未来への射程としてポストデジタルを構成する。 具現化されたスタック・コンピュテーションと複合現実との間の触媒によるトポロジカルなメタ作用を通してのデジタル技術の内在的平面化とバイオジェネシス・プロセスに取り組む認識論として松本良多はポストデジタルをとらえている。

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2022-09-04
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