「計算力を強くする」


「計算力を強くする」という本

 講談社ブルーバックス。鍵本聡著。副題「状況判断力と決断力を磨くために」

自然は数学をしゃべっている

 「自然」というものは数学という言葉を使って話しかけてくる。数学ができなければ自然を理解することなどできない。数学もできないで理解しようとするからトンデモ科学が生まれてくるのだと思っている。

 というわけで、数学の基本中の基本、そのまた基本の計算をサクサクっとできるようにする手引き書というか、まあそんなところ。僕の尊敬するR.ファインマンは、数桁のかけ算をちょちょいのちょいとやってのけるエピソードが「ご冗談でしょうファインマン先生」という本に著されている。やはり、計算力の向上は自然を理解する上で大事なことだ。というか、この本もまた、10代の頃に読んでおきたかったなあ。

 けっこうキツイ問題が目白押しだ。学生時代(というか生徒時代)に味わった一種の「もどかしさ」を齢30過ぎにしてまた味わっている。

かけ算の練習(この本、結構キビしいよ)

 「九九を覚えさせられるのはそれができないと筆算ができないから(九九ができれば、とりあえず時間をかければどんな桁数のかけ算でもできるようになる、の意味)。もっと拡張して20かける20までを覚えよう」のようなことが書いてあって、計算表が載せてある。しかしはっきり言って僕のような凡人にはこれを覚えるのは無理である。

表を覚えられないので

 11〜19と一桁の数字の積は、まあ暗算でできる。問題は11から19までの数字同士のかけ算。これは速算の方法がある。

(10+a)*(10+b)=100+10(a+b)+ab

を使用する。こうやって式で書くとよりわかりづらいので、たとえば14かける17なら

  1. 14+7(もちろん4+17でも良い)の答え21を10倍した数字210を覚えておく?
  2. 一桁め同士をかける4×7=28
  3. 覚えておいた数字210+28で238 要領つかめばすぐにできる。

 しかし、表を覚えるのがベストだ。この本を読み進めるとわかるが、上記のような計算をするアタマのメモリー空間が必要になるので、余計に暗算はまどろっこしくなる。覚えた方が楽な御仁もいることだろう。僕はアタマ悪いので、11〜19同士の積は覚えないことにした。(でも太字は覚えるように努力する)

この本で太字で書かれた覚えておくと便利な積

2^3=8
3^3=27
4^3=64
5^3=125
6^3=216
11^2=121
12^2=144
13^2=169
14^2=196
15^2=225
16^2=256
11*12=132
11*15=165
12*15=180
12*18=216
14*15=210
15*16=240
16*18=288

ここでも11〜19と一桁の数字の積は太字であっても覚えない(っつうか太字だらけだし)。まあ覚えなくてもぱっと出るかな。