金融の勉強


金融の勉強

 をしてみようと思い立った。何となく買ってみた金融電卓HP-12cと、『ビジネスマンのためのファイナンス入門』を使用する。

というよりもむしろHP-12cの使い方をまとめるのがこのページの主旨

きっかけ

 非常にどうでもよいことだけれども、いい加減「俺って世の中の動きがわかるんだぜすげえだろ」とか言っているのが非常にガキ臭く感じるようになったため。お金に換算してしまうのだ。

HP-12cについて

 いまやTIの電卓の方が良いと思う。が、新宿の紀伊国屋に行ったら、文具コーナーが無くなっていて驚愕。これはこのHP-12cでがんばるしかない。まあ、プロになる訳じゃないので、手持ちのこれで十分ではある。しかし、この計算能力の低さには呆れるを通り越して驚きに値する。あのHPが、こんなものを未だに作っているとは。なんせパソコンで0.1秒もかからないであろう計算を1分くらいかけてやることもある。まあ、それが味でもあるんだけれど。昔の電卓そのまんまである。これは悪い意味である。少ないメモリ領域をもの凄く活用しており、このあたりの資源の有効利用の仕方はスゴイとはおもうけれども。

基本演算

超基本HP-12c

カレンダー計算、日数計算

HP-12cは1582年10月15日から4046年11月25日の範囲内で日数計算やらができる。まあ、このレトロ電卓の使える機能のうちの一つ。何の意味があるか分からんが曜日も分かる。日本人は2004年12月29日を12.292004と表記する方がわかりやすいと思うので、フォーマットはg'M.DY'を押下しておく


1981年1月2日の1000日後は何年何月何日何曜日?

1.021981 ENTER 1000 g'DATE'

で、9,29,1983 4 と解が出る。つまり1983年9月29日木曜日(最後の数字は月曜1〜日曜7の数字)。0日後は入力した当日となり、初日不算入であることがわかる。「何日前」かはCHSキーを使用してマイナスにする。

1900年1月31日から2002年6月1日まで何日間か

1.311900 ENTER 6.012002 g'ΔDYS'

で、37376日であることがわかる。同じく初日不算入。

複利計算操作(「n」「i」「PV」「FV」キーの使用方法)

  • iキー 割引率、利子率
  • nキー 率が適用される回数
  • PV Previous Value 現在価値。(初期投資額。通常マイナスにして入力)
  • FV Future Value 将来価値。(最終回収額。)

3項目入力して、答えを出したい残りの1項目を押下すると、計算が開始される。 i n FV PVを使用するだけでも、この電卓の価値はある。

100万円で年利5%の定期を作ったら、10年後にはいくらになっている?

はじめにやるClearFINは表記省略。

10n 5i 100CHS PV FV

で、162.89とでる。ポイントとしては投資はマイナスで入力(CHS)する。順番は不同でかまわない。 逆をやってみる。

年利5%の定期預金を100万円分つくって、いずれ162.89万円にしたい。何年預ければよいのか

5i 100CHS PV 162.89FV n

で計算が始まり、10.00と出る。ちなみに、年利7.2%で10年たつと元の数字の倍になる。7.2という数字は覚えておくと便利。(預金だけじゃなくて、各種成長率、人口伸び率など。これらの数値が7.2%くらいなら、概ね10年後には倍になるんだな、と思ってOK、ということ)


年利1%の時代において、10年後の100万円は今のいくらと等価値か

1i 10n 100FV PV

で-90.53と出る。つまり「複利1%の預金で90万5300円を10年預ければ100万円になる」ということで、逆に言えば、今の90万5千円は、10年後の100万円と同じものなんだよ、ということ。

400万円を6年運用したら500万円になった。年利何パーセントの利率で運用したことになるか

6n 400CHS PV 500 FV i

で、3.79と出る。

(PMTの使用)

 PMTはローン計算につかう(と思う)。1000万円を年利5%で借りた。20年で返すには、月にいくら返すか。

1000 PV 20 g'12x' 5 g'12÷' PMT

で、-6.6と出る 。'12x' や '12÷' は、12倍された数字がn値に代入され、率は12で割ったものがi値に代入される。つまり月で考えるときに使う。PMTはこんなもんでいいか。ハンドブックにあるダイヤグラム(数直線の垂直方向に矢印があるもの)はこの電卓を理解するために必要。キャッシュフロー概念にも使う。

キャッシュフロー計算

 キャッシュフロー計算は家計にも、企業判断にも使える。応用範囲は広い。

入力方法

 初期投資100万円のプロジェクトがある。1年後から年30万円の利益を4年間受けることができる。利子率5%とすると、このプロジェクトに投資すべきか否か。

100 CHS g'CF0' 30g'CFj' 30g'CFj' 30g'CFj' 30g'CFj' 5i f'NPV'

同じ数字を繰り返するのはメンドクサイ。省略する方法がある。

100 CHS g'CF0' 30g'CFj' 4g'Nj' 5i f'NPV'

Njキーで繰り返し入力回数を入れる。4回繰り返す場合は4をいれる。

んで、6.38と出る。また、利子率を10%として計算し直してみる

10i f'NPV'

で、-4.90とでる。

 さて、この数値って何なの?この状態でf'IRR'を押下すると、7.71とでる。なんだろうこれは?


NPVとIRRの値の意味

 ここでやっと『ビジネスマンのためのファイナンス入門』を見てみる。

 つまりこいつは単なる投資判断の指標なのである。NPV計算でやっていることは単純。

  • 初期投資マイナス100に
  • 1年後の30万円の現在価値を足す
  • 2年後の30万円の現在価値を足す
  • 3年後の30万円の現在価値を足す
  • 4年後の30万円の現在価値を足す

で、この数字がNPVというわけだ。このメンドクサイ計算をHP-12cはさくっと(でもないけれど)やってくれたというわけだ。

 6.38ってのはつまりいま100万円投資すれば現在の価値で63,800円の儲けになりますよってことだな。マイナスにならなければ投資価値があると言うことだ。

 で、一方のIRRの方は、NPVが0になる割引率ということ。IRRが7.71と言うことは、5%の割引率なら儲けになるし、10%の割引率なら儲けにならんっつうことだな。で、この入門本によると、NPVを補完するものとしてIRRが使われているように思えるが、どうなんだろう。