テーマ:ごはんの日常風景


テーマ:ごはんの日常風景

 3章掲載中盤に掲載されたコミカルな各キャラどうしの食事風景です。
 当時拍手に載せていたもの、そのまま転載します。
 連載時はクライマックス真っ最中で、本編との落差が凄かったです。
 本編でこの感じは出せなかったなぁ……。
 特に明菜と藤原について、このキャラを出せなかったのは惜しい。
 『まどか☆マギカ』で日常やってる余裕がなかった惜しさに、通じるものがあります。
 みなさんの作品で想像してみても、なかなか面白いと思います。

 当時は

『なんとなく豆戦士さんの占い風景を見て、日常のニヤニヤ感があったので、
 うちのみんなの日常をギャグとして切り取ってみました。
 意外と補完方法として、結構いいかもしれませんね。
 キャラ崩壊もなくはないかもですが、
 ギャグって誰かが突飛な行動や発言をしないと、
 成立しないものですので、こんなものかも。
 また違うテーマ思いついたら、てけとーに書いてみますかね。』

 ……とも書いてますが、特に続編はなかったです。

1.翼&藤原


「久白は購買派でなくて、学食派か?」

「ううん! どっちでもない! でも、今は俺は学食を制覇するんだ!」

「学食を制覇?」

「うん! メニューを全部食べてみようと思ってて!
 名前だけで想像着かないメニューもたくさんあるから、楽しみなんだ。
 ここっていろんな国のがあって、すごいよね!」

「あ、ああ……。そうだな」

「藤原さんはいつも同じ組み合わせだよね。
 海藻系サラダと、日替わり丼」

「ああ、……お得だからな」

「藤原さんはずっと長くいるから、もう制覇してるんだもんね!
 俺も一番おいしいの見つけてやる!
 公舎裏の菜園の世話もしてみたいなー」

「はは……、そうかそうか……」

「だーくねぇーす……。
(な、何だよ。このワクワクの塊みたいな超健全生命体は!? ※翼のことです
 学食までワクワクして楽しむとか、どんな前向きな感性なんだよ!
 こんなの安くお腹満たせればいいよ! そう思ったら貧困か?!
 メニューなんて半分以上食べてねーよ。
 別にずっとカレーのターンでも構わねーよ!
 僕は、俺は最初から感性が真っ暗だったのか?!)

「(マ、マスター、落ち着いて!
  目の前の久白翼がライトサイドすぎるだけです! ※明るいの意
  理性を! どうか理性を保って!)」

「あれ、藤原さん、どうしたの?
 少し顔色悪いよ?」

「い、いや、何でもない。
 そ、そうだな。学園生活を楽しんでるようで、良かったよ、はは……」

2.翼&藤原&オブ


「学食今日はいっぱいだった。これ買ってきたよー。
 ドローパン!! たくさんあったよ!
 きっと人気商品なんだよね!」

「!?」

「?!」

「あれ、藤原さんも、オブライエンさんもどうしたの?」

「い、いや、特に何でもない、ありがとう久白……」

「ああ、混んでたなら仕方ないな。いただこう……」

「二人とも顔色悪いけど、どうかした?」

(思えば、いつもいつもドローする度に、ハズレを引き当てていた。
 僕の基本的な運の悪さに恨み言を並べたくなるくらいに……。
 これを食べるのは、本当に久しぶり。怖い……怖い……)

(中身が分からないだと……。ハズレつきのロシアンルーレット。
 ここはデュエルアカデミア。どんな陰謀が隠されていてもおかしくない場所。
 細心の注意を払うべきなのか!? このドローパンはどうだ?)

「ダメだよ! 二人ともそんな顔しちゃ!!
 おばちゃん達が懸命に作ってくれてるパンなんだよ!
 それをどうして嫌そうな顔をするの?
 おいしいとか、まずいとかじゃないよ!
 食べ物を粗末にしちゃいけない!」

(相変わらず道徳レベル、高すぎる!
 何この聖人君子、どんな教育受けてきてるんだよ?!
 に比べて、どうせ僕なんか、俺なんか……。
 だーくねぇーす……)

(そうか。おばちゃん達へのリスペクト!!
 そうだ。彼らもその仕事を使命(ミッション)として励んでいる者達。
 ならば、それを存分に味わい尽くすのが、礼儀というものか!
 しかし、逆にそこに付け込むことこそ、兵法の常道……)

((いや、待てよ))

((それでも久白翼なら……、あのドロー力ならやってくれる!!))


