1511-1511


8位 エラスムスが『痴愚神礼讃』を発表

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ーデルランド出身の司祭でオックスフォード大学教授デジデリウス・エラスムスは1511年、ラテン語による風刺文学『痴愚神礼讃』を発表した。エラスムスは1509年にロンドンの友人トマス・モアのもとに滞在している間、わずか一週間程度の短期間で本作を一気に書き上げたという。その内容は、痴愚の女神モリア(モリアエ)が聴衆を前に大演説会を開き、人間社会の馬鹿馬鹿しさや繰り広げられる愚行を饒舌に風刺するというものである。痴愚女神は軽妙洒脱な語り口をもって王侯貴族や聖職者、神学者、文法学者、哲学者ら権威者を徹底的にこき下ろしている。本書はヨーロッパ各国で出版されて大ベストセラーとなっているが、教会批判とも取れる内容が物議をかもしている。