……食べてみた……


「海老フライパン、おいしいー!」

「カレーパンか。信じたかいはあった。なかなかだな」

「あれ、藤原さんは何だったー?」

「納豆パン……orz
 噛んだ瞬間に広がるきつい匂いと、わずかな苦味……。
 そして、たれの味も薄く、そもそもパンに合わない……これは……」

「ドンマイだよ! 藤原さん!
 そういう悔しさも含めて楽しむパンなんだよね!
 また今度こそ、いいパン引き当てよう!」

(だーくねぇーす……)



3.兼平&オブ


「ばたんきゅー……………」

「兼平、へばっていないでさっさと食え」

「ぐぅ……」

「食わないと、午後もたないぞ」

「うごぉ……」

「締まりのない態度をしても、特訓は軽くしないぞ」

「ぐへぇ……」

「己の体調をコントロールするのも、訓練の一環だ。
 それくらい自分で耐えきるんだな」

「ぱたりこ………」

「……………」

「グレファーの兄貴に憧れたんじゃなかったのか?」

「ぐぐっ!!」

「陽向居明菜を助けたいんじゃなかったのか?」

「うおおおお!!」

「ならば食え! 力を蓄え、訓練を乗り越えてのみ、そこに辿り着ける!!」

「おおおお!!(がつがつがつがつ)」

「(励ますのも一苦労だな……。
  というか、モチベーションくらい自分で管理しろ……)」


4.明菜&レイ(お昼)


「あれ、明菜ちゃん、ご飯中なのに何をメモしてるの?」

「……………」

「明菜ちゃん?
 え、それってアンケート用紙だよね。
 それにそんなに書き込んで……」

「分からない! これの味付けだけ分からない!!」

「明菜ちゃん?!」

「レイちゃんごめん、先に行ってて。
 すぐ授業に追いつくから!」

「え! ちょっとどこ行くの?! 待って!」

「たのもーー!!」

「ちょっとここ厨房だよ! こんなときに入ったら……」

「てめーら! この時間のこの場所は、俺たちの戦場!!
 そこに入ってくるとはいい度胸してるな……ッ!」

「(まずい、まずいよ……)」

「ごめんなさい! お忙しいのは分かってるんです! でも!!
 このメニューの味付けが知りたくて、聞きに来たんです!」

「(図々しさを、熱意にうまく変換してカモフラージュ!
  これはなかなか高度な乙女テク!!
  明菜ちゃん、これを意識せずにできるとはなかなか……)」

「ほほう……。いい目つきをしてやがるぜ……。
 いいだろう。教えてやらんでもない。
 だが、レシピは料理人の命だ。
 その道をかじったなら、分かってんだろーな。
 ただでくれてやるわけにはいかねーぜ」

「はい! 覚悟はできています!!
 だから、――デュエルで決めましょう」

「(ていうか、この無駄なシリアス展開は何?! 何!?)」

「ほう、デュエルで決めようってのか。
 いいだろう、上等だ。夕方16時に灯台で待っている。
 遅れるんじゃねーぞ」

「はい、分かりました! よろしくお願いします!!
 よし! そうと決まったら、レイちゃん!!
 夕方まで特訓だね! いくよー!!」

「ええー(ずるずるずるずる……)」

「ふふ……腕がなりやがるぜ……。
 あいつなら、いつか我らがカレー魔人様にも辿りつけるかもしれん……」



5.明菜&レイ(夕飯)


「あたしは飢えている……渇いている……、料理に!!」

「あ、明菜ちゃん……。どうしたの?!」

「あっ、あはは、ちょっと最近手が寂しいなーって」

「料理とか言ってたよね……」

「うん。あたしが孤児院いたときは、いっつも作ってたんだ。
 買い物とかもみんなでしてね。
 だから、ここの作ってもらうだけの生活だと、なんだか物足りなくて……。
 あーなんか久々にスーパーの冷房じみた空気を思い切り吸い込みたい!」

「(なんか離婚して実家に戻ったおばちゃんみたいなことを言ってる?!)
 明菜ちゃん、結構料理漬けの暮らしだったんだ……。
 でも、それならここでも、できるにはできるよ。
 僕だって、たまに具材分けてもらって、お弁当作ってるし」

「うーん、それだけでも気晴らしにはなるのかなー。
 でも、もっとこうやり応えのある感じが……」

「「「なら、私たちと一緒にレッド寮の夕食を作りましょう!!」」」

「うわああ、寮食のおばちゃんたち!!」

「レッド寮は一番過酷な状況なの!
 イエローとブルーにいい食材を取られて、具材も貧困。
 その中で、デュエルの成果の上がらない子達を励ますメニューを作る!
 一番使命感とやりがいに満ちた、チャレンジングな職場なのよ!!
 明菜ちゃん! あなたみたいに、経験とやる気に満ちた人材がぜひ欲しかったの!」

「あたし、やります!
 その環境なら料理の腕をまだまだ磨いていけそうです!
 あたしもメンバーに加えてください!」

「(なんか明菜ちゃん、料理人の道を着実に進んでるよーな……。
  孤児院でお姉さんしてきたなら、子供の面倒見るのも上手いんだよね。
  いいお嫁さんどころか、一足飛びにいいお母さんになっちゃいそう……)」


6.明菜&ウロボロス


「この基地で暮らすのなら、これを渡しておかないとネェ」

「えと、何ですか、この大きな瓶。オレンジ色のジャム……?」

「ここの食糧だ。それだけで栄養を賄える。
 空腹を感じたら、食べるといい。
 試しに一口食べてみろ」

「お、おいしい! 甘みが塩味で引き締められて、しつこくない。
 それに頭がすっきりするみたいな清涼感があって、すごい!
 栄養も味も完璧なんて!!
 これどうやって作ってるんですか。
 あたしも料理とか好きで、レシピ教えてください!」

「これは料理ではない。調合に近い。
 それを教えて、そう理解できるものであるまい。
 味覚など簡単な化学反応によるものだ。
 甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5基本味要素。
 これらを組み合わせ調整すればいい。
 ジャムは形など気にせずに純粋に味だけ操作できる。
 それなら旨く調整するくらい造作ないことだネェ」

「じゃあ、せめて使っているものだけでも!」

「万能の栄養と、万能の味、そして完璧な安全。
 それさえ揃っていれば、過程や方法などどうでもいいと思わんかね?
 聞けば確実に後悔する。なかなか見境なく調達しているからネェ。
 それでも聞いてみたいかね? 聞いてみたいかね!」

「(こ、この迫力。な、なんでこんなシーンでこのプレッシャーを!?)
 い、いえ、いいです。これを味わえるだけで満足です!」

「ふむ、よろしい。
 科学者機密に不用意に立ち入るべきではないのだよ」

「(い、いったいあのジャムにどんな秘密が……。気になるけど怖い。
  でも、おいしいし、ううう……)」



7.エル&ウル


「どう? どう?」

「悪くはないが……」

「口に合わない?」

「いや、私に好き嫌いはない。
 そういうことではない」

「じゃあ……」

「エルは料理が不慣れだろう?」

「うっ!」

「ところどころ雑で、粗があるな。
 野菜の大きさが均等でない。だまが残っている。
 煮加減とかは計ってるだろうし、大丈夫だが。
 細かいところで、不慣れなところが出ている」

「ううっ!!」

「自分ではあまり料理しないのだろう。
 シンクも使い込んだ様子がないな。
 大方、手軽に気軽に腹を満たせればそれでいいのだろう。
 早く文字の世界に飛び込みたいのか」

「うううっ!!!」

「反論はできない。
 率直な意見も下手に気遣われるより助かる。
 でも、でも……」

「?」

「ウルも作ってみてください!」


……翌日……


「どうだ?」

「なにこれありえないおいしい」

「レシピを見て作っただけだがな」

「ウルも料理とか無関心そうなのに」

「普段は専らシリアルばかりだが」

「それなのにこんなに上手に!」

「軍のサバイバルで鍛えたからな」

「軍でなんとかって、どんな言い訳にも使える!
 すっごく便利! 誤魔化されてる気がする!」

「そう思うなら、そうだろう」

「この味ってどうやって出したんですか?
 この料理ならこのページの?
 でも、この食材って珍しい。
 近くで売ってました?」

「それなら、代用できるぞ。
 近い植物同士ならどうにかなる。
 その植物が料理でどんな役割を果たしてるか。
 差があれば、それを補うための調味加減を……」

「す、すごい……」

「軍のサバイバルで鍛えたからな」

「やっぱりその言い訳、すっごく汎用性高い!」


